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掲載日:2018年12月20日

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平成22年度研究報告Vol.9

平成22年度に当センターで実施した研究(25テーマ)等に関する成果公表です。
各テーマの詳細は、それぞれのPDFファイルをご覧ください。

研究プロジェクト(2テーマ)

No テーマ名・抄録 キーワード 技術区分 期間 形態 PDF
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1 中・小規模施設向けビルエネルギー管理システム(BEMS)の開発
中・小規模のビル等の施設における、省エネルギーによるCO2排出量削減のため、安価なビルエネルギー管理システムの開発を目的とした。システムは、見える化サブシステム(使用電力量や温湿度等をモニタリングするシステム)と、制御サブシステム(照明等設備の、入/切もしくは運転強度の変更を自動化するシステム)から成るものとした。そして、実験室系においてテストシステムを構築し、当センター北部研究所物理実験室に導入した。その結果、システムの正常動作(制御システムについては一部検討を要する)を確認するとともに、次年度以降の本格稼働による、省エネルギーの達成見込みが示唆された。
BEMS、見える化、制御 環境工学 21~22 産官 研究報告(PDF:415KB)
2 栗渋皮を利用した新規機能性製品の開発
栗渋皮を用いて菓子類の試作を行った。栗渋皮はポリフェノール成分の損失が少ない条件でロースト処理を行い、特徴的な風味を持たせたものを用いた。試作品のアンケート調査では概ね良い評価を得ることができた。一方、問題点としては、渋皮の風味が弱いという意見や、ざらつきが気になるという意見があげられた。これらの解決策として、商品特徴を生かす栗渋皮の添加割合や方法の検討、より幅広い用途のための微粉化などが考えられた。また、栗渋皮の機能性評価として抗がん作用について検討した結果、がん細胞の増殖抑制効果が認められ、栗渋皮成分が抗がん作用を有する可能性が示唆された。
栗、渋皮、ポリフェノール、機能性食品 環境工学 22~23 産官 研究報告(PDF:270KB)

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産業支援研究(8テーマ)

No テーマ名・抄録 キーワード 技術区分 期間 形態 PDF
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1 福祉用具の機能別共通試験方法に関する研究
-「すべり止め機能」の試験方法の開発-

近年、急速に普及する福祉用具に対し試験方法の整備が遅れていることを踏まえ、これまで用具別に行っていた試験方法の開発を機能別に行うことで、より効率的に整備を進めることが考えられている。本研究ではその中の「過負荷防止機能」について開発を行った。可動部を有する福祉用具を抽出し、可動部の動作に着目して7つに分類した。そして、その分類ごとに試験方法を開発した。さらに、荷重センサを用いた試験方法について、過負荷を検知した後の負荷の変動について検証を行った。その結果、検知後も荷重センサに掛かる負荷は増加し、過負荷として設定した値を上回ることが分かった。開発した試験方法は(独)製品評価技術基盤機構(以下、NITEという)に提案し、他の機能の試験方法とともに機能別共通試験方法としてJIS化を目指していく。
標準化、機能別共通試験方法、過負荷、荷重 福祉工学 20~22 官官 研究報告(PDF:440KB)
2 県産素材を用いた高付加価値食品の開発
-県産小麦麺の色調保持技術の開発(Ⅱ)

pH調整を目的として各種の酸を添加した麺はゆで後の時間の経過に伴い黄色みが退色し、このような麺の退色の抑制にはフェルラ酸等の抗酸化性成分の添加が有効であった。一方、酸添加のゆで麺にはリポキシゲナーゼ(LOX)活性が残存し、これが黄色み成分であるルテインの分解に関与するとみられた。また、pH3.8に調整した大豆LOX溶液では10分間加熱した場合でもLOX活性が認められ、酸性下で加熱耐性を有することが分かった。
あやひかり、黄色み、ルテイン、リポキシゲナーゼ 食品・バイオ 21~22 産官 研究報告(PDF:440KB)
3 清酒酵母の開発(第2報)
清酒酵母変異株54株について、発酵試験、小仕込み試験を行い、少酸株1株、カプロン酸エチル高生産性株2株の計3株を選抜した。これらについて総米60kg清酒製造試験を行ったところ、FFC6株(親株は埼玉F酵母、鉄イオンビーム照射による変異、セルレニン耐性)は対照と比較して、カプロン酸エチルを高生産し、酸度が小さく、アルコールの生成や日本酒度の切れは同等で、アミノ酸度は高めだが、もろみの液中での死滅率は小さかった。実地試験では、華やかな香りの高い清酒が製造できたが、もろみ日数が長い、アルコールや酒化率が低め、アミノ酸度が高い、などの検討課題も見られた。
清酒酵母、重イオンビーム、人工変異、カプロン酸エチル 食品・バイオ 21~22 産官 研究報告(PDF:440KB)
4 米粉を用いた新規製麺技術の開発(2)
-植物繊維を利用した米粉麺-

