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掲載日:2024年4月3日
Q 蒲生徳明 議員(公明)
言うまでもなく、県政の最大の眼目は県民の命と財産を守ることであり、医療環境の充実は最重要な施策の一つであります。
公明党県議団は、本事業についてはその重要性は認めつつも、事業が進む中で県負担が相当な規模になることが予想されることから、整備費の総額や補助の条件等について、透明性のある議論と県民が納得できる説明が必要と考えています。また、費用対効果の点から、当初の第一の達成項目である実効性のある医師派遣の成果を具体的に出せなければ、容認は難しくなると考えます。
以上のことから、昨年12月定例会で我が団の深谷顕史議員の一般質問に対する答弁も踏まえ伺います。
1点目に、医師確保の取組についてです。
1月の医療審議会では、大学の医師派遣計画について、開院前から開院2年後までの派遣者数2名については議論がありましたが、開院3年後からは5名、開院4年後は12名、開院5年後からは毎年20名を派遣することについては議論はなく、計画の人数を下回らないことと答申されました。
一方、県はこれまで医学生奨学金を月20万円、年間240万円、6年間で1,440万円を貸与し、返還を免除する代わりに医師確保困難地域や救急、産科、小児などの不足している診療科で9年間勤務することを義務付けることで、医師を確保しております。大学附属病院の整備で年間20人を下回らない程度では、医師確保の切り札となるのか疑問です。費用対効果から考えると、奨学金制度だけで十分ではないでしょうか。知事の御所見を伺います。
2点目に、県は大学側から整備費の総額について説明を受けているのでしょうか。総額が答えられないのであれば、例えば1,000億円を超える額なのかどうか、規模感をお示しください。現時点で大学側からの一方的な総額の提示であっても、事業の規模感すら示されないのであれば、透明性のある議論にはなり得ないと考えます。
また、総額の公表が円滑な協議に支障を及ぼすとは思えません。県民のお金の使い方を審査する負託を受けた我々は、巨額な出費となる可能性のある事業について十分な情報を持ち、時間をかけて慎重に審査することを県民から委ねられています。県の説明責任とともに、県民から審査を託されている我々議員の責任も十分に考慮し、知事の答弁を求めます。
また、補助対象や補助率など本事業の確認書で交わした2分の1を上限とする補助に対する県の考え方について、併せて知事の御所見を伺います。
3点目に、今後、協定書などを締結する際は、事前に県議会の了承を得るという認識でよいか、重ねて知事の御所見を伺います。
A 大野元裕 知事
県では平成22年度以降、医学生奨学金制度を活用し、県内で勤務する医師を確保してまいりました。
この制度により、今年度135名の医師が県内で勤務をしており、順天堂大学附属病院開院から10年後に当たる令和19年には、県内で合計551名の医師が勤務することが見込まれ、本県の地域偏在及び診療科偏在を解消する上で、欠かせない存在となっています。
医学生奨学金貸与者は、研修中若しくは研修終了後間もないこともあり、医師としてはこれから経験を積まれる方々であります。
他方、大学附属病院の整備により、病院に勤務し、または医師確保困難地域に派遣される医師の多くは、専門医資格を取得した医師と見込まれています。
専門医は、豊富な経験を持った貴重な医療人材として、本県医療に大きく貢献いただけるものと考えます。
また、大学附属病院の整備により、高度医療の提供や政策医療への協力も見込まれます。
こうしたことから、費用対効果は、財政支出額に対する県内で勤務する医師数といった面だけでは測ることができないと考えております。
奨学金制度による医師の確保と、大学附属病院整備による医師の確保、派遣について、それぞれの利点を生かすことで、今後の県内の医療提供体制の充実・強化を図ってまいります。
次に、県は大学側から整備費の総額について説明を受けているのかについてであります。
昨年11月末に、大学から基本設計が完了した旨の報告と合わせ、大学が独自に積算した概算総事業費なるものが提示されました。
この概算総事業費は、建設工事や医療機器などの全体の合計額であるとの説明を大学から受けています。
次に、総額が答えられないのであれば、それは1,000億円を超える金額なのかどうか、規模感を示すことについてであります。
概算総事業費は、あくまで大学が独自に見積もった金額を一方的に県に対し提示したものに過ぎず、規模感であったとしても、県として責任を持って示せるものはございません。
また、大学側も建設工事の請負契約の締結に支障があるとの懸念により公開を望んでいないことから、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
次に、補助対象、補助率など、本事業の確認書で交わした「2分の1を上限」、としている補助に対する県の考え方についてであります。
大学と締結している確認書に基づき、医師派遣等の取組が勘案された後に病院側が補助を希望する場合、「新病院等の整備費」に関する協議を行い、財政支援を行うことも想定をされます。
「新病院等の整備費」への補助については、医師派遣計画が医療審議会の答申内容を踏まえた見直しがなされ、条件が整った後に、病院側が補助を要望する場合に上限として協議されるものとなります。
したがって、要望を受ける環境が未だに整っていない現時点では、補助対象や補助率などについてお答えができる状況にはございません。
次に、今後、協定書などを締結する場合には、事前に県議会に了承を得るという認識で良いかについてであります。
大学附属病院を誘致した他の自治体では、具体的な財政支援額や支出方法などを記した協定書など書面を締結した事例がございます。
議員御指摘の協定書が、仮に他の誘致自治体と同様、具体的な財政支援額を定め、締結するものであるとすれば、その内容は将来の債務を負担する行為に当たる可能性が高く、予算として議会の議決を要するものと考えます。
今後、大学との間で、具体的な財政支援額を定める内容の書面を締結するということになりましたら、あらかじめ県議会に御提案をさせていただき、御審議をいただきたいと考えております。
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