トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成28年9月定例会 > 10月3日(月曜日) > 杉島理一郎(自) > 平成28年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (杉島理一郎議員)
ここから本文です。
ページ番号:75938
掲載日:2019年10月17日
Q 杉島理一郎議員(自民)
本県では、外国人観光客の誘致に向けた観光政策として、インダストリアルツーリズムに取り組み始めました。2020年の東京オリンピック開催に向けて、県内の工場を観光地とするための整備を急ぐ必要があります。
しかしながら、これは観光政策の側面ではなく、観光で訪れたことをきっかけにビジネスに発展させる産業政策の側面も欠かせないと思います。企業にとって、県から観光への対応を強制されるという感覚ではなく、新たなビジネスチャンスの機会を与えてくれたと前向きに感じてもらうことが、この事業の成功の鍵だと考えます。
そこで、産業政策から観光政策へ、そして観光政策から産業政策へとシナジー効果を生むサイクルを確立するために、以下3点質問いたします。
1点目、本年度の新規事業であるインダストリアルツーリズム促進事業補助金は、個別企業向けに1社50万円上限で、多言語表記や通訳等の整備を補助しております。しかし、インダストリアルツーリズムの成功には、産業集積地一体での整備や、ショッピングや観光地と隣接した工場との一体的な取組によって、象徴的な観光地をつくることも欠かせないと考えます。そこで、Wi-Fi整備や通訳アプリ、合同の企業紹介パンフレットなど、工業団地単位や業界団体単位で共有できる設備の整備を促すよう、グループ化補助金のスキームを使った補助金も創設すべきだと考えますが、産業労働部長に見解をお伺いいたします。
2点目、外国人観光客と受入企業がビジネス関係に発展したいと考えた際の支援や、観光客を装って技術等を盗もうとする外国人から企業を守るための支援が必要だと考えますが、県としてどのようなことができるのかお伺いいたします。
3点目、成田や羽田とつながる本県の道路、鉄道網を生かした外国人観光客の誘致について、JRのデスティネーションキャンペーンやNEXCO東日本のドラ割など民間との連携も含めて、2020年までに具体的にどう取り組んでいくのかお伺いいたします。
そして最後は、魅力ある企業の工場新設は、産業政策だけでなく観光政策としても推進できるという観点から、圏央道沿線の産業基盤整備を2倍の力とスピードで進めていただきますよう申し添えまして、次の質問に移ります。
A 立川吉朗 産業労働部長
まず、インダストリアルツーリズム促進事業補助金についてグループ化補助金のスキームの構築についてでございます。
県内には、素晴らしい技術を持った企業が数多くあり、こうした地域資源を徹底活用して観光客の増加に結び付けることは大変重要なことです。
工場見学は、外国人観光客のニーズが高いことから、今年度、外国人の受入可能な企業と周辺観光地や食を紹介するインダストリアルツーリズム用のガイドブックやホームページを作成いたしました。
また、外国人観光客の受入体制を整備する県内企業に対しまして、補助金による支援を行っております。
議員御提案の産業集積地での外国人観光客の受け入れは、外国人観光客の多様なニーズに応えられるものとなり、よりインダストリアルツーリズムの魅力が増すものと考えられます。
来年度に向けまして、企業単独だけでなく工業団地単位や業界団体単位で受け入れ体制を整備する場合の補助についても検討してまいります。
次に、外国人観光客と受入企業がビジネス関係に発展したいと考えた際の支援についてでございます。
インダストリアルツーリズムの取組により、外国人観光客に県内企業の魅力に触れる機会が増え、ビジネスに発展することも期待されます。
しかし、日本と外国では、商習慣や法制度などが異なるため、取引を行う上で課題も多いのが現状でございます。
こうした課題に対応するため、県産業振興公社には海外ビジネスに精通した職員がおりますので、外国人観光客と受入企業の間に立って相談に応じます。
次に、観光客を装って技術等を盗もうとする外国人から企業を守るための支援についてでございます。
インダストリアルツーリズムは、県内企業の善意によって成り立つものでございますから、まずは、見学の際のルールを徹底しております。
具体的には、ガイドブックやホームページに禁止事項について多言語で説明し、更にイラストでも表示をしております。
今後、受入企業の意見も聴きながら必要に応じてルールの見直しも行ってまいります。
県内企業が外国人観光客を安心して気持ち良く受け入れられるよう、更には、ビジネスチャンスが訪れたときは、しっかりと実を結ぶよう支援してまいります。
最後に、本県の道路網や鉄道網を生かした外国人観光客誘致の取組についてでございます。
県では、平成27年2月17日にNEXCO東日本と包括的連携協定を締結いたしました。
これを契機に、東京湾アクアライン「海ほたる」のほか関越自動車道、圏央道、常磐道、東名自動車道の各サービスエリアなどにおきまして、NEXCO東日本と共同で本県の観光キャンペーンを行ってまいりました。
議員から御提案のありました、高速道路が乗り放題になる「ドラ割」については、本県への周遊コースでの実施をNEXCO東日本に働き掛けてまいります。
また、圏央道は、今年度中に境古河インターチェンジからつくば中央インターチェンジまでが開通する予定で、成田空港から高速道路で結ばれる本県までの所要時間が大幅に短縮され、外国人観光客の誘致促進も期待されます。
このため、訪日旅行を取り扱う旅行会社に対し、江戸の街並みが残る川越を散策して秩父地域に宿泊する「SAITAMAプラチナルート」を売り込むなど営業活動を行っております。
一方、JR東日本とは、アニメの舞台の地を鉄道で周遊する「鉄道でめぐる!埼玉聖地横断ラリー」の主催者に加わっていただくなど連携を深めております。
また、外国人観光客が対象のジャパン・レール・パスは、新幹線を含めたJRグループ全線が乗り放題で、外国人に大変人気がございます。
当面は、新幹線沿線自治体と連携し、このパスを活用した広域周遊ルートについて、海外の旅行会社やテレビ・雑誌などのメディアを招いて売り込んでまいります。
このほか、台湾に設置しました埼玉国際観光コンシェルジュを活用した訪日教育旅行の拡大、アニメ事業の全県展開など、引き続き多彩な観光資源を徹底活用し、外国人観光客の誘致に取り組んでまいります。
今後も、NEXCO東日本やJRをはじめとする鉄道事業者との連携強化を図り外国人観光客の誘致に積極的に取り組んでまいります。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください