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掲載日:2023年7月4日

平成29年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(蒲生徳明議員)

本県の受援計画の見直しについて

Q   蒲生徳明議員(公明

昨年発生した熊本地震で、被災した自治体からの要請を待つことなく、必要な物資を調達して被災地に緊急輸送する支援方法、プッシュ型支援が初めて実施されました。東日本大震災の教訓を受け、平成24年6月の災害対策基本法改正で導入されたものです。しかし、熊本地震では交通網の寸断や計画していた集積所が被災して使えなかったり、物資を仕分けする担当職員の不足など、被災した自治体側の対応は東日本大震災のときと同様であったと言われています。支援物資が避難者の手元まで確実に届かなければ意味がありません。
この課題の解決の鍵となるのが自治体で策定する受援計画、援助を受けるための計画です。総務省の平成26年の報告書によると、受援計画の策定は都道府県で約4割、市町村で約1割強にとどまっています。策定が進まない理由として、災害時相互応援協定等で事足りるとしていること、また被災経験がないため、具体的内容について事前計画を立てることが困難なことなどが挙げられています。内閣府は、こうした課題への対応として、地方公共団体の受援に関する検討会を設置し、今年3月に災害時受援体制に関するガイドラインを公表しています。ガイドラインには物的支援に加え、人的資源でも応援を受け入れる体制の整備について、参考となる項目が具体的に記されています。
本県は、平成24年度に受援計画を策定済みです。しかし、これは消防・警察・自衛隊による救出・救助の計画のみです。被災地では予測不能の事態に対し、幅広い分野での対応が迫られます。
そこで、内閣府が示したガイドラインを参考に、本県の受援計画を早急に見直すべきと考えますが、危機管理防災部長の御所見を伺います。

A 槍田義之   危機管理防災部長

平成28年熊本地震では、国や他の自治体から多くの支援がなされましたが、被災地での受け入れ体制が整っていなかったことなどから様々な混乱が生じました。
プッシュ型で送られた支援物資が仕分けできず県庁のロビーに山積みとなった映像などが連日テレビで放映されていました。
そうした教訓を踏まえ、国においては今年3月に「災害時受援体制に関するガイドライン」を策定・公表しました。
このガイドラインには、災害時には様々な枠組みによる支援が存在するため全体像の把握が困難なことなど、過去の災害での課題が整理されています。
また、ボランティアなど自治体以外の主体との連携など、参考となる事項も示されています。
大規模災害に際しては、被災自治体だけでは対応しきれず、迅速に広域支援を受けなければなりません。
災害対応において円滑な受援は早期復旧・復興の鍵と言えます。
本県においては、人命救助に携わる自衛隊、警察、消防などの受援に関する「埼玉県広域受援計画」を策定しております。
現在、この広域受援計画について、国のガイドラインを踏まえ見直しに取り組んでいるところです。
物資の受援はもとより、医療関係者やボランティア団体など人的な受援についても盛り込んでまいりたいと考えております。
関係団体の意見を取り入れながら早期に受援計画を策定し、大規模災害時に円滑に広域支援を受けられる体制を整えてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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