微小繊維状セルロースを混合した米粉を主体とする麺の製麺技術について検討した。微小繊維状セルロースを1重量%混合することで、米粉の粒度の大小にかかわらず生麺では引張強度が上昇し、ゆで麺では最大圧縮応力が増加した。また、最大圧縮応力の上昇割合は米粉の平均粒径が小さいほど大きかった。走査型電子顕微鏡観察により、微小繊維状セルロースが米粉麺中のデンプン粒の間に分散し、米粉のデンプン粒と混合した繊維部が絡みついていることが確認された。これらのことから、微小繊維状セルロースの添加が米粉麺の強度補強に影響し、米粉粒径が小さいほうが米粉麺の作製に効果的であることが分かった。
米粉、植物繊維、微小繊維状セルロース 食品・バイオ 22~23 産官 研究報告(PDF:367KB)
5 遺伝子検出による迅速微生物解析技術の開発
食品に混入した大腸菌群の定量を迅速化かつ簡易化するため、PCRを用いた大腸菌群定量方法について検討した。大腸菌群に特有のlacZ遺伝子を検出するプライマーを開発し、大腸菌群分譲菌株のPCR反応を調べた結果、供試菌株51株中48株を検出できた。また、ゲノム抽出操作に際して菌懸濁液に界面活性剤を加えることにより抽出時間を従来の約1/5に短縮できた。大腸菌群を予め添加したハンバーグについてPCR法により測定した結果、定量PCRにおけるCt値が大腸菌群添加量と高い相関(0.99)を示し、大腸菌群の定量が可能なことが示された。食品から抽出して定量PCRの結果を得て、大腸菌群を定量するまでの所要時間は約3時間であり、平板培地法による測定時間の約1/8に短縮できた。
食品衛生、大腸菌郡、ゲノム抽出、定量PCR 食品・バイオ 22~23 単独 研究報告(PDF:409KB)
6 超臨界流体を用いた精密成形に関する研究
超臨界微細発泡射出成形は、成形品内部に気泡(セル)を形成し、軽量化や高寸法精度の成形品を作製できることから注目を集めている。今後は、家電に使用される非晶樹脂(HIPS)と、自動車部品に使用される結晶性樹脂(PP)との両者が超臨界微細発泡成形により作製されることが期待されている。本研究では、成形条件の変化によるHIPSとPPの発泡構造やセル形態の推移についてX線CTを用いて比較提示した。その結果、最高充填圧力が増加すると、HIPSとPPの気泡径は増加し、気泡密度が低下した。最高充填圧力(Pmax)が低い場合、HIPSとPPの発泡構造は酷似している。一方(Pmax)が高い場合は、PPとHIPSの構造に差異が生じ、PPにのみ表面近傍において楕円状の気泡が形成した。
超臨界窒素、微細発砲、X線CT、非晶性樹脂、結晶性樹脂 ものづくり基盤 22~23 産官 研究報告(PDF:487KB)
7 ガスタービン用ノズルへの微細深穴加工に関する研究(2)
火力発電所用ガスタービンのノズル材料であるステンレスに対し、直径0.1mm、深さ1.5mm(アスペクト比L/D=15)の微細深穴を加工時間1分以内、工具寿命50穴以上で加工することを目標に検討を行った。まず、目標加工時間内で工具寿命が最長となる加工条件を検討した。続いて、シンニングによって形成されるチゼル部すくい角、超音波振動付加、及び低周波振動付加について検討を行った。その結果、チゼル部すくい角と切削動力の相関性、超音波振動付加による工具寿命増加、低周波振動付加による切りくず分断が確認された。さらに、各手法を併用すると効果が相乗され切削動力を約60%低減、工具寿命を約9倍とすることができた。
微細深穴ドリル、シンニング、超音波振動、低周波振動、微細加工 ものづくり基盤 21~22 産官 研究報告(PDF:608KB)
8 レーザ結晶の高効率超精密研磨に関する研究
レーザ結晶は、レーザ発振を発生させる部品として用いられる。しかし、レーザ結晶は非常に精密な部品であるため、その表面精度は非常に高いものが要求される。また、大変硬くて脆い材料特性のために加工が非常に困難である。そこで、より高い要求の精度を達成するために、新しい結合材を用いたEPD砥石の作製について検討した。砥石組成や作製方法について検討し、結合材にアクリルを用いたEPD砥石の試作を行った。試作砥石を研磨機定盤に取り付けて研磨した結果、湿式スラリー研磨に比べて短時間で中仕上げ程度の研磨面が得られることが分かった。
電気泳動現象、EPD砥石、メカノケミカル反応、アクリル、レーザ結晶、研磨 ものづくり基盤 22~23 産官 研究報告(PDF:634KB)

