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掲載日:2023年7月14日

令和5年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(松井弘議員)

高齢者・外国人の雇用について

Q 松井弘 議員(自民)

新型コロナウイルス感染症の5類移行などを経て、社会はコロナ禍からの回復に向かい、経済活動の正常化が進みつつあります。ようやく前に向かって進み始めた本県経済ですが、同時にある問題が浮き彫りになってきます。労働力の不足です。
本年4月に国の社会保障・人口問題研究所が発表した人口推計によれば、日本の総人口は50年後の2070年に現在の3割減、15歳から64歳までの生産年齢人口については、現在の4割減になるといわれています。現状よりも更に労働力が不足し、一層厳しい状況になることが懸念されています。
埼玉県においては、長らく人口の増加が続いてきました。しかし、令和3年、令和4年と2年連続で人口の減少が見られます。生産年齢人口の減少は、本県にとっても非常に大きな課題となることは間違いありません。
帝国データバンクが本年4月の人手不足に対する埼玉県企業の動向調査において、従業員の過不足状況を尋ねたところ、「不足している」と答えた企業は、正社員で52.1%と1年前より8.1ポイント増加しました。非正社員でも33.4%と1年前より5.2ポイント増加しています。
県内企業はもとよりコロナ感染症の発生により事業が縮小され、人員整理を余儀なくされてきました。しかし、コロナ禍の行動制限の緩和により、商品やサービスの需要が急回復したことも影響し、更に深刻な人手不足に陥っています。人材不足の加速は、回復に向けて進み出した本県経済に大きなブレーキとなってしまいかねません。人材の確保は企業にとって重要な課題であると思います。今こそ多様な人材、とりわけ高齢者の活躍促進や外国人労働者の活用を県として一層力を入れるべきではないでしょうか。
近年、高齢者や外国人労働者を取り巻く社会情勢も変化してきています。高齢者については高年齢者雇用安定法の改正により、平成25年度に65歳までの雇用確保措置が企業に義務付けられ、令和3年度には70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務となりました。大企業の多い東京都などと比べるのはどうかと思いますが、東京都では高齢者の雇用が増加傾向であると報道等で聞きました。埼玉県内には中小零細のものづくりの企業が多く、これまで培ってきた技術を継承していくためにも、高齢者雇用の必要性は高まっていると感じています。
また、外国人労働者についても、技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議において検討が進められており、今年の5月に中間報告が法務大臣に提出されています。また、今月の9日には外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議において、家族帯同や長期の就労が可能な特定技能2号の対象となる業種が2分野から11分野に拡大することが決定しました。これによって現在、在留期間が最長5年までの特定技能1号から特定技能2号などへの移行が全12分野で可能となり、企業にとっても長期雇用が可能となるため、期待が高いと感じます。
コロナ禍が去り、足元で企業の人手不足感が高まっている今こそ、外国人労働者に対する埼玉県のスタンスも見直すが必要があるのではないでしょうか。
そこで、産業労働部長に伺います。
県は、これまで高齢者の就業や外国人労働者の活用についてどのように取り組んできたのでしょうか。また、社会情勢の変化を踏まえ、今後、高齢者や外国人労働者の一層の活躍に向けた取組をどのように行っていくのか、御所見を伺います。

A 目良聡 産業労働部長

まず、これまでの取組についてでございます。
高齢者雇用に関しては、県はこれまで、高齢者への就業支援と、企業に対する働き掛けの両輪で進めてまいりました。
県内9か所のセカンドキャリアセンターでは、高齢求職者の希望を聞き取り、勤務条件の緩和などを企業と交渉して就業につなげるなど、一人一人に寄り添った支援をしています。
また、継続雇用の上限年齢を70歳以上へ引き上げた企業に対する助成金の交付や、「シニア活躍推進宣言企業」の認定などにより、高齢者の就業促進を図っております。
外国人の雇用につきましては、日本での就業を希望する留学生向けの企業説明会を埼玉労働局と共催で開催するほか、外国人雇用に関する制度を解説した動画など、企業向けに様々な情報を県ホームページで提供しています。
次に、高齢者や外国人の一層の活躍に向けた今後の取組についてでございます。
令和4年における本県の65歳以上就業者数は、国の調査で54万2千人と推計され、10年前の1.8倍となっています。
引き続き、セカンドキャリアセンターで高齢求職者と求人企業のマッチングを行い、働くことを希望する高齢者の就業が叶うよう支援してまいります。
また、仕事の幅を広げ活躍の機会を増やすには、いくつになってもリスキリングが必要であり、県では、IT実務や簿記会計などの多様な講座を案内し、スキルのブラッシュアップを後押ししてまいります。
外国人につきましては、国際的な人材獲得競争の激化と国内の深刻な人手不足を背景に、議員お話しのとおり、政府の有識者会議で技能実習制度などの見直しが議論されています。
県では、こうした国の動きを注視しつつ、技能実習生の受入れに関わる監理団体や外国人受入れ企業等から現状や課題についての聞き取りを始めさせていただきました。
問題点や要望を伺いながら、外国人材の確保・定着に向けた効果的な施策について検討してまいります。
現在、県内中小企業にとって人材の確保は最重要課題の1つであり、高齢者や外国人の活躍を期待する声も高まっているものと認識しております。
多様な人材の活躍による本県経済の持続的な発展に向け、人と企業の支援にしっかり取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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