トップページ > 埼玉県産業技術総合センター研究報告 > 平成24年度研究報告Vol.11
ページ番号:143012
掲載日:2022年3月3日
ここから本文です。
平成24年度に当センターで実施した研究(19テーマ)等に関する成果公表です。
各テーマの詳細は、それぞれのPDFファイルをご覧ください。
No | テーマ名・抄録 | キーワード | 技術区分 | 期間 | PDF リンク |
---|---|---|---|---|---|
1 | 県産小麦の新規ブレンド粉の開発 -パン用ブレンド粉- 埼玉県産のパン用小麦品種「ハナマンテン」に対して、めん用小麦品種である「あやひかり」を加えたブレンド粉について、業務用ミキサーを使用した現場レベルでの製パン適性を確認した。あやひかりのブレンドにより、生地形成に必要なミキシング時間が大幅に短縮された。また、ブレンド粉の総タンパク量が低下しているにもかかわらず、ハナマンテンや市販パン用粉と同等の容積を有するパンの焼成が可能であった。 |
小麦、製パン、タンパク質 | 食品・バイオ | 23~24 | 研究報告(PDF:424KB) |
2 | 県産小麦の新規ブレンド粉の開発 -麺用ブレンド粉- 「さとのそら」を基調とする麺用ブレンド粉について、「ハナマンテン」の添加量が少ないと操作性・製麺性が低下するとともに、その添加割合が生麺の伸びや茹で麺の「こし」、麺のくすみに影響することが分かった。 |
小麦、製麺、タンパク質、SDS不溶性グルテニン量 | 食品・バイオ | 23~24 | 研究報告(PDF:348KB) |
3 | 安全・安心な食品製造工程の管理技術の確立 -食中毒菌の迅速検出技術の開発- 腸管出血性大腸菌O157の迅速検出のため、高感度イムノクロマト試験紙の開発を目指した。試作品の評価系を設定した後、感度に影響を与える要因を調べた。スキムミルクを用いた非特異的吸着の抑制、標識や固定に用いるポリクローナル抗体とモノクローナル抗体の組み合わせ、より大きなコロイド径を有する金属コロイドを用いた抗体修飾を検討することにより、感度が約100倍に向上した。パラジウムコロイドを用いたクロマト試験紙により、10³ cfuのO157を検出できた。 |
食品衛生、O157、イムノクロマト法、抗体 | 食品・バイオ | 24~25 | 研究報告(PDF:387KB) |
4 | 新規減塩漬物の製造技術の開発 新風味を有する減塩漬物の開発に向けて、米麹と乳酸菌を組み合わせて発酵させることで、新たな調味資材となる乳酸発酵麹を製造する方法を検討した。埼玉県産としての個性を出すため、県内の漬物製造業者から収集した漬物から新たに乳酸菌を分離・選抜し、耐塩性乳酸菌1株、耐酸性乳酸菌3株を得ることができた。新たに分離した乳酸菌と当所保有の乳酸菌を添加して乳酸発酵させた麹を用いて、適宜塩分を調整したうえで野菜を用いた試作漬を行ったところ、良好な結果が得られた。 |
漬物、麹、乳酸菌 | 食品・バイオ | 24 | 研究報告(PDF:331KB) |
5 | ステンレス鋼の六価クロムフリー電解研磨技術の開発 ステンレス鋼板のエチレングリコール系電解液を用いた浸漬式の電解研磨において、陽極であるステンレス鋼板上を陰極内蔵の可動電極ヘッドを移動させることで鏡面加工していくシステムを提案し、研磨実験を行った。可動電極ヘッドは箱型であり、電解液が入った箱内の陰極と箱底の開口部を通してステンレス鋼板の電解研磨を行う方式で、電極ヘッドの移動によって研磨面積を拡大させていくものである。実験では、開口部のエッジ通過部分に白濁やピット発生などが観察されたが、電極ヘッドの移動速度を上げることによって問題解決が可能になり、大型ステンレス鋼板の鏡面研磨に活用できる可能性がでてきた。 |
エチレングリコール、塩化ナトリウム、可動電極ヘッド、エッジ | ものづくり基盤 | 23~24 | 研究報告(PDF:390KB) |
6 | 高アスペクト比微細深穴加工に関する研究(第2報) 工具軸方向に低周波振動を付加する微細深穴加工において、穴加工に適した振動波形の選択、及び振動加工に適した刃先形状について検討を行った。主切れ刃逃げ角を最適化したドリルを用い、最適な振動波形の低周波振動を付加して加工を行ったところ、ステンレスSUS316Lに対して、直径0.3mm、深さ9mm(アスペクト比L/D=30)の微細深穴を工具寿命800穴以上で加工することができた。 |
微細深穴ドリル、低周波振動、振動波形、逃げ角、微細加工 | ものづくり基盤 | 23~24 | 研究報告(PDF:1,181KB) |
