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掲載日:2023年12月14日
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ただいま、御提案申し上げました議案につきまして、御説明いたします。
今回の補正予算案は、エネルギー・食料品価格等の物価高騰により、厳しい状況に置かれている県民及び事業者を支援するため、去る11月29日に成立した国の「デフレ完全脱却のための総合経済対策」に基づく補正予算を活用し、当面対応すべき事業に係る経費を計上するものでございます。
以下、補正予算の主なものにつきまして、御説明いたします。
まず、物価高騰の影響を受ける生活者・事業者に対する緊急支援についてです。
国の負担軽減策の対象となっていないLPガスについて、一般消費者等の料金高騰の負担を軽減するため、販売事業者を通じ、価格高騰の影響分の一部を補助します。
また、経済的課題を抱えるひとり親家庭等の子育て世帯について、貧困を理由として進学をあきらめることがないよう、大学等の受験料や中学・高校3年生の模試費用などの支援を行う市町村に対して補助します。
さらに、光熱費や燃料価格等の高騰の影響を緩和するため、福祉施設や医療施設、私立学校のほか、トラック運送事業者や地域公共交通事業者、畜産農家などの事業者に対し補助します。
加えて、県産農産物の取扱量の増加と家計負担の軽減を図るため、量販店などが実施する県産農産物の販売促進キャンペーンに対して補助します。
次に、物価高騰の影響を受けにくい経営体質への転換を促す支援についてです。
中小企業等の原材料の転換や使用量削減による経営体質改善を更に促すため、専門家等の助言により実施する設備投資や製品開発等に要する経費を補助します。
また、中小企業等のエネルギー使用量及びCO2排出量の削減による体質改善を更に促すため、高効率な空調設備等への更新経費や蓄電池と組み合わせた太陽光発電設備等の導入経費を補助します。
さらに、燃料価格の高騰の影響を受けにくい省エネ型施設園芸への転換を図るため、施設園芸農家へヒートポンプなどの省エネ機器や被覆資材の導入経費を補助します。
このほか、収益力向上に計画的に取り組む農業者に対する生産技術高度化のための施設整備に要する経費の補助や、障害児通所支援事業所に対するプライバシー保護等を図るためのパーテーションや簡易更衣室等の導入に要する経費の補助などを行います。
この結果、一般会計の補正予算額は114億9,715万2千円となり、既定予算と先に御提案申し上げました補正予算第3号、第4号及び今回の補正予算第5号を合わせた累計額は、2兆2,593億9,489万5千円となります。
以上で私の説明を終わりますが、何とぞ慎重審議の上、御議決を賜りますようお願い申し上げます。
ただいま、御提案申し上げました議案につきまして、御説明いたします。
職員の給与改定につきましては、去る10月19日に、議長及び私に対しまして、県人事委員会から勧告及び報告がございました。
その主な内容は、民間給与との較差を解消するため、給料表の水準を引き上げること、期末・勤勉手当の年間支給割合を0.1月分引き上げることなどでございました。
この勧告等の取扱いにつきまして、職員の労働基本権が制約されていることの代償措置という制度の趣旨を踏まえ、慎重に検討を行ってまいりました。
その結果、第143号議案「職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例」から第146号議案「学校職員の給与に関する条例及び会計年度任用学校職員の報酬等に関する条例の一部を改正する条例」までの関係4議案を今回提案することとし、人事委員会の勧告及び報告などを踏まえ、職員の給与の改定等を行うものでございます。
また、第142号議案「特別職の職員の給与及び旅費に関する条例及び埼玉県教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例」は、一般職の期末・勤勉手当の引き上げや国指定職の期末・勤勉手当の改正などを総合的に勘案し、特別職の期末手当の年間支給割合を0.1月分引き上げるとともに、特別職の秘書の退職手当の規定を整備するものでございます。
最後に、第141号議案「令和5年度埼玉県一般会計補正予算(第4号)」でございます。
今回の補正予算案は、ただ今、御説明いたしました職員給与の改定等に伴い、不足が見込まれる給与費を計上するものでございます。補正予算額は18億1,140万4千円となり、既定予算と先に御提案申し上げました補正予算第3号、そして今回の補正予算第4号を合わせた累計額は、2兆2,478億9,774万3千円となります。
以上で私の説明を終わりますが、何とぞ慎重審議の上、御議決を賜りますようお願い申し上げます。
