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掲載日:2024年10月23日
Q 小森克己 議員(民主フォーラム)
近年、特別支援学校や特別支援学級に通う児童生徒が増加傾向にあります。令和6年5月における本県の県立特別支援学校の児童生徒数は約8,700人であり、4年前の令和2年と比較して約1,000人、率にして約13パーセント増加しています。小中学校の特別支援学級においても同様の傾向がうかがえます。
また、成り手不足や離職者の増加による教員不足が問題化している中で、特別支援教育の知識や経験の浅い教員が特別支援学校等に配属されるケースも増加傾向にあると聞いております。
そこで、教育長に2点お伺いいたします。
1点目、特別支援教育を受ける子供たちは合理的配慮を受け、その特性に合わせた教育を受ける権利があります。しかし、現状、初めて特別支援学級の担任になる教員は、担任になると決まった後、学校業務と並行して5月から特別支援教育に関する研修を受け始めると聞いています。本来は、特別支援教育を実施するための基礎や子供たちの特性、合理的配慮の方法等を十分習得してから担任になるべきであると考えます。
そこで、研修制度の現状と課題について、県としてどのように認識しているのか、お伺いいたします。
2点目、特別支援学校等に在籍している子供たちは、それぞれに特性があり、必要な支援や関わり方が異なります。教育分野のみの視点で子供を見るだけではなく、福祉の視点を取り入れ、専門の知識を持った方にもっと学校教育の現場に関わっていただく必要があります。
そこで、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、外部の福祉の専門職などと協力し、子供たちが安心して過ごせる環境づくりに取り組むべきであると考えます。子供たちの発達や変化に合わせた教育や支援ができるよう、特別支援学校等が専門の知識を持った方から助言を受ける機会を継続して設ける必要があると考えますが、御見解を伺います。
A 日吉亨 教育長
まず、特別支援教育に係る研修制度の現状と課題の認識についてでございます。
全ての教員は、教員免許状取得における大学での教員養成課程や、教員に採用されてからの初任者研修等を通じ、特別支援教育の基礎を学んでおります。
また、県では、特別支援教育の専門性を高めるための研修を実施しており、希望する全ての教員が受講可能としております。
さらに、新たに特別支援学級の担任となった後も、継続的に専門性を高めていくための研修を行っております。
このように研修制度としては、新たに特別支援学級の担任となる教員が特別支援教育について段階的に学べる仕組みを用意しておりますが、計画的な受講の奨励が十分でなかったことが課題であると認識しております。
そこで、県では、市町村教育委員会の担当者や管理職が集まる会議等において、将来的な人事配置等を見据えた計画的な受講奨励を行うよう働き掛けてまいります。
併せて、初めて特別支援学級を担任する教員が、円滑にスタートを切れるよう、参考となる研修資料を作成し、周知するとともに、各市町村で実施している担当教員への研修や、各学校で専門性を高めることのできるOJTの工夫などの好事例について、市町村間での共有を図ってまいります。
次に、特別支援学校等が専門の知識を持った方から助言を受ける機会についてでございます。
議員御指摘のとおり、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、外部の福祉の専門家などと協力し、子どもたちが安心して過ごせる環境づくりに取り組むことは大変重要です。
そこで、特別支援学校では、児童生徒一人一人の障害の状態やその特性、発達段階などにより、幅広い教育的ニーズがあることから、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、言語聴覚士や臨床心理士などの専門家を活用しております。
例えば、スクールカウンセラーは、発達などに悩みを抱える児童生徒や保護者の相談に対し助言を行い、スクールソーシャルワーカーは、児童生徒が抱える課題に応じて、学校外の福祉機関とつなげるなどの支援を行っております。
また、言語聴覚士には発声や発音が難しい児童生徒に対する指導方法について、臨床心理士には、障害の状態やその特性に応じた児童生徒への関わり方について助言を受けるなどして、教員が行う指導や支援に役立てております。
県では、引き続き幅広い経験や、高度な知識と技能を持ったこれらの専門家を活用するとともに、学校外の関係機関と連携を図り、適切な指導や必要な支援に取り組んでまいります。
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