With You さいたま > 活動支援 > 職員向けの研修 > 令和元年度(女性の貧困問題支援事業)第2回市町村男女共同参画担当職員研修会
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掲載日:2020年3月2日
日時 |
令和元年5月30日 (木曜日)13時30分から15時30分 |
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場所 | 埼玉県男女共同参画推進センター(With You さいたま) |
参加者 |
107名 |
公開型の市町村職員研修として実施し、幅広く関心がある参加者を加えて実施しました。
講演会では、貧困者の57%が女性であり、ほぼすべての年代で、女性の方が貧困率が高いこと、一方で、女性の貧困は見えにくい課題であることが話されました。
女性の貧困は、これまで、性別役割分業型の社会システムの中で問題視されにくく、課題としても見えにくいものでした。女性が貧困になる原因に、そうした性別役割分業型の社会システムが現在も続いていることがあります。女性には、男性稼ぎ手(父あるいは夫)がいることが前提とされ、雇用、税・社会保障システムもそれを前提に構築されています。そのため、女性は、専業主婦か低賃金、不安定労働(パート主婦)でも問題ないとされ、経済的な自立が前提とはされてきませんでした。
講師は、女性には、労働による自立、父の扶養、夫の扶養という3つの包摂先があるが、いずれにも包摂されない女性=母子世帯・高齢単身女性・非正規雇用の単身女性が、特に貧困に陥っているとしました。
また、これまで、貧困は「世帯」単位での把握が前提とされてきたが、そこでは、所得が世帯内で平等に分配されていることが前提とされ、生活費を渡さないなどの経済的DV等が見過ごされているとし、世帯内でのお金の管理や配分についても見ていく必要があるという課題が提起されました。
最後に女性の貧困を改善するために必要な施策として、女性(非正規雇用)でも経済的自立が可能な賃金にすること、女性が働き続けられる環境の整備をすること、男性片働きモデルの見直しを図ること、社会保障の給付単位、方法の見直しを図ることを提案されました。
【プロフィール】
立命館大学産業社会学部准教授。専門は社会学、ジェンダー論。著書に、『女性ホームレスとして生きる――貧困と排除の社会学』(世界思想社、2013年)、『質的社会調査の方法――他者の合理性の理解社会学』(有斐閣、2016年、共著)、編著に『貧困問題の新地平――〈もやい〉の相談活動の軌跡』(旬報社、2018年)などがある。
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