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掲載日:2022年3月30日
Q 高木真理 議員(民主フォーラム)
新型コロナウイルス感染症がダイヤモンドプリンセス号で初めて見つかってから2年以上が過ぎました。未知のウイルスはその後も形を変え、現在は第6波、刻々とゲノム配列や症状を変化させており、いまだに収束を見通すことができていません。
そして、この新型ウイルスは後遺症にも様々な症状があり、それらに苦しむ人々を、本県が県医師会と連携し専門外来を設置して、治療体制を整えたことは大いに評価されるべきと考えます。
さて、私がここで問題にしたいのは、後遺症の中にも大変重い症状が長期に続き、回復の兆しをつかめないまま、健康面でも経済面でも苦しい状況に追い込まれている人たちがいるということです。
昨年秋、1本の電話がかかってきました。さいたま市北区の女性で、第1波で新型コロナウイルスに感染。しかし、4日発熱が続かないと医者にかかることもできなかった第1波、4日連続の発熱の後、彼女は診察を受けようと頑張ったけれど、どこもいっぱいで診察も検査も受けられませんでした。何とか死なずに熱は下がったものの、ひどい倦怠感で仕事への復帰を断念。ほぼ寝たきりの状態になってしまったとのことでした。仕事を失い、生活が心配で、さいたま市の区役所に相談したら、「全財産売り払って、最後に生活保護を受けてもらうしか方法がありません」と言われたそうです。「ひど過ぎます。一度この状況を見に来てください」と、その女性は訴えられました。お宅に伺うと、そのしんどさは一目瞭然でした。立ち上がってトイレに行くこともかなり難しく、寝たきりが続く状況で、筋力も失われるばかりとのことでした。
後遺症外来を利用して医療にかかることはできたけれど、特に症状を改善できる治療法に出会えるわけでもなく、症状に変化はなし。彼女によると、こうした重い後遺症に悩む人たちでツイッターのやり取りがあるようですが、第1波の陽性者に、こうした重い症状の人が多いとのことでした。この方々は、当時、圧倒的に少ない検査しか行わずに、患者を自宅にとどめた政府方針の犠牲者とも言えます。そして彼らには、生活が立ち行かなくなっても何の支援制度もないという現実があるのです。
そこで、2点、知事に伺います。
県は、県医師会との連携で後遺症外来を設置し、症例集を作成することになりましたが、これらの報告の中で、その後、仕事を辞めざるを得ないほど重い症状に長期間悩まされている人がいることを把握しているでしょうか。人数や割合についてもお答えください。
全国的な災害級となった新型感染症による後遺症です。これにより生活が立ち行かなくなった方々には、支援があってしかるべきと考えます。しかし、障害認定にも当たらず、難病指定もありません。こうした支援制度の創設には、まず、コロナ後遺症のメカニズムが明らかにされ、診断基準が決まる必要があるようです。コロナ後遺症外来の症例集をしっかり作れた埼玉県だからこそ、国にこうしたメカニズムの調査を求めることができると思います。また、その調査を基に、必要な支援の創設の必要性を国に訴えることができます。国に対して、発症メカニズムの調査と支援制度の創設を求めるお考えがあるか、伺います。
A 大野元裕 知事
長期にわたり重い症状が継続している人についてでございます。
昨年10月1日から1月31日までの間に、専門的な医療機関を415人の方が受診されましたが、新型コロナウイルス感染症の発症からおおむね1年以上経過しても症状が継続しておられる方は、そのうち6.5%に相当する27人であり、それらのうちさらに倦怠感が継続している症例が9症例ございます。
この9症例のうち、退職したことが確認されているのは1人、休職したことが確認されているのは2人となっています。
診察された医師は、「療養後に社会生活に復帰して、活動量が増えるときにいつもと異なる倦怠感を感じ、仕事や学校を休むなど生活に支障を来していることが多い。」と言っています。
また、「療養後、活動量を増やし過ぎると、クラッシュと呼ばれる動けなくなるほどの倦怠感を感じることがある。クラッシュを防ぐためには、無理なく活動できる量を計画し、その範囲で生活を送るように療養指導を行うことが大切である。」とも話をされています。
現時点で、倦怠感の原因は究明されておらず、治療法は確立しておりませんが、早期に受診をし、医師の療養指導を受けることが、クラッシュにより仕事を続けられないという事態を防ぐことにつながります。
今年度中に完成させる症例集には、こうした具体的な対処方法をしっかりと盛り込み、多くの医療機関に後遺症外来を実施していただくことで、後遺症に苦しむ方を一人でも多く救える医療体制を構築してまいります。
次に、発症メカニズムの調査と支援制度の創設を国に求めることについてでございます。
後遺症の発症メカニズムの解明や治療薬の開発、苦しむ方への支援は、国において対応するべきものと考えますが、県における症例やそれに基づく知見が役立つよう国に対しても症例集を提供してまいりたいと考えています。
その上で、第6波での後遺症患者の増加も懸念されることから、発症メカニズム解明のための調査や苦しむ方への支援に取り組むよう、国に対して強く要望してまいります。
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