7 | ピエゾ素子を用いた高推力リニアモータの開発 超精密位置決め用途に用いるリニアモータを試作した。昨年度までの試作機1)により、基本原理・前進後進動作は確認している。そこで、さらなる性能向上をはかるため、新たな試作機を製作し動作確認と性能試験を行った。昨年度までの試作機と大きく動作機構を変えたので、前進・後進共に安定動作をすることができた。推進力20N・保持力50Nとなり、本研究最大の懸案であった推進速度は、2.00mm/sを達成した。 |
リニアモータ、アクチュエータ、高推力、ピエゾ | ものづくり基盤 | 23~24 | 研究報告(PDF:338KB) |
8 | 熱可塑性FRPの高性能化と高度利用に関する研究 -リサイクル性、補修性を有する軽量高強度複合材料に関する研究 ポリプロピレン(PP)等の熱可塑性樹脂を用いた炭素繊維強化樹脂(CFRP)は、リサイクルや補修が可能等の優れた特徴があるが、従来用いられているエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を使用した場合と比較して、流動性が悪いために繊維束に浸透しにくく、樹脂と繊維との親和性が劣り、強度がでない等の問題がある。そこで、PPと炭素繊維(CF)にオゾン酸化処理による表面改質を行った結果、強度が大幅に向上した。これは、オゾン酸化処理の効果によりPPとCF表面上に酸素含有官能基が生成され、PPとCF界面での親和性が向上したためであると考えられる。 |
炭素繊維強化複合材料、熱可塑性樹脂、曲げ強度、オゾン酸化処理、界面 | ものづくり基盤 | 24~25 | 研究報告(PDF:568KB) |
9 | 熱可塑性FRPの高性能化と高度利用に関する研究 -高周波誘電加熱によるポリプロピレンの接合- 誘電セラミックスを添加した接着層組成物を40MHzの高周波印加により溶融させてポリプロピレンを接合する方法を検討した。ポリプロピレンに対し種々の誘電セラミックスを一定体積比にて添加混練した接着層組成物の誘電特性を測定した結果、SiCを40vol%添加した時の損失係数が最も大きかった。各接着層組成物を2枚のポリプロピレンに挟み高周波を印加した結果、20vol%のアナターゼ型TiO2、20、40vol%のZnO及びSiCを添加した場合に40~70秒で接着層組成物が溶融して被着材のポリプロピレン板と強固に接合し、引張せん断試験において母材破壊を起こした。また、本接着試験における高周波による接着層組成物の加熱のされやすさはtanδ/ε'と相関が認められた。 |
高周波誘電加熱、ポリプロピレン、誘電セラミックス、接着層組成物 | ものづくり基盤 | 24~25 | 研究報告(PDF:420KB) |
No | テーマ名・抄録 | キーワード | 技術区分 | 期間 | PDF リンク |
---|---|---|---|---|---|
1 | BEMS/HEMS技術の開発 -エネルギー管理システム 実証実験について- すべてのエネルギーを効率的に利用するため、建物やエリアのエネルギー管理システムが注目されており、国内外で精力的に実証実験が行われている。SAITECはエネルギー管理システムSAITEC EMSを開発した。リアルタイムで各棟の電力使用量を見える化するため、SAITEC EMSを北部研究所に導入し、実証試験を行った。 |
BEMS、HEMS、エネルギー管理システム | ものづくり基盤技術(人・社会に優しい) | 23~ | 研究報告(PDF:781KB) |
2 | 県産ねぎを使った新規加工食品の開発 -ねぎを使った酢の製造- 埼玉県産ネギを材料として、アルコール添加法により酢を製造することを検討した。酢酸発酵の方法として静置培養及び振とう培養を行ったところ、静置培養によってのみ酸度が4%程度まで上昇した。得られたネギ酢の風味は、穀物酢とは異なり、野菜特有のさわやかな風味が感じられ、良好なものであった。また、原料ネギ由来の機能性成分である含硫アミノ酸類は、酢酸発酵によって一部減少する可能性があるものの、得られたネギ酢中に残存しているものと考えられた。 |
ネギ、酢、含硫アミノ酸 | 食品・バイオ | 23~24 | 研究報告(PDF:336KB) |
3 | 発酵による食品副産物の有効利用 食品リサイクル法の実施により、食品廃棄物などの発生抑制、廃棄物の減量、資源としての有効利用を行うことが望まれている。現在、食品廃棄物として問題となっている、おからの有効利用について発酵技術を用いた検討を行った。発酵に利用した酵母は清酒製造に利用される埼玉県産の8種類で、総量155gで小仕込み試験を実施し、得られた発酵液についてエタノール、香気成分(カプロン酸エチル、酢酸イソアミル)分析を行った。 |
