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掲載日:2019年10月17日

平成28年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(杉島理一郎議員)

経営革新の改革

Q 杉島理一郎議員(自民

日本の生産年齢人口の減少は、逆説的に言えば、ボーナスであると言えます。デフレ脱却に向けて、企業の更なる生産性の向上を促す好機と捉えなければなりません。国としても、本年7月に中小企業等経営強化法が改正、施行され、更なる強化を図っております。
そこで、新商品の開発や新生産方式の導入によって生産性の向上を図り、付加価値額や経常利益を増加させる数値目標を入れた経営計画を県知事が承認する経営革新支援こそ、県として更に推進を図る重要な施策であると考えます。
本県の経営革新計画の承認件数は、前年の260件から766件と3倍に増え、全国1位となりました。これは、県内の商工会等が窓口機能を担ったことにより取得企業の裾野が広がった結果であり、累計で4,000件を超えております。
しかしながら、その一方で、経営者が計画の中身をよく理解できていない事例や計画内容が使い回しされている事例なども少なからず存在しているようで、数の増加に比例して質が低下することに問題意識を感じております。経営革新計画は、企業により3年から5年の計画期間を設定しています。県では、承認後のフォローアップ調査を毎年行うようになりましたが、1年後調査の回答率は、直近の3年平均で61.1パーセント、国が行う計画終了後の回答率は20.4パーセントといった状況です。また、回答企業の計画達成率は約30パーセント、県が無料で提供する専門家派遣等の利用実績は、年間たった19件という実態です。これは、企業としても計画の承認自体が目的化されて、計画目標の達成を意識していない証拠であり、その原因をつくっているのは、この制度設計にあると考えます。
そこで、以下3点を質問いたします。
まず1点目は、本事業の政策目標は、数ではなく、経営革新計画が実際の経営に生かされているかどうかに置くべきだと考えます。県では、承認件数年間1,000件という目標を設定していますが、計画を達成した企業数の目標は設定されていません。そこで、経営革新の政策目標をどう考えているのか、本当に数でいいのか。計画達成企業数の目標値を設定し、承認後のフォローに力を入れるべきではないかと考えますが、産業労働部長にお伺いします。
2点目は、承認後の計画達成状況を測るためには、その後の調査を徹底すべきだと考えます。県では、調査に回答のない企業に対し、電話や訪問をして回答率を上げる努力をしていますが、県職員だけでは限界があります。そこで、フォローアップ調査の回答率にも数値目標を設定し、調査を含めた承認後のフォローについても各商工会等と連携をして進めていくべきではないかと考えますが、見解をお伺いいたします。
3点目は、計画の承認ではなく、計画達成による認定制度を創設すべきだと考えます。県では、計画値を大幅に達成した企業のみを、彩の国経営革新モデル企業として知事が表彰しています。このモデル企業をベースに、例えば経営革新認定ランクを設け、付加価値額年平均3パーセント以上という基準目標を達成した企業はA認定、5パーセント以上が特A認定、10パーセント以上がS認定などとして、シンボルマークを作成したりランクに応じたメリットを設けることで、計画達成に向けた企業のモチベーションやインセンティブになるのではないかと考えますが、見解をお伺いいたします。

A 立川吉朗 産業労働部長

政策目標をどう考えているのかについてでございます。
経営革新計画は、その策定により企業の自主性や自立性を高め、収益力の高い企業へと成長を促すものでございます。
より多くの企業に経営革新計画の策定に取り組んでいただくことが県内産業の底上げにつながると考えております。
県としては、まずは中小企業に経営革新に取り組んでいただくきっかけ作りが大切と考えることから、あえて承認件数年間1,000件という高い目標を設定しております。
議員お話のとおり、ただ単に承認件数を上げることだけでなく、計画の達成率を上げることも重要であります。
達成企業数の目標値は設定いたしませんが、中小企業診断士等の専門家派遣などによる計画の実行段階での支援についても今まで以上にしっかりと取り組んでまいります。
次に、フォローアップについてでございます。
フォローアップ調査については、回答のない企業に対しまして、電話や訪問を行うことで6割以上の回答率を確保しておりますが、今後は回答率の目標値も設定し取り組んでまいります。
また、企業にとって身近な商工団体を中心にしたフォローアップが計画達成率を高めます。今後、商工団体との連携をさらに深めてまいります。
次に、計画達成による「認定」を創設すべきについてでございます。
お話のありました彩の国経営革新モデル企業をベースにした認定制度の創設は、計画達成に向けて努力する企業のモチベーションを高めるひとつの考えでございます。
ただ、企業を評価する際の付加価値額は、その時の景気動向や業界の状況により大きく左右されます。また、企業の規模や計画の取組内容などにより成果を一概に比較することが難しい面もございます。
これらの点を踏まえ、企業のモチベーション向上策について検討してまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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