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新技術創出研究(3テーマ)

No テーマ名・抄録 キーワード 技術区分 期間 形態 PDF
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1 埼玉県産硬質小麦の製パン利用技術の確立
埼玉県産硬質小麦「ハナマンテン」について、その製パン適性を向上させるため、最適なミキシング条件について検討するとともに、グルテン成分に注目した小麦粉のブレンド試験を行い、その製パン性の改善効果について検討した。ハナマンテンでは、市販の一般的なパン用粉と比較して加水量を5~10%程度減らすとともに、ミキシング時間を長くとる必要があることが確認された。また、小麦品種「あやひかり」とのブレンドにより、パン体積とともにやわらかさなどが向上した。
製パン、ハナマンテン、グルテン、ミキシング 食品・バイオ 22 産官 研究報告(PDF:365KB)
2 高分解能高推力リニアモーターの開発
従来に比べ高推力を目指し、新方式のリニアモータを試作した。動作確認を行った結果、直線的に0.24mm/sの推進速度で動作した。さらに、逆方向への駆動も行うことができた。性能試験は、推力20N・保持力100N・分解能5nmとなり、目標に対して一定の性能データを得ることができた。しかし、静電容量センサを用い、本リニアモータ1ステップ動作の分析を行ったところ、進行ステップに対して16%程、後退する現象を伴っていることが分かった。この現象が、性能を低下させている要因となっていると考えられるので、今後は、この現象を低減させていくことが大きな課題となる。
リニアモータ、アクチュエータ、高推力、ピエゾ ものづくり基盤 22 産官 研究報告(PDF:323KB)
3 ステンレス鋼の六価クロムフリー電解研磨技術の開発
-毒劇物を用いないステンレス鋼の電解研磨-

ステンレス鋼SUS304の電解研磨に適用できる毒劇物を含まない電解液組成の検討を行った。エチレングリコール系の非水溶液と水溶液を比較すると、どちらも光沢度の向上は認められ、研磨速度は水を含む方が優位であった。そこでエチレングリコールと水の比率が1:1で塩化ナトリウム、クエン酸からなる電解液を使用した。電解条件(電圧、温度、時間)を適切に調整してステンレス鋼SUS304板が鏡面光沢度Gs(60°)500以上の高品位な鏡面に仕上がることを示した。
電解研磨、ステンレス鋼、エチレングリコール、塩化ナトリウム、クエン酸 ものづくり基盤 22 産官 研究報告(PDF:406KB)

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技術支援高度化研究(2テーマ)

No

テーマ名・抄録

キーワード

技術区分

期間

形態

PDF
リンク

1

抗カビ剤の簡易評価法の開発
水溶性抗カビ剤の最小発育阻止濃度(以下、MIC)及び最小殺菌濃度(以下、MBC)を測定するために、マイクロプレートを使用した多検体化と希釈濃度の細分化を検討した。また、マイクロプレートリーダーを使用した微生物増殖曲線から、生存胞子数を推定し90%死滅速度(以下、D値)に応用した。その結果、従来法と遜色ない試験精度と試験工程の簡略化が可能となった。

抗菌試験、抗カビ試験、MIC、MBC、D値、マイクロプレート

食品・バイオ

22

産官

研究報告(PDF:879KB)

2

1GHzを超える電磁ノイズ環境のサイト評価と測定に関する研究
当センターが保有するEMC(ElectroMagnetic Compatibility)関連設備である10m法電波暗室と小型の簡易電波暗室である電磁波障害対策室について、不要輻射を測定する放射エミッション規格のGHz帯周波数拡張における測定法:CISPR16-2-3 第2版1)への対応と、測定サイト評価方法:CISPR16-1-4第2版(SVSWR法)2)に適合する環境を構築できるかを検討した。その結果10m法大型電波暗室については前述規格に適合したサイト評価により適合することを確認し、電磁波試験測定装置を利用する企業が希望する迅速で効率的な測定を行うための測定環境が構築できた。

