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掲載日:2024年5月17日

令和6年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(松坂喜浩議員)

埼玉県立高校の共学化について

Q 松坂喜浩 議員(県民)

埼玉県立の男子高校が女子が女子であることを理由に入学を拒んでいること、女子の入学は当然認めるべきであり、女子差別撤廃条約に違反している事態は是正されるべきと、令和4年4月12日付けの苦情の申出から埼玉県男女共同参画苦情処理委員の合議によりまして、昨年8月30日に埼玉県教育委員会教育長宛てに勧告を行いました。その勧告の趣旨として、男女別学は男女差別撤廃条約上、男女別学であることだけでは条約違反とされていないものの、男女共学での教育が奨励されており、男女の役割についての定型化された概念の撤廃が求められること。また、埼玉県立高校の男女別学校における管理職や教職員の格差における問題が浮き彫りになっていることは明らかであり、共学化が早期に実現されるべきとしております。
遡ること平成14年3月28日における苦情処理委員の勧告の趣旨では、高校生活の3年間を一方の性に限ることは人格形成からも、男女共同参画社会づくりの観点からも問題である。高校生という多感な時期に異性と真剣に向き合い、共に協力し合って問題を解決していく体験こそ重要である。公立の高校として男女の性差にとらわれることなく、個人の能力、個性を発揮していくため、男女別学校の共学化を早期に実現する必要があるという、男女共学の必要性を訴えたものに対しまして、県教育委員会の報告は、将来にわたって共学化を進めていくという立場に立ちながらも、本県の数少ない別学校は多くの県民の強い支持があること。各学校の主体性を尊重する必要があることなどから、早期に共学化を実現するという結論には至らなかったというものでありました。
それから早くも22年が経過しましたけれども、今回の勧告を踏まえ、マスコミが様々な観点から記事として取り上げられております。男女共同参画自体は正しいことでありますが、それを実現するための公立高校共学化というのには疑問を感じます。別学を希望する生徒も多く、その受け皿も必要であることから、私はこのたびの提出された勧告に反対する一人として、まずは埼玉県立高校の管理職や教職員の格差等については県教育行政の問題であり、今回の共学とは趣旨が異なるものと考えます。
このことを踏まえ、以下、現在の埼玉県立高校の状況について、教育長に伺います。
1点目、令和4年度の管理職数についてであります。男子校では、女子管理職数の割合が0パーセント、女子高では女子管理職の割合が32パーセント、県立高校全体における女子管理職の割合は14.3パーセントとなっておりますが、男子校での女子管理職の割合が0パーセントという実態をどう捉えているのかお伺いいたします。
2点目、教職員数についてであります。男子校では女子教職員数の割合が21.4パーセント、女子校では49.1パーセントとなっております。男子校と女子校の女子教員数の割合に2倍以上の差が生じていることに対し、それをどう捉えているかお伺いいたします。
3点目、男子校における管理職、特に校長及び教頭の女性割合を増加させることについて、どのように考えているのかお伺いをします。
4点目、本勧告書では男女別学は男女差別撤廃条約上、男女別学であることだけでは条約違反とされていないものの、男女共学での教育が推奨されており、男女の役割についての定型化された概念の撤廃が求められるとされておりますが、共学化すれば、その概念が撤廃されるという捉え方はいかがかと考えますが、見解をお伺いいたします。
5点目、男女別学校の近隣に共学校が存在することから、共学化については地域要件も大きな要素の一つとして考え、別学制も選択肢として存続させることが望ましいと考えますが、見解をお伺いいたします。

A 日吉亨 教育長

まず、男子校での女性管理職の割合が0パーセントという実態をどう捉えているのかについてでございます。
県立学校の管理職につきましては、管理職としてのリーダーシップや管理・運営能力、実績等を重視し、適材を適所に配置することを基本方針としております。
現在、県では、女性管理職の積極的な登用に努めているところですが、令和4年度の男子校の女性管理職が0パーセントであったことから、今後、改善の余地があるものと捉えております。
次に、男子校と女子校の女性教職員の割合に2倍以上の差が生じていることに対し、それをどう捉えているのか、についてでございます。
教職員の人事異動につきましては、教職員人事異動方針に基づき、教職員の性別、年齢、教科等の構成の均衡に配慮しながら実施しております。
その際、校長の経営方針や教職員の希望なども考慮しており、教職員の男女の割合は、学校により異なりますが、均衡を図っていく必要があるものと捉えております。
次に、男子校における管理職、特に校長及び教頭の女性割合を増加させることについてでございます。
女性管理職の登用につきましては、教育委員会として積極的に推進していく必要があると認識しております。
男子校の女性管理職については、令和5年度に、事務部長1名を配置しておりますが、校長及び教頭の配置を含め、改善すべきものと考えており、積極的な登用に努めてまいります。 
次に、共学化すれば、「男女の役割についての定型化された概念」が撤廃されるという捉え方についてでございます。
女子差別撤廃条約第10条では、「すべての段階及びあらゆる形態の教育における男女の役割についての定型化された概念の撤廃を、この目的の達成を助長する男女共学その他の種類の教育を奨励することにより、また、特に、教材用図書及び指導計画を改訂すること並びに指導方法を調整することにより行うこと。」と規定されています。
このことから、「共学化しなければ、男女の役割についての定型化された概念が撤廃されない」とまでは言っているものではないと、捉えております。
次に、共学化については地域要件も大きな要素の一つと考え、別学制も選択肢として存続させることについてでございます。
現在、県立高校の中には、男女別学校が12校ございます。
今回の勧告では、「中学生も含めた県民全体の意識調査を行うなどの積極的、主体的な取組が必要である」と指摘されていることも踏まえ、様々な意見を丁寧に伺うことも必要と考えております。
今後の県立高校の在り方について、これらの意見も参考にしつつ、責任をもって、検討してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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