本日ここに12月定例県議会を招集申し上げましたところ、議員各位におかれましては御参会を賜り、議案をはじめ、当面する県政の諸課題について御審議を頂きますことに、心から感謝を申し上げます。
さて、我が国経済につきましては、コロナ禍の3年間を乗り越えて改善しつつあります。
この4月から6月期のGDPは過去最高水準になるとともに、30年ぶりとなる高水準の賃上げや企業の高い投資意欲など、経済の先行きに前向きな動きがみられています。
一方で、輸入物価の上昇に端を発する物価高の継続は、国民生活を圧迫し、景気回復に伴う生活実感の改善を妨げています。国が
11月に発表した毎月勤労統計調査では、実質賃金が前年同月比2.4%減となり、18か月連続で前年を下回っております。物価高に比べて名目賃金の伸びは勢いを欠いており、物価高が消費全体の重しになっている状況と言えます。
このような状況の中、国においては、低物価・低賃金・低成長に象徴される「コストカット型経済」からの変革を力強く進める「供給力の強化」と、不安定な足元を固め物価高を乗り越える「国民への還元」の2つを両輪とする「デフレ完全脱却のための総合経済対策」を11月2日に閣議決定し、日本経済が熱量溢れる新たなステージへ移行するための取組を推進することとしました。
さらに国はこの総合経済対策を実行するため、13.1兆円規模の補正予算を11月10日に閣議決定し、国会において11月29日に成立したところです。
本県においても、11月22日に「強い経済の構築に向けた埼玉県戦略会議」を開催し、価格転嫁の円滑化や中小企業の業態転換、適切な人材の育成・確保といった構造的な課題への対応状況や、今後の県の経済対策などについて御議論いただきました。現在、ここで頂いた御意見等を踏まえ、国の総合経済対策に対応した補正予算を検討しているところです。国とも足並みをそろえながら、エネルギー価格や物価の高騰などの影響を受けている県民や県内事業者の動向を注視し、その影響を緩和しつつ社会経済活動の活性化に向けてしっかりと取り組んでまいります。
それでは、今定例会に御提案申し上げました諸議案のうち、主なものにつきまして、順次、御説明いたします。
はじめに、第121号議案「令和5年度埼玉県一般会計補正予算(第3号)」でございます。
今回の補正予算案は、本年夏の記録的な高温を原因とした水稲の高温障害などにより被害を受けた農業者への支援や、児童生徒の増加に対応した特別支援学校の整備のための経費等を計上したものです。
以下、補正予算の主なものにつきまして、御説明いたします。
まず、高温などによる水稲及び大豆の被害への対応についてです。
本年6月から9月の平均気温は観測史上最高の異常な高温となり、また、県内の一部では7月の降水量が観測史上最少となりました。この高温と干ばつの影響により、水稲及び大豆については速報値で5億円を超える甚大な被害が発生しており、本災害を11月21日に埼玉県農業災害対策特別措置条例に基づく特別災害に指定したところです。この条例に基づき、農業者の生産力の維持を図るため、次期作の種苗・肥料の購入費用への支援を行う市町村に対する補助を行います。
次に、児童生徒の増加に対応した特別支援学校の整備についてです。
本県では、年々、特別支援学校に通う児童生徒数が増加しており、過密が課題となっています。そこで、児童生徒の学習環境の充実を図るため、令和8年4月の供用開始に向け、令和5年度から令和7年度までの3か年を事業期間とする継続費を設定し、県立川口特別支援学校の教室棟を増築します。
このほか、本県建設業者の経営健全化や雇用の安定化、公共工事の品質確保の観点から、公共事業等の施工時期の平準化や適正工期を確保するための債務負担行為及び繰越明許費の設定を行います。
この結果、一般会計の補正予算額は9,688万1千円となり、既定予算との累計額は、2兆2,460億8,633万9千円となります。
次に、その他の議案のうち主なものにつきまして、御説明いたします。
第126号議案「埼玉県男女共同参画推進センター条例の一部を改正する条例」は、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の施行を踏まえ、困難な問題を抱える女性への支援体制を強化するため、埼玉県婦人相談センターを埼玉県男女共同参画推進センターに統合等するものでございます。
第129号議案は、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故により生じた本県の損害に関して、原子力損害賠償紛争解決センターの和解案に基づき、東京電力ホールディングス株式会社と和解することについて議会の議決を求めるものでございます。
第131号議案から第138号議案までの8議案はいずれも県の「公の施設」について指定管理者の指定を行うものでございます。
その他の議案につきましては、提案理由等により御了承を頂きたいと存じます。
以上で私の説明を終わりますが、何とぞ慎重審議の上、御議決を賜りますようお願い申し上げます。