食品廃棄物、おから、エタノール、カプロン酸エチル、酢酸イソアミル | 食品・バイオ | 23~24 | 研究報告(PDF:281KB) |
No | テーマ名・抄録 | キーワード | 技術区分 | 期間 | PDF リンク |
---|---|---|---|---|---|
1 | 精密測定機同士の連携に関する研究 精密測定のための連携治具を製作し、依頼試験に利用することを目的とする。連携治具とはそれぞれの測定機で測定が可能で、それぞれ独立した測定機同士を共通の座標軸で連携させるものである。本研究では測定機の定盤上を基準面(XY平面)とし、XY平面内での座標軸の共通化を目指した。本研究で対象にしたのは三次元測定機、画像測定機及び輪郭形状測定機である。また、座標軸をどの程度正確に共通化できたかを評価できるように検証方法を検討した。 |
精密測定、座標系、三次元測定機、輪郭形状測定機、画像測定機 | ものづくり基盤 | 24 | 研究報告(PDF:319KB) |
2 | 高温もろみ対応清酒酵母の開発(第2報) -小仕込み試験方法の検討- 前報において28℃でアルコール耐性を示す株を選抜したが、28℃での小仕込み試験では雑菌による汚染の危険性や並行複発酵のバランスが崩れていることが示唆された。雑菌汚染対策としては乳酸使用量を、並行複発酵のバランスに関しては仕込配合、原料処理、酵素剤の使用を検討した。その結果、28℃の小仕込みに適した乳酸と酵素剤の使用量を得た。 |
清酒酵母、高温もろみ、乳酸、酵素剤 | ものづくり基盤 | 24 | 研究報告(PDF:205KB) |
3 | 固相マイクロ抽出法を用いたメッキ液中サッカリンの濃度評価 固相マイクロ抽出法と液体クロマトグラフを用い、メッキ液中に含まれる光沢剤の濃度を評価する方法について検討した。純水で希釈した後、リン酸酸性とした試料より、ポリアクリレート製の抽出ファイバーを用いてサッカリン酸を抽出し、アセトニトリル中に脱離させた検液を液体クロマトグラフで分析した。その結果、サッカリン酸のみを含む水溶液及びニッケルメッキのモデル液どちらも同様にサッカリン酸濃度の評価が可能となった。 |
固相マイクロ抽出、液体クロマトグラフ、メッキ液、サッカリン濃度 | ものづくり基盤 | 24 | 研究報告(PDF:543KB) |
4 | 試験装置等監視システムの構築 試験装置等監視システムは、既存の試験装置に後付けで独立設置した機器を自動制御するとともに、運転状況などを遠方にて「見える化」するためのものである。本システムは、既存技術を応用し、センサによる情報取得、マイコンボードによる情報処理、リレーによる動作制御、サーバ及び電子メールを利用した情報配信などの機能で構成されている。システムの運用にあたっては、広く普及しているAndroid情報端末を利用し、機器の制御等にはオープンソースのプロトタイピングツールであるArduinoを用いた。これにより、比較的短期間でシステムの開発が行え、これまで手動で対応していた作業の自動化が実現した。 |
マイコン、Android、見える化、制御 | ものづくり基盤 | 24 | 研究報告(PDF:645KB) |
No | テーマ名・抄録 | 委託元 | 技術区分 | 委託期間 | PDF リンク |
---|---|---|---|---|---|
1 | 〈受託事業名〉 戦略的基盤技術高度化支援事業 成形サイクルの短縮に係わる型技術の開発 |
経済産業省関東経済産業局 | ものづくり基盤 | 22~23 | 研究報告(PDF:151KB) |
2 | 〈受託事業名〉 戦略的基盤技術高度化支援事業 アルミ鍛造の生産工程削減を可能とする潤滑油の開発 |
財団法人埼玉県産業振興公社 | ものづくり基盤 | 23 | 研究報告(PDF:345KB) |
3 | 〈受託事業名〉 次世代自動車用高性能蓄電システム技術開発/次世代技術開発 カーボンフェルト電極マイクロ波放電を利用したマグネシウム二次電池正極活物質の研究開発 |
NEDO | ものづくり基盤 | 20~23 | 研究報告(PDF:149KB) |
平成24年度研究を1冊にまとめて収録した、「平成24年度研究報告(PDF:6,573KB)」です。
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください