知事メッセージ「学校の臨時休業及び卒業式に関する措置について」（3月4日テキスト版）

　埼玉県知事の大野元裕です。

　新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、「この1～2週間が極めて重要」として学校の休業を求めた政府の要請に基づき、埼玉県でも春休みまでの間、県立中学校、高校を休業とすることとし、県内市町村立学校及び私立学校にも同様の対応を要請いたしました。

　この臨時休業による影響を少しでも緩和するため、必要なお子様を学校でも受け入れる等の措置を行っていますが、お子様にはつらい思いをさせるとともに、お子様をお持ちのご家庭に負担をかけていることと思います。改めてご理解・ご協力に感謝申し上げます。

　なお、県立特別支援学校については、児童生徒の障害の特性に応じた支援体制の確保や家庭への負担など配慮すべき点が多いことから、感染予防に十分配慮した上で通常通り学校を開いていますが、個々の学校の状況を見極めて、体調不良の生徒の増加が見込まれる場合などには、学級閉鎖や出席停止など、柔軟な対応をしてまいります。

　引き続き、子供たちを守るため、新型コロナウイルス対策に全力で取り組んでまいりますので、県民の皆様の御理解・御協力をお願いします。

　さて、埼玉県では、学校の臨時休業に関する相談のために特設相談窓口を設けてまいりましたが、多くの保護者の皆様から、「学校の卒業式に参加したい」とのお声をいただいています。ご卒業生および保護者の皆様に対しては、まずは、ご卒業をお祝い申し上げます。学校生活で様々な経験を積み、友人との絆を築き、大きく育ってこられたお子様たちの姿を、卒業式という晴れの場でともに祝ってあげたいお気持ちは、三人の子供を育ててきた私としても痛いほど分かりますし、卒業式のあり方を検討するよう求めてきた立場としては、断腸の思いです。

　現在の埼玉県における人から人への感染が確認されていない状況に鑑みれば、保護者の方々にも参加いただく卒業式を挙行することによって感染クラスターとなる可能性は低いのかもしれません。しかし、国が一丸となって対応している現在、多くの方がお集りになる機会は最小限にとどめなければなりません。お子様たちも大きな環境の変化の下で頑張ってくれています。皆様やお子様たちが感染し、あるいは、感染経路となって、愛するご家族やご友人に辛い思いをさせてしまう可能性は、少しでも排除しなければなりません。

　今回の要請に基づく卒業式に関する措置を受け入れにくい気持ちは分かりますが、なにとぞご協力いただけますよう、知事として改めてお願い申し上げます。