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掲載日:2023年7月14日
Q 松本義明 議員(自民)
先ほどから言っていますように、私の地元で茶業を営む方に現状をお伺いしていますと、やはりお茶の売上げ減少、そして茶業を営む方の高齢化などがあります。これは、狭山茶産地に限ったことではなくて、全国の茶産地で同様の課題があり、このような中で九州では、効率的な生産体系を構築するために、大規模農業経営による無人自動走行作業システムを用いたロボットによるお茶の採取を行っている。スマート農業の実証実験が進められております。
狭山茶産地においては、先ほど知事からもあったとおり、九州のように、産地規模が小さいことから、なかなか大規模でロボットによるお茶の刈り取りなどは難しい状況ではありますけれども、日本三大銘茶である狭山茶が産地間競争で負けないために、今後、ICT技術を活用したスマート農業の狭山茶版を進めていくべきと考えております。
入間市にあります茶業研究所では、既に狭山茶DX推進研究事業を実施して、ICT技術を使った狭山茶生産の実証実験が行われております。この実証実験の成果を狭山茶業を営む一般農家の方々まで周知して、この実証実験で使われている、広範囲に画像とかが分かる新しいシステムを産地全体で活用していく。茶業研究所から更に広げて、一般の農家の人に開放していくべきときだと考えますが、スマート農業の推進に当たって、ICT技術を活用した実証実験を行った背景、また、今後どうやって狭山茶振興に生かしていくのか、狭山茶におけるスマート農業の推進についてのお考えを農林部長にお伺いいたします。
A 横塚正一 農林部長
近年、お茶の品質や収量を左右する春先の気象が安定せず、平年より気温が高い年があるなど、従来の経験や勘に頼った茶園管理が難しくなっています。
また、茶園が担い手へ集積し、規模拡大が進む一方、茶園の多くは散在しており、生育や病害虫の発生状況などの見回り作業が、生産者の大きな負担となっています。
このため県茶業研究所では、様々な気象状況の下でも適期に的確な茶園管理ができ、見回り作業が軽減できるよう、ICT技術を活用したデータに基づく茶園管理システムの構築に向け、令和元年度から研究に取り組んでいます。
これまでに狭山茶産地内の茶園15か所に気温などを測定するセンサーを設置し、広範囲の通信が可能なシステムであるLPWAを活用して気温や土壌養分などのデータを収集・分析し、収穫時期の予測などに取り組んでいます。
令和4年度からは、LPWAでは扱えない画像などの大きなデータを広域でカバーできる新しい通信システムを活用し、お茶の生育や害虫発生状況の画像解析による栽培管理情報をいち早く伝える実証試験に取り組んでいます。
こうした取組を通じて、生産者がスマートフォンで必要な情報をリアルタイムで確認し、茶園管理に活用することで、様々な気象条件の下でも「味の狭山茶」にふさわしいお茶を安定生産できる、収益性の高い狭山茶産地にすることを目指しています。
再Q 松本義明議員(自民)
答弁を踏まえまして、再質問させていただきます。
私は、茶業研究所が取り組んでおりますICT技術を活用した実証実験、これは産地の課題である、先ほども述べましたお茶の売上げ減少や担い手減少の課題の一助になると確信しております。そのために、この実証実験で得られた成果というのを狭山茶生産者の方々にしっかりと周知して、実証された技術が産地全体で活用されていくことが重要であると考えます。
そこで、今までどのような成果が得られ、生産者にどのように活用していくのか、農林部長にお伺いします。
再A 横塚正一 農林部長
実証実験により、生産者が茶園の気温などのデータや茶業研究所内の新芽の生育データをスマートフォンで確認できるようにいたしました。生産者はこのデータを茶園に重大な影響を与える霜被害の早期対策や収穫時期の判断に活用をしております。
また昨年度から害虫の発生状況を遠隔で把握する実証実験を開始しており、茶園に設置したカメラから送信される害虫の発生状況を画像から解析できることが実証できました。
生産者は、この画像解析データを害虫防除の要否や防除時期の判断に活用をしております。
今後実施する霜被害を防止する防霜ファンの遠隔操作などの実証実験についても成果をしっかり出し、生産者が活用できるよう取り組んでまいります。
再々Q 松本義明 議員(自民)
ただ今述べていただきました。すばらしい取組だと思います。スマートフォンを使ってみえること、そして人手不足に資するものだと思います。
しかしながら、まだ実証実験の域をこれは脱していないという中で、先ほど来言っています電波網を、一般の農家さん、茶業研究所が使用している通信システムを一般の農家さんに広く開放していただきたい、そのように考えますが、農林部長いかがでしょうか。
再々A 横塚正一 農林部長
現在、実証試験で使用している通信システムは、茶業研究所から半径1キロメートル圏内が通信可能エリアとなっており、入間茶研究会の会員が、エリア内のほ場でこのシステムを利用し、実証試験に参加をしています。
実証試験中は、エリア圏内であれば入間茶研究会に加入していない生産者も通信システムを活用いただくことができます。
今後、通信システムが活用できることを周知し、多くの方に広く利用をいただく実りある実証試験となるよう取り組んでまいります。
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