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掲載日:2022年10月19日
Q 萩原一寿 議員(公明)
私は、9月9日に開催された埼玉県児童養護施設退所者等のアフターケア事業に携わる支援員と施設出身当事者による講演会に参加しました。第一部は、埼玉県より委託を受け、児童養護施設を巣立った若者の自立支援を行っているコンパスナビ支援員による講演、第二部では児童養護施設出身のゲストによるトークセッションが行われました。
特に、第二部の内容に感銘を受けました。それは、児童養護施設で育ち、現在各界で活躍するゲストスピーカーが自分自身の体験を赤裸々に語り、施設を退所してから自立の道を自分らしく歩んでいった話です。自らの困難を乗り越えるだけでなく、同じ境遇にある施設の後輩たちのために役立とうとする当事者たちの姿は、何より人間として輝いていました。改めて、人間の幸せは利己ではなく、利他にあることを教えてもらいました。
また、東日本大震災のボランティアに参加した一人は、被災地の状況を多くの大人が知ることによって、復興が大きく進んだとの話をしていたことが印象に残りました。彼は、これを養護施設退所後の支援に置き換え、まず多くの人が知ることによって認識が広がり、さらに、社会的認知度が上がれば、官民両面での支援が進むのではと話していました。
そこで、質問します。
講演会では退所後に自立して生活していくことの難しさを改めて認識しました。本県の児童養護施設で育った子供たちに対する自立支援について、今後も県がしっかり応援していくことがとても重要だと思いますが、県はどのように取り組んでいくのでしょうか。あわせて、施設で育った子供たちが抱えている問題や必要としている支援などについて、社会的認知度が上がるようにすべきと考えますが、県はどのように取り組んでいくのか、福祉部長に伺います。
A 金子直史 福祉部長
「児童養護施設等で育った子供たちに対する自立支援への取組」についてお答えを申し上げます。
児童養護施設等で生活している子供たちは、退所後保護者から必要な支援を受けられず、生活や就労など様々な困難を一人で抱えることが多い状況です。
このため、県では児童養護施設等の退所者を「退所後10年支える」ことを目標に、民間団体等と連携しながら、施設等退所者の自立支援に取り組んでおります。
例えば、県の委託により一般社団法人コンパスナビが運営している「クローバーハウス」では、生活や就労など自立した生活に向けた支援である退所児童等アフターケア事業を行っています。
クローバーハウスには、令和3年度で約850人の来所があり、利用者からは、「就職活動用のスーツや食料品の提供等、きめ細かな支援を受けられた」などの声をいただいております。
令和4年6月に成立した改正児童福祉法では、生活・就労・自立に関する相談等を提供する社会的養護自立拠点事業が創設され、施設退所者等に対する自立支援を強化する方向が示されました。
現時点では事業の詳細が示されておりませんが、今後示される事業の内容を踏まえて、利用者の意見も聞きながら、児童養護施設等で育った子供たちの自立支援について、更に効果的な支援に取り組んでまいります。
次に、「施設で育った子供たちが抱えている問題や必要としている支援などについて社会的認知度が上がる取組」についてです。
施設で育った子供たちの抱えている問題や必要とする支援については、行政を始め様々な団体それぞれが情報発信していくことにより、賛同者が増えて支援が広がっていくことが期待できると考えます。
県では、県民を対象とした施設退所者による講演会をはじめ、県のホームページなど、様々な媒体を活用して、社会的養護の現状や支援者の活動状況など、情報の発信を進めています。
また、コンパスナビでは、就労支援のため企業への同行訪問を行っていますが、これは就労の受け皿を開拓するとともに、企業への理解の促進も併せて行っています。
県としては、施設等で育った子供たちの生の声を伝えることは非常に効果的であるため、官民で十分に連携しながら、機会を捉えて積極的に情報発信するなどして、社会的養護の認知度を高め、児童養護施設等退所者に必要な支援が届くようアフターケアにしっかりと取り組んでまいります。
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