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掲載日:2024年4月3日
Q 蒲生徳明 議員(公明)
まず、ジェンダー主流化の具体的な展開についてです。
知事は県職員への仕事始めの挨拶で、今年の抱負に「女性活躍とジェンダー主流化」を挙げています。依然として女性の活躍を妨げるガラスの天井を取り除くため、県全体の事業にジェンダー主流化の視点を取り入れるよう訴えています。
ジェンダー主流化とは、政策、事業、組織運営の全てのプロセスで、ジェンダーの視点に立った対応を行うこととされています。男女共同参画、女性の就業・就労支援など縦割り行政のままでジェンダーギャップの解消に取り組んでも、どこかの政策に必ず穴が空きます。全ての行政プロセスでギャップが生じないように見直すという知事の考えは、県が目指すべき正しい方向性であると思います。
自治体のジェンダーギャップの解消の先進例に、兵庫県豊岡市の取組があります。市はジェンダーギャップ対策室を設置し、2021年度から10年間を計画期間とする豊岡市ジェンダーギャップ解消戦略を策定、市民の理解の向上、事業所の環境改善、家庭内の役割分担の見直し、女性の経済的自立促進、さらには子供たちの教育に至るまで、体系的に成果目標を定めています。
特筆すべきは、首長の強力なリーダーシップとともに、高校生や20代のワークショップの開催など戦略の策定に向け若い世代の当事者の意見を吸い上げ、施策に生かそうとする目線の置き方にあると思います。
そこで、ジェンダー主流化の考え方を県内の行政、そして民間に根付かしていくための方策について、知事の考えをお聞きします。
次に、女性の活躍促進についてです。
女性は出産、育児を通し一時的に労働市場から離れざるを得ないことが多く、キャリアの中断はその後の働き方に大きな影響を与えます。女性が子供を持つと、収入が平均で約6割も減ってしまうというデータもあります。女性が真にその能力を発揮し、出産、育児を経てもキャリアを諦めないで済む世の中にするためには、社会全体の意識改革と働きやすい職場環境の整備、そして男性の家事・育児への主体的な関わりなどを、同時に粘り強く進めていく必要があると考えます。
近年ではワーク・ライフ・バランスの諸制度が進み、仕事と育児が両立できる環境が整ってきています。しかしながら、令和4年度の全国の企業と事業所の男性育児休業の取得率は17.13パーセント、ここ数年は増加傾向にありますが、女性の80.2パーセントとは大きく離れ、改革はいまだ発展途上です。
国では、男性の育児休業取得率を向上させるために給付金の拡充が検討され、民間においても大手企業の中に手当を上乗せする動きもあります。一方で、ワーク・ライフ・バランスで優れた実績を上げる団体・組織ほど、地方の中小企業が多いと指摘する識者の声もあります。
そこで、県内中小企業のワーク・ライフ・バランスを更に推進し、女性活躍の促進のための今後の県の取組について、知事に伺います。
A 大野元裕 知事
持続可能な社会に向け、あらゆる人が活躍でき、様々な発想や行動が生まれ、変化に強い社会づくりが不可欠となっています。ジェンダー平等は、その動きを加速するものであります。
そこで本県では、ジェンダー平等の達成を目指し、ジェンダー主流化の取組を本格化させてまいります。
県の施策や制度においては、男性と女性の機会の平等は確保されていますが、その結果を見ると、依然として男女間で格差をもたらしている場合があります。
例えば育児休業制度は、男女が対象である一方で、男性の育児休業の取得率は増えてはきたものの、取得期間が女性と比べて短い状況にあります。
ジェンダー主流化を県行政全体に展開するためには、県のあらゆる施策においてこうした男女間格差を洗い出し、その格差を解消するための手法の確立が必要です。
そこで、今年度は、防災、農業振興など5つの分野からモデル事業を選定し、専門家の助言も頂きながら、ジェンダーの視点から事業点検を実施し、格差解消に向けた取組案を検討いたしました。
来年度からは、この経験を県庁全体で共有するとともにジェンダーの視点から横串しを刺し、これまで埋もれていた男女それぞれのニーズを掘り起こすことで、更なる施策効果の向上を図ってまいります。
また、行政や企業等において、ジェンダー主流化の考え方を定着させるためには、トップ自らがその重要性を理解し、組織全体に広げていただく必要があります。
そこで、令和6年度には、県内の市町村長や企業の幹部向けのトップセミナーなどを実施し、私自らが働き掛けることで、ジェンダー主流化の取組を社会全体に浸透させる流れをつくりたいと思います。
こうした本県の取組により、県内はもとより、国内のジェンダー主流化を牽引してまいりたいと考えております。
次に、女性の活躍促進についてであります。
私は、知事に就任して以来、女性の活躍について強い思いをもって進めてまいりました。
女性活躍推進は社会全体の課題であり、女性が能力を発揮できていないとすれば、その要因は長時間労働や未だ根強く残る性別役割分担意識などにあると考えています。
この状況を変えるには、様々な施策を講じ、着実に進めていく必要があります。
県では、仕事と家庭などの両立のため、働きやすい職場環境づくりに取り組む企業を「多様な働き方実践企業」として認定をしております。
また、長時間労働の是正や女性の職域拡大などの課題に取り組む企業に対し、社会保険労務士など専門家を派遣する支援を行っております。
他方、女性がキャリアを諦めることなく働き続けるには、男性の家事・育児参加を進めることが重要です。
県では、男性育児休業等推進宣言企業の登録制度を通じて企業の取組を応援しており、令和6年1月末現在、1,701の事業所に宣言を頂いているところであります。
来年度は、これらの取組を更に一歩前に進めるため、男性の育休取得に積極的に取り組む企業の表彰や県民参加型の啓発イベントの開催等により、経営者の意識や企業風土の改革を進めながら、社会全体で機運醸成を図ってまいります。引き続き、企業のワークライフバランスの推進に取り組み、女性も、男性も、あらゆる人が生き生きと活躍できる社会の実現を目指してまいります。
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