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掲載日:2020年7月8日
Q 金子 勝議員(自民党)
私は常々、自治体財政の透明性を高める、そのためには企業会計の視点が必要であると考えております。したがいまして、国・総務省が企業会計の発生主義、複式簿記を活用した財務書類の整備、それを促進してきたことに意を強くするものです。
そこで、まず公会計制度に対する総務省の技術的助言について伺ってまいります。
一昨年の平成27年1月23日、総務省は統一的な基準による地方公会計マニュアル、これを公表し、自治体が作成すべき財務書類等の基準を明示しました。また同日、統一的な基準による地方公会計の整備促進についてという大臣通知を発し、そのマニュアルの活用を促しました。
具体的には、全ての都道府県及び市町村が原則、平成27年度から29年度までの3年間で、この新たな統一基準で財務書類等を整備する、そのように要請したわけであります。
そこで、以下三点について企画財政部長に質問いたします。
一、今年度は総務省が提示した期限の最終年度に当たります。果たして、本県はこの期限に間に合うよう財務書類の整備が進んでいるのでしょうか。
二、同じ通知で各都道府県知事は指定都市を除く市町村長に対し、この通知を速やかに連絡し、その趣旨を適切に助言する旨、要請いたしました。
さて、本県は該当する市町村に対し、どのような助言、支援を行ってきたのでしょうか。また、この統一基準による財務書類等の整備、該当する市町村の状況はどうでしょうか。長く現金主義、単式簿記の公会計に慣れた市町村では、発生主義、複式簿記の実務にたけた人材が育っていない、これが実情で、県の支援は欠かせない、そう判断するところですが、いかがでしょうか、答弁願います。
続いて、質問三、総務省の同じ通知に公共施設等の老朽化対策として固定資産台帳、それを早期に整備するようにとの助言がありました。さて、この固定資産台帳の整備、本県は完了しているのでしょうか。また、県内の市町村の状況はどうでしょうか、答弁願います。
ところで、国はこの新たな公会計の統一基準より前の平成26年4月に公共施設等の総合的かつ計画的な管理の推進についてという大臣通知を発し、各自治体に公共施設等総合管理計画の策定、これを要請しました。また同日、課長名でこの計画策定の指針も示しました。これを受け、県が策定したものが県有資産総合管理方針であると理解しますし、これにより本県のファシリティマネジメントが推進されている、そう認識しております。一方で、公共施設等の総合管理計画は、その後に整備される固定資産台帳等、これを利用し、更に充実、数値化されることが望ましいと指摘されております。
そこで、以下、総務部長に伺います。
固定資産台帳は、県有資産総合管理方針にいかに生かされるのでしょうか、答弁願います。
A 砂川裕紀 企画財政部長
まず、一つ目の、総務省が提示した期限に間に合うよう県の財務書類の整備は進んでいるのかについてでございます。
平成28年度には、標準ソフトウェアを活用して、本県の公会計システムを構築いたしました。
このシステムにより、既存の財務会計データを取り込み、発生主義・複式簿記に基づく統一的な基準による財務書類を作成することができます。
現在とりまとめております平成28年度決算のデータが固まり次第、実際にシステムを稼働し、平成29年度中に財務書類を作成してまいります。
次に、二つ目の、県の市町村に対する助言、支援などの状況についてでございます。
まず、県では、平成27年1月23日付け総務大臣通知を速やかに県内市町村に通知するとともに、同年5月には、改めて地方公会計制度の意義などを説明する機会を設け、通知の趣旨を適切に助言してまいりました。
併せて、平成27年度から担当者向けの研修を毎年2回開催しており、市町村の財務書類の整備が進むよう、継続して支援を行ってきているところでございます。
また、財務書類の整備状況は、標準ソフトウェアの活用などにより、平成28年度中に作成した4団体を含め、平成29年度までには、さいたま市を含め57団体が作成する予定となっております。
残りの6団体は、取引の都度、伝票単位ごとに仕訳を行う日々仕訳により財務書類を作成する団体です。
こうした団体は、システムの整備に時間がかかることから、例外的に平成30年度までの作成が求められており、いずれの団体も平成30年度までには作成する予定となっております。
次に、発生主義、複式簿記の実務に長けた人材の育成に対する県の支援についてでございます。
市町村によっては、複式簿記の実務に慣れている人材が限られていることから、県では市町村の人材育成に重点を置いて支援してまいりました。
これまで県が実施した研修会では、公認会計士を講師に招いて、専門的、実践的な内容も取り入れており、毎回50団体を超える市町村職員が参加するなど、すべての市町村が積極的に取り組んでいただいているところでございます。
県といたしましては、今後とも財務書類の作成だけではなく、その活用方法についても助言していくなど、必要な支援を行ってまいります。
最後に、三つ目の、固定資産台帳の整備は完了しているのかについてでございます。
新しい統一的な基準による公会計制度において、財務書類の作成に必要な情報を備えた補助簿として固定資産台帳の整備が求められております。
固定資産台帳は県が所有するあらゆる資産を網羅するものであり、公有財産や物品など別々のシステムや台帳で管理されている資産データを取りまとめる必要がございます。
平成28年度には各資産について不足する情報を整理したほか、地方公会計標準システムに取り込むデータを出力するため、各システムの改修等を行いました。
現在、整理した各資産データを地方公会計標準システムに取り込む作業を始めており、県としては、統一的な基準による財務書類の作成に併せて、期限とされる平成29年度中に整備を完了させます。
また、市町村における固定資産台帳の整備についてでございますが、平成29年3月末時点で46団体が整備済となっております。
残りの17団体も平成29年度中に整備が完了する予定であり、固定資産台帳の整備はもとより、その活用が十分図られるよう、引き続き支援をしてまいります。
A 高柳三郎 総務部長
本県では、平成26年4月の総務省通知「公共施設等総合管理計画の策定に当たっての指針の策定について」に基づき、平成27年3月に「県有資産総合管理方針」を策定いたしました。
この総務省通知があった時点ではほとんどの自治体で固定資産台帳が整備されていなかったため、同通知では「総合管理計画は、将来的には、固定資産台帳等を利用していくことが望ましい。」とされました。
本県におきましても、県有資産総合管理方針の策定時には固定資産台帳は整備されておりませんでした。
そのため、公有財産台帳を活用して公共施設等に係る維持管理及び更新に係るコスト等を推計したところでございます。
固定資産台帳につきましては、企画財政部長の答弁にもございましたが、公有財産台帳等で管理されている資産データを取りまとめて整備するものでございます。
従いまして、結果として県有資産総合管理方針では今年度中に整備される固定資産台帳と連動し、その大部分を活用してございます。
しかし、固定資産台帳には公有財産台帳にはない取得価額(かがく)や減価償却等の情報も盛り込まれております。
今後、県有資産総合管理方針を見直す際にはこれらの情報を活用してまいります。
県といたしましては、引き続き、県有資産のより効果的、効率的な維持管理に努めてまいります。
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