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掲載日:2022年3月30日
Q 松坂喜浩 議員(県民)
国立がん研究センターの推計で日本人の2人に1人が生涯でがんを経験するとされ、さらに定年延長などにより、現在ではがん患者の3人に1人は就労年齢でがんにり患すると言われております。また、がん治療の発達により通院での治療をする患者も増えていて、今後は経済的な問題や生きる意欲を持ち続けるため、仕事と治療の両立を支援することが必要であります。
しかし、治療と仕事の両立は困難という思い込みから、がんと診断された労働者の約35%が依願退職、あるいは解雇を余儀なくされております。さらには、既に離職してしまった労働者が再度就職しやすい環境整備が大変重要であります。東京都では、がん患者を新規に雇用した事業者に奨励金を支給するなど事業主への支援により、再就職に向けた諸施策が行われております。
そこで、がん治療と就業の両立に配慮し、新たにがん患者を雇用する事業所に対し、東京都のようながん患者就労支援奨励金制度を創設することについて、産業労働部長に見解をお伺いいたします。
また、がんは早期発見、早期治療により死亡率の低減が図られることから、早期発見に必要ながん検診の受診率向上へ施策の提言をたびたび一般質問で行ってきました。さきの決算特別委員会において、がん検診受診率向上に向け民間企業、団体と連携をしながら、がん検診受診率向上に向けた取組を促進するため協定を締結したとありました。一方、県が受診率向上を目指し取り組む、この検診受診促進事業に参加した事業所は1,000社程度であったということであり、埼玉県全体を考えると低過ぎるかと思います。
私は、さきの決算特別委員会で改善、又は検討を要する事項として、がん検診の受診率を向上させるため企業・団体と協定しているが、しっかりと目標を設定し結果が出せるように取り組むことを提言させていただきました。
このような実情から、商工会、商工会議所、関係団体を通じて広くがん検診受診率向上に向けて県内企業へ周知を図ることも重要と考えますが、いかがでしょうか。保健医療部長の見解をお伺いいたします。
A 板東博之 産業労働部長
がん患者就労支援奨励金制度を創設することについてお答えを申し上げます。
議員お話のとおり、治療技術の発達により、通院治療をしながら再就職を希望されるがん患者の方が増えております。
再就職を成功させるためには、まず、企業の皆様に病気に関する理解を深めていただくとともに、治療と仕事の両立を図るための職場環境整備を進めていただくことが重要です。
県では、平成30年度から「仕事と生活の両立支援相談窓口」を設置し、専門の相談員が、がんなどの治療と仕事との両立に悩む労働者や企業からの相談に対応しております。
企業からの相談には、時間単位の有給休暇制度やテレワークの導入など、治療と仕事との両立を図るために有効な職場環境の整備に関するアドバイスを行っております。
また、国では「治療と仕事の両立支援助成金」制度を設け、がんなどの傷病を抱える労働者のために、病状や治療内容に応じた職場環境の整備を行った企業に対して1人あたり20万円の助成を行っています。
県におきましては、まずは、国の助成金制度を「仕事と生活の両立支援相談窓口」や企業人材サポートデスクにおいて、県内企業にしっかりと周知してまいります。
御提案の東京都の制度は、例えば、がん患者の方を週20時間以上で雇用した場合、1人あたり60万円を助成するもので、国の制度と趣旨を同じくするものでございます。
新たな制度の創設につきましては、今後、他の自治体の導入状況や県内企業の意向、課題などを調査し、がん患者の雇用継続や採用促進の施策の一つとして研究してまいります。
A 関本建二 保健医療部長
がん検診受診率向上のため、関係団体を通じて広く県内企業へ周知を図ることについてお答えを申し上げます。
がんは県民の死亡原因の第1位であり、令和2年のがんによる死亡者数は2万人を超えています。
一方で、がんと診断された人が5年後に生存している割合を示す、がんの5年相対生存率は向上しており、転移のない早期のがんであれば9割を超えています。
そのため、がんの早期発見・早期治療を可能とするがん検診を受診することは、きわめて重要となります。
がん検診の受診者を分析いたしますと、職場でがん検診を受診する割合が増加しており、例えば、肺がん検診では受診者の約7割が職場で受診しています。
したがいまして、議員御指摘のとおり、企業等ががん検診の重要性・必要性について理解し、がん検診を受けやすい職場環境づくりを進めることは大変重要です。
このため、県では健康保険組合等と連携し、加入する企業等にリーフレットを配布し、がん検診の重要性・必要性を周知しております。
県といたしましては、関係団体と一層の連携に努め、県内企業等に対する周知に努めてまいります。
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