EMC、電波暗室、SVSWR法、サイト評価

ものづくり基盤

22

単独

研究報告(PDF:1,073KB)

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環境コンソーシアム共同研究(2テーマ)

No テーマ名・抄録 キーワード 技術区分 期間 形態 PDF
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1 多元多点光ファイバセンシングによる省エネ・防災システムの開発
データセンタの省エネ・防災の観点から、データセンタ内の多点温度・振動計測を目的としてBOF/DWPR方式のシステムを開発した。開発の中でスプリッタとダミーファイバコイルを用いたセンサネットワークトポロジーの偏波依存損失を実験で検証し、BOFの加熱処理によりセンサの特性均一化に成功し、センサの環境試験を行って耐環境性に問題ないことを確認して当初の課題を解決した。最終的に32本のファイバを実装したシステムを試作し、実用的なセンシングシステムが構築できる可能性を示した。
省エネルギー、省電力、CO2削減、光ファイバセンシグ、防災 環境工学 21~22 産学官 研究報告(PDF:706KB)
2 空気の渦流れを利用するバイオマスと石油の異種燃料燃焼器の開発
平成21年度の成果として、籾殻のみでの連続燃焼が確認できたので、実用性の高い燃焼器を完成すべく、平成22年度の業務を行った。1次燃焼筒はφ200で試験を行っているが、大型化の寸法効果を確認するためにφ320の燃焼器を新たに試作し、性能の調査を行った。平成21年度に試作したバイオマス燃料の供給部は、籾殻の供給は行うことができたが、オガコの供給はできなかったので、大径のスクリューフィーダーを試作して機能調査を実施した。燃焼部は縦型で火炎が下方に排出される方式なので、この下に2次燃焼筒を設け、隣に灰分離筒を併設し、遠心力で灰を分離し、上から燃焼ガスを排出する方式を採用した。燃焼の制御は低コスト化を図るため、バイオマスの供給をインバーター制御から、位相制御に変更し機能の確認を行った。これらの改良の結果、開発している燃焼器は籾殻のほかに他のバイオマスの燃焼にも利用することが可能であり、当初設定した目標をほぼ満足していることが判明した。
化石燃料・加工燃料、循環型社会システム、環境に対する負荷の軽減 環境工学 21~22 産学官 研究報告(PDF:805KB)

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外部資金導入研究(8テーマ)

No テーマ名・抄録 委託元 技術区分 委託期間 形態 PDF
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1 〈受託事業名〉 地域科学技術振興事業(都市エリア産学連携推進事業)
タンパク質の高分子育種を基盤技術とする先端バイオ産業の創出
文部科学省 食品・バイオ 19~21 産学官 研究報告(PDF:284KB)
2 〈受託事業名〉 重点地域研究開発推進プログラム(地域ニーズ即応型)
オーバルベル構造による次世代型ピストンアナ加工技術の開発
文部科学省 ものづくり基盤 20~21 産官 研究報告(PDF:223KB)
3 〈受託事業名〉 重点地域研究開発推進プログラム(シーズ発掘試験)
オンサイト金属材料判定用ゲルの開発
文部科学省 ものづくり基盤 21 産官 研究報告(PDF:242KB)
4 〈受託事業名〉 地域イノベーション創出研究開発事業
埼玉の自動車部品軽量化をめざすチタン・マグネ溶接自動化の開発
関東経済産業局 ものづくり基盤 20~21 産学官 研究報告(PDF:199KB)
5 〈受託事業名〉 戦略的基盤技術高度化支援事業
アモルファス金属粉末を原料としたマイクロ部品の製造技術の開発
関東経済産業局 ものづくり基盤 19~21 産学官 研究報告(PDF:178KB)
6 〈受託事業名〉 戦略的基盤技術高度化支援事業
射出成形用金型設計・生産の納期短縮にかかるインテグラルシステム開発
関東経済産業局 ものづくり基盤 19~21 産官 研究報告(PDF:206KB)
7 〈受託事業名〉 戦略的基盤技術高度化支援事業
高精度粉末冶金成形技術の開発
関東経済産業局 ものづくり基盤 21 産学官 研究報告(PDF:190KB)
8 〈受託事業名〉 戦略的基盤技術高度化支援事業
微小振れツール製作システム開発
関東経済産業局 ものづくり基盤 21 産官 研究報告(PDF:234KB)

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