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掲載日:2023年7月14日
Q 松井弘 議員(自民)
子供が自立した個人として、等しく健やかに成長することのできる社会の実現に向けて、本年4月には「こどもまんなか こども家庭庁」が設置されました。政府は、次元の異なる少子化対策を掲げており、今が日本の少子化トレンドの反転へのラストチャンス、子育て支援は正に待ったなしの状況にあると発信をしています。
少子化対策の基本スタンスとして多様な価値観、考え方を尊重しつつ、若い世代が希望どおり結婚し、希望する誰もが子供を産み、育てることができるようにすることが掲げられていますが、私もこのように子供の健やかな成長を支えるための環境整備が進んでいくことと期待をしています。
しかしながら、子育てニーズの多様性も相まって、係る課題は多岐にわたっており、解決すべき事柄は山積しております。
ここで、子育て世代にとって身近な幼稚園・保育園・放課後児童クラブの課題を例に挙げます。幼稚園については、保護者が安心して子供を幼稚園に預ける上で、安心した教育の確保が課題になっているようです。また、保育園では、待機児童の解消に伴う保育士の確保が喫緊の課題であることは御承知のとおりであり、同様に、放課後児童クラブにあっても小1の壁の打破が掲げ続けられている中、待機児童の解消に向け、クラブ数が年々増加しており、支援員の確保が重要な課題となっているようです。
一方、国は今月発表した「こども未来戦略方針」の中で、全ての子育て家庭を対象とした保育の拡充として、現行の幼児教育・保育給付に加え、月一定時間までの利用可能枠の中で、就労要件を問わず時間単位などで柔軟に利用できる、仮称ではありますが「こども誰でも通園制度」を創設するとしています。詳細はこれからのようですが、この制度が始まるとますます保育士などの人材ニーズが高まるものと思えます。
私は、幼児教育・保育無料化が始まった令和元年12月定例会において、高まる保育サービスへのニーズに応えられる保育士の確保と処遇改善について質問をしました。福祉部長の答弁の中で、「公定価格の見直しについては、内閣府少子化対策担当副大臣に対して知事自ら直接お伝えした」とありました。また、あらゆる機会を通じ、公定価格が改善されるよう国に対して強く働き掛けていくとともに、様々な処遇改善を検討していく旨の答弁も頂きました。
このような中、様々ある子育て支援の中でも、私が重要な課題の1つと考えているのは、やはり保育士の処遇改善、人材確保だと思います。このことについて、県として前向きに取り組んでもらいたいと思いますが、4月に発表された知事の政策集「これからの4年にむけて」の中には、保育に係る施策の記載がほとんど見当たりません。
公約に位置付けて全力で取り組んでいただきたいと考えますが、知事のお考えを伺います。
A 大野元裕 知事
これまでも子育てに希望が持てる社会の実現に向けて、待機児童解消のための保育所の整備や、子供の居場所づくりといった子育て支援の充実を県5か年計画にも位置付け、着実に取組を進めてまいりました。
議員お話しの保育士の処遇改善と人材確保についても、非常に重要な課題の1つであると認識しており、保育士給与の原資となる公定価格については、国に対し、適切な水準とすることを度々、働き掛けてまいりました。
直近では、今月14日に、和田義明内閣府副大臣に対し、公定価格の地域区分は地域の実情を十分に反映することなどについて強く要望し、副大臣からは財源確保にベストを尽くすとの回答を頂いたところであります。
一方、地域区分の改善には一定の時間を要することもあり、その間は効果的な取組を県独自に実施していくことも重要です。
具体的には、就職準備金の貸付けや宿舎借上補助の上乗せを実施し、また、今年度からは保育士への奨学金返済事業も開始し、保育士に直接届く処遇改善を行っています。
保育士確保については県5か年計画にも位置付けておりますが、私が4月に発表した政策集には全てを網羅しているわけではなく、私自身として施策の推進に力を入れながらも、記載ができていないものもあります。
しかしながら、政策集に該当する政策が見当たらないことは誤ったメッセージを与えかねないと考えるところ、この保育士の人材確保施策については大変重要な課題でありますので、私の政策集に盛り込ませていただきます。
その上で、次の任期を与えていただくこととなれば、引き続き力を入れて取り組んでまいります。
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