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掲載日:2022年3月30日

令和4年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(高木真理議員)

デジタル基本時代の発想のパラダイムチェンジについて - 取組におけるベースの考え方について

Q  高木真理 議員(民主フォーラム)

コロナ禍に接した数々のニュースの中で、あれっ、日本はそんなに遅れていたのかと感じたことがありました。どうして先進国並みのPCR検査数が確保できないのか、どうしてワクチン接種のスタートがこれほど遅れるのか、などなどです。デジタル対応の遅れも、その一つです。
昨年、新型コロナウイルスワクチンの接種がようやく始まろうかという時期に、川崎の接種会場で模擬訓練をしているニュースがありました。すると、その後、カリフォルニア州で仕事をしている中学時代の同級生から連絡が入りました。「今ニュースで見たけれど、問診票が紙だった。カリフォルニアでは、ワクチン接種の希望から問診票までをオンラインで入力する。自分の順番が来たらメールで連絡を受け、添付の接種番号かバーコードを提示し、接種する。信じられない。今からでも変えられるように、髙木から河野大臣に掛け合えないか」、そして友人は、自身が接種の申込みから問診まで全てスマートフォンで入力した画面をスクリーンショットで送ってくれました。
しかし、恥ずかしながら、その時点で私は、デジタルでできればよいけれど、日本ではスマートフォンを持っていない人もいるし、操作が難しい人も多いから、問診票は紙でも仕方がないのではないかと思ってしまったのです。友人からは、「紙ベースの問診票をなくせないのは理解するが、主軸はオンラインにするべきだ。その後の接種率の把握など進める上でも、紙だけではできない」と返ってきて、自分の頭の立ち後れに大いに気づいたのでした。
デジタルデバイドが存在していても、基本をデジタルにして、次にデジタルにアクセスできない人への支援を考える。この順番に頭をチェンジしなければなりません。
政府は、e-Japan構想で20年前からICT化を図ろうとしてきましたが、なかなか進みませんでした。しかし、このコロナ禍のインパクトは社会を変えようとしています。
本県は、大野知事就任以来、ペーパーレス化やDXを加速しており、評価するところです。埼玉県デジタルトランスフォーメーション推進計画では「デジタルファースト」がうたわれ、正にパラダイムチェンジの号令はかかりました。ただ、なかなか全職員の皆さんがデジタル化を理解し、発想のパラダイムチェンジに至ることは難しいとも思われます。
また、デジタルの仕事の進め方では、データベースの設計に当たり、その後の拡張性や他部署との連携など広い地平に立つ必要があります。こうした観点に立って、以下質問させていただきます。
これからの本県の事務執行に当たって、パラダイムチェンジという認識に立ち、デジタルを基本とする必要性について、改めて御認識を伺います。

A   大野元裕   知事

議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大をきっかけに、デジタル化に対するパラダイムチェンジが起こっていると認識をしています。
以前の行政サービスは、誰もがサービスを享受できるという観点から、紙でのサービスとデジタルのサービスの並立が必要という考え方が一般的でありました。
しかし、コロナ禍にあって、紙による手続のために窓口に出向くことは、感染リスクを高める要因となりかねません。
また、オンラインで申請を受け付けても、その後の処理を紙で行っていては、給付金申請のような短期間で膨大な処理が必要な手続には対応することができません。
コロナ禍の今、県民誰もが簡単にデジタルで利用できるサービスが提供され、全ての行政事務がデジタルで迅速に処理される業務環境こそ、ウィズコロナ、アフターコロナの社会に求められているものだと考えます。
新型コロナウイルス感染症に関する保健所業務等についても、紙とファクスが当たり前であった第5波までの慣習を改善をし、My HER-SYSやショートメールでの健康観察等を進めた結果、第6波では陽性者が第5波と比較して大きく増加したにも関わらず、埼玉県では健康観察が継続され、ファーストタッチもおおむね目標どおり実施され、容態急変時の体制も問題なく維持されました。
私は、知事就任以来ペーパーレス化をDX実現への第一歩として強力に推進をしてまいりました。
役所にとってはある意味パラダイムチェンジだったのかも知れませんが、押印の見直しなど制度面も含め、全ての行政手続のオンライン化を目指し、抜本的な改革を不断に進めるつもりであります。
一朝一夕には成し遂げられないものではありますが、トップとして強い意志を持って実行するべきものと考えます。
県民サービス、行政事務全てにおいて、「デジタルを基本とした行政」というパラダイムチェンジを実現し、より豊かで快適な真に暮らしやすい埼玉県への変革を目指してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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