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掲載日:2023年10月20日
Q 浅井明 議員(自民)
越谷市の企業で自動車の踏み間違い事故を防ぐ画期的な装置が開発されました。昨年行われた越谷市商工会議所主催越谷産業フェスタ2022で展示され、話題を集めておりました。
装置開発のきっかけは、母子がなくなった池袋暴走事故。この悲惨な報道を見て、自動車関連企業、自動車部品製造として、事故を発生させない手だてを考えるのは当然の責任だとの思いであったとお聞きしました。開発に当たり、実証研究をしたのが、埼玉大学大学院理工学部研究准教授、楓和憲先生と研究室の学生の皆さんです。共同の研究で最初に開発されたのが、フットレストに装着して左足の位置や運転姿勢を安定させ、踏み間違いを防止する効果がある装置で、特許を取得して製品化されています。
私も、先日、後学のため実証実験の様子を見学させていただくとともに、モニター体験をさせていただきました。運転席を再現した装置に実験協力者が座り、バーチャルリアリティ技術を利用した実験装置を駆使して様々な条件の下、踏み間違いがなぜ起きてしまうのか、それをどうしたら防げるのか、4年にわたる実証実験を重ねられ、今も継続中とお聞きしました。
また、各自動車メーカーで開発されている運転支援システムは、センサーとAIを駆使し人間の運転操作を補助する仕組みの中で、踏み間違い等を検出し事故を防ぐ装置です。当然、高額となり、製造時の装着であり、新車でしか提供されません。
この現状に対し、低価格で後付け可能な装置として、アクセルの踏み間違いで起こる加速を遮断する装置も新たに開発されています。この装置はシンプルな機構で、異常なアクセル操作を遮断することで、暴走を発生させないようアクセルペダルに装着するもので、比較的安価で、中古車や高齢者の多くが乗用される軽自動車にも後付けできます。仕組みは、センサーの検知機能を使わずにマグネットを使い、間違ってアクセルを強く踏み込むとマグネットが外れ加速しなくなり、暴走が防げます。足をペダルから外すと瞬時に回復し、通常運転に戻れます。走行テストを重ね、問題はないとのことです。
この装置の原理についても、既に埼玉大学大学院共同で国内・国際特許を申請中だと聞いております。埼玉県から人命を救うべき装置が開発されたことで、テレ玉、マスコミ等で報道され、埼玉大学の優秀さが更に証明されたと思います。
この装置の普及啓発を県としてどのようなお考えがあるか、県民生活部長の御所見をお伺いします。
A 島田繁 県民生活部長
県内においても、アクセルとブレーキペダルの踏み間違いによる交通死亡事故が発生しており、このような事故の防止には、ペダル踏み間違い急発進抑制装置が有効であると認識しております。
この急発進抑制装置は、新車への装着が進む一方で、議員御指摘のとおり、後付けできる装置の開発も進められ、様々な商品が販売・装着されております。
後付けに際しては、利用者が正しく理解したうえで適切に選択し使用していくことが重要であり、国ではその選択の一助とするため、性能認定制度を設けております。
議員お話の越谷市の企業が開発した装置についても、この認定を受けることを期待するところでございます。
県では、国が認定した衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い急発進抑制装置等の先進安全機能を搭載した、安全運転サポート車の普及を推進しております。
これまで、県ホームページでの掲載のほか、季節ごとの交通安全運動、県政出前講座、民生委員や交通安全母の会による高齢者世帯訪問等の機会において、周知を図ってきたところでございます。
今後は、この安全運転サポート車に加え、国の認定を受けた既存の自動車に後付けできる急発進抑制装置についても、来年度開設予定の高齢者講習施設での啓発をはじめ、様々な機会を通じて周知を図ってまいります。
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