トップページ > 健康・福祉 > 健康 > 熱中症を予防しましょう > 熱中症予防対策に関する実証実験を行いました!
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掲載日:2022年1月5日
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感染対策を実施した上での熱中症リスクや効果的な予防対策について見える化し、今後の注意喚起に活用していくことを目的に実証実験を実施しました。
なお、本事業は日本工業大学、Biodata Bank株式会社の協力を得て実施し、環境省「令和2年度熱中症予防ガイダンス策定に係る実証事業」の事業実施者として採択されています。
(実証実験の様子:15分間踏み台昇降中)
(1)感染対策を実施したことによる熱中症リスクの変化(マスク/フェイスシールドの着用)
マスクやフェイスシールドを着用した場合、何も着用しなかった場合と比べて明らかなバイタルサイン等の変化は見られなかったものの、アンケート結果からはマスクやフェイスシールド着用による「熱こもり感」や「息苦しさ」、「不快感」が確認できた。
また、サーモカメラの映像から、マスクを着用した場合にはマスク部分の表面温度が顔の他の部分と比べて3℃程度高くなっている様子が確認できた。
(マスクを着用している被験者のサーモカメラ映像。マスク部分だけ赤く表面温度が高くなっている。)
(2)熱中症対策を実施したことによる熱中症リスクの変化-1(日傘/帽子の着用)
日傘/帽子を使用した場合、何もしなかった場合と比べて明らかなバイタルサイン等の変化は見られなかったものの、アンケート結果からは日傘で日光を直接浴びることを防ぐことの効果を確認できた。一方で、帽子では、帽子のツバに覆われていない部分(首や背中)では十分に効果を得られていないとの回答もあった。
また、サーモカメラの映像から、日光を直接浴びた後の日傘の表面温度が50℃近くに上昇しており、日傘等で日光を遮ることの重要性が確認できた。
(日傘を使用して歩行した後のサーモカメラ映像。日傘の表面が濃い赤色になり50℃近くになっている。)
(3)熱中症対策を実施したことによる熱中症リスクの変化-2(クールタオル/首掛け扇風機)
クールタオル/首掛け扇風機を使用した場合、何もしなかった場合と比べて明らかなバイタルサイン等の変化は見られなかったものの、アンケート結果では首掛け扇風機で「体温の上昇幅が少なかった気がする」「(何もしない場合と比べて)体感温度がだいぶ低い」などの効果が確認できた。一方、クールタオルでは最初は涼しいものの時間の経過とともに「ぬるくなってきた」との回答があった。
(4)歩行後の冷却による効果-1(冷水摂取/頸部・腋窩冷却)
歩行(15分間の踏み台昇降)を実施した直後に350mlの冷水摂取と氷水で冷やしたペットボトルによる頸部・腋窩の冷却(約5分)を行なった。冷水摂取した場合、何もしなかった場合と比べて脈拍の低下幅が大きくなる傾向が見られた。また、腋窩冷却では「熱ごもり指数」(Biodata Bank株式会社独自指数)の改善傾向が見られた。
(歩行後に冷やしたペットボトルを腋窩にあて冷却した場合のサーモカメラ映像。脇の下の部分が青く表面温度が低くなっている。)
(5)歩行後の冷却による効果-2(クールファン)
歩行(15分の踏み台昇降)を実施した直後に、冷風機(クールファン)の前で5分程度冷却を行なった。アンケート結果では、快適感や気流感が大きく改善し、「ある程度暑さが解消できた」などの回答を得た。一方、クールファンから少し離れると効果が感じられなくなることから、屋外環境で適切に冷却効果を発揮するか確認が必要と思われた。
実証実験の結果から、「新たな生活様式」における熱中症予防3つの備え-詳細版- を作成した。
※活用される場合には、埼玉県保健医療部健康長寿課(熱中症担当者)までご連絡ください。
※イラストレーターデータでの提供も可能です。併せてご相談ください。
<その他>
本実証実験は、安全のため医師等の専門家立ち合いの下、実施しています。
事前に日本工業大学 人を対象とする倫理委員会の審査を経ています。
各被験者等の距離を1~2m程度保ち、実施3日前からの健康観察及び当日の問診で体調に問題がないことを確認した上で、適切な感染症対策を徹底し実施しました。
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