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掲載日:2020年7月7日

平成29年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(石井平夫議員)

産科・産婦人科医師の確保について

Q   石井平夫議員(自民

県民10万人当たりの医師数が全国一少なく、全国一のスピードで高齢化が進む県では医師の確保が喫緊の課題です。6月8日の第六次県地域保健医療計画の進捗状況について報告された推進協議会では、医師数は増えており、10万人当たりの医師数で最下位脱出という目標がおかしいとの意見が出たとのことですが、最下位のままでいいわけがありません。
厚生労働省の医師・歯科医師・薬剤師調査の概況によると、専門性資格別に見た医療施設に従事する10万人当たりの医師数は、埼玉県が全国で小児科が46位、外科及び産科・産婦人科は最下位の47位となっています。平成28年少子化社会対策白書によれば、埼玉県の合計特殊出生率は1.31と全国で6番目に低く、厚生労働省の人口動態統計では、埼玉県の平成27年の合計特殊出生率は1.39と全国で8番目に低い状況です。また、今月初めに公表された平成28年の合計特殊出生率は前年比で微減の1.37で全国順位も変わらず、8番目に低い状況です。こうした状況であるものの、5か年計画では平成33年までに1.5を目標とし、県は若い世代への不妊対策や多子世帯向けクーポン、婚活イベントなどの施策を行っています。しかし、私は雇用の安定化など幅広い対策を行うとともに、産科・産婦人科医師の確保をしっかりしていく必要があると思います。
日経新聞の記事ですが、県内の自治体も産婦人科の誘致をするために土地取得の優遇策や医療機器の購入経費を補助するなど、優遇策を導入しています。県内で分娩できる施設がない自治体は、八潮市のほか、志木市、日高市、桶川市、久喜市の四市と20町村の25市町村で約3割に上ります。厚生労働省の医療施設調査では県内の分娩可能な医療施設は、平成23年に106ありましたが、平成26年には90にまで減ってしまったと、全国でも減少傾向ではあるものの、埼玉県の減少率は関東でも高いとあります。県政世論調査では、県政の要望について「医療サービス体制を整備する」が14年ぶりに1位となっていますが、この調査結果は県民が医療サービス体制を即不安と感じていることと同じだと思います。
県は、他の施設では県民の誘致や企業の誘致など、埼玉の魅力を発信しているにも関わらず、こうした不安の解消などは十分に行っていないのではないでしょうか。他の施策が台無しとは言いませんが、足を引っ張るようではなりません。今後は、どのような覚悟で産科・産婦人科医師の確保を図っていくのか、保健医療部長に伺います。

A   本多麻夫   保健医療部長

県では、平成25年12月に埼玉県総合医局機構を創設し、県、県医師会、県内の主要病院が一体となって医師確保対策に取り組んでまいりました。
特に、産科をはじめ医師が不足している診療科などへの勤務を条件として、医学生への奨学金や研修医への資金を貸与することにより、医師の確保、診療科の偏在解消に努めているところです。
しかし、これら奨学金貸与者などを特定の診療科に行政が意図的に誘導することには限界もあり、特に産科については難しい面もございます。
現在奨学金を貸与している医学部の1年生から4年生までは50人いますが、産科への勤務に関心を持っている学生は8人になっております。
産科は勤務環境の厳しさから一般に敬遠されがちな面もありますが、産科を経験した医師にしか味わえない感動や喜びなども数多くあります。
一方、先日公表された人口動態統計によりますと、本県の平成28年の出生数は54,448人で前年に比べて約1,600人減少するなど本県の出生数は減少しており、お産の総数も減少しております。
これに対し、2,500グラム未満の低出生体重児の数は近年ほぼ横ばいとなっており、リスクの高いお産の割合は増えている状況です。
こうしたケースにおいては、通常の産科医療機関では対応が困難であるため、高度な周産期医療を提供可能な医療機関での対応が必要となります。
このため、県では、ハイリスク出産に対応する周産期母子医療センターの整備や重篤な合併症など救命措置が必要な妊産婦の受入体制の整備に力を入れてまいりました。
併せて、搬送調整を行うコーディネーターを配置し、リスクの高い妊産婦や重症の新生児を円滑に受け入れる体制を確保いたしました。
また、この1月には、さいたま新都心医療拠点において、さいたま赤十字病院と県立小児医療センターによる県内2か所目となる総合周産期母子医療センターを整備しました。
これにより、高度で専門的な事例に対応できる重層的な周産期医療体制を確保したところです。
議員お話の住民に身近な通常の産科医療と、高度な周産期医療の両立を図る中で、今後、産科の素晴らしさややりがいなどについて、先輩医師の経験談など、医学生や研修医の動機付けにつながるような情報の共有を通じ、1人でも多くの産科医を確保できるよう全力で取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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