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掲載日:2022年6月21日
Q 小島信昭 議員(自民)
本県では昨年3月、デジタルトランスフォーメーション推進計画が策定され、この1月に直近3年間の工程を示すロードマップが公表されました。これがしっかり実施、実装されていくかがポイントであると思います。
そういう思いから、昨年、私が代表質問で、これを推進する部局横断の組織を立ち上げることを提案させていただいたところ、知事は「私自らが指揮を執り、DX実現に向けて各部局の知見も生かしつつDX推進会議を横断的に機能させ、取組を強力に推進してまいります」と御答弁されました。しかし、残念ながら、この推進会議はこれまでたった2回しか開かれず、推進会議を横断的に機能させ、全庁的に取り組むという形とは違う状況になっているようです。
計画や大まかな工程表は示されておりますが、大方の県職員はこれまでどういった議論がなされ、現在どうなっているのか、今後どうなっていくのかを全く認識をしておらず、IT技術の向上も図られていないのが現状のようです。これは一般の県民の方も同様で、計画の存在すらも認識されていません。県庁のDXを推進していくべき個々の職員、そしてその利益を享受する個々の県民の方々を置き去りにして進められているように見受けられます。
また、知事がこの課題に熱心に取り組んでいることも分かりますが、デジタル技術に関する知識も豊富で、プロジェクトのリーダーシップを発揮していることも聞いています。しかし、知事は中東の専門家であって、デジタルの専門家ではありません。デジタル技術は日進月歩です。最新のデジタル技術、未来のデジタル技術を想定して進めなければなりません。このプロジェクトには、専門家の参画が必須であると思います。
そこで提案ですが、
1、DX推進会議を定期的に開催し、これを通じて全庁に向け事業の進捗や今後の進む方向、それぞれの職員が取り組むべき課題、目指す将来的社会像などを明確に伝え、全職員が我が事としてDXの推進を図る意識や知識を持てるようにする。
2、実作業を行うプロジェクトチームについては、ICTなどの最新の知識を持ち、将来のデジタル技術を見据えることのできる人材を外部から招へいし、最先端技術をベースに検討を進める。
3、いずれ産業界や一般県民の協力を得ることがこの事業にとって必須であるため、現段階から県内の各種団体や業界、広く県民全体に対して県のDX事業の広聴広報に努め、県民一体となった事業展開を図る。
以上、3点を提案いたします。
知事は、これら全般の総括責任者として大所高所から判断を行うべきと考えます。この提案に対する知事の御所見をお伺いいたします。
A 大野元裕 知事
DX推進会議を定期的に開催し、全職員が我が事としてDXの推進を図る意識や知識を持てるようにすることについてでございます。
議員御指摘のとおり、DX推進会議の開催が2回であることは事実です。しかしDX推進会議は会議の開催のみが活動の全てではなく、また回数を重ねればよいというものでもございません。
4月のDX推進会議の立ち上げ以降、構成員自身が、全庁横断で関係するビジョンづくりに関わり、その下で分野ごとに総員260名以上のプロジェクトチームを組織し、7月、8月には、私や幹部職員に対してビジョン案のレビューを実施しブラッシュアップいたしました。
さらに、10月にはビジョンに基づくロードマップについて、私とディスカッションを行うなど会議の構成員も深く関与しています。このように、議員御指摘のとおり、推進会議を横断的に機能させ全庁で取り組んでまいりました。
会議やレビューのやりとりをズームによって全庁の職員が参加可能な環境で実施したことで、構成員以外の多くの職員が議論の内容を直接確認でき、DXへの意識を高めることにつながりました。
一方で、現状ではまだ職員の間にDXに対する意識に温度差があることも事実だと思います。
「全職員が我が事としてDXの推進を図る意識や知識を持てるようにすべきである」との議員の御指摘は極めて重要です。私も常に念頭に置いて進めたいと思います。
こうしたことから、全庁職員が閲覧できる職員ポータルにDX推進の第一歩であるペーパーレスの取組に役立つ情報を定期的に載せるほか、本県の取組を網羅的にまとめたサイトを新たに開設するなど、情報共有を積極的に行っているところです。
引き続きDX推進会議を効果的に機能させていくことはもちろんですが、全職員が我が事としてDXを捉えていくよう職員の意識向上に取り組んでまいります。
次に、プロジェクトにICTなどの最新の知識を持つ人材を外部から招聘することについてであります。
DXの実現に向けた取組においては、将来を見通した専門性の高い知見が必要です。
本県のDXプロジェクトでも、今年度から幅広い知見をもった外部専門家に参画をいただいております。
この外部専門家からは、DXビジョン・ロードマップ検討に際しての助言のほか、関連する先進事例の提供、DXの肝ともいえるデータ活用に向けた全庁の情報システムの分析等、計画準備段階に役立つ支援をいただいております。
さらにDXプロジェクトが本格的な実行段階に入った今、各技術分野の動向に明るく、デジタル技術を実際のサービスや業務に実装していく経験を持った、より専門性の高い知見が不可欠です。
令和4年度では、DXのベースとなる情報連携のための基盤整備に向けて知見のある専門家の協力を得るための予算案をお願いしています。
DXでは様々なデジタル技術や適用分野がありますが、県庁職員が他人事にしてはならず、またデジタル技術に長けた人材が県庁の目標と異なる方向に向かってはなりません。そこで、DXの推進段階に応じて最適な専門家に最適な形で関わっていただき、鋭意プロジェクトを進めてまいります。
次に、県のDX事業の広聴・広報に努め、県民一体となった事業展開を図ることについてでございます。
議員御指摘のとおり、社会全体の変革を目指すDXでは、県民、事業者そして行政が一体となって、事業を展開していくことが望ましいと考えます。
そのためにも、まずはDXの取組を広く県民に知っていただくことが重要です。
12月定例会で報告させていただいた「DXビジョン・ロードマップ」については、今年最初の記者会見で私から発表し、DXで目指す将来像について広く県民にお知らせしたところです。
さらに、本県の取組については、全国規模のフォーラムでの講演や、私と企業のトップとの会談などの機会を通じてアピールを行い、様々なメディアで取り上げてもらうなど積極的に情報発信しています。
今後も引き続き様々な広報機会を通じて広く周知を図ってまいります。
一方、県民の声をサービスへ反映していく広聴の観点では、目指す将来像に合わせてどのような手法でニーズを把握するかを適切に選択する必要があります。
例えば、産業分野では、「埼玉県DX推進支援ネットワーク」として、国、県、市町村、経済界の様々な団体が連携してDXを推進しております。
また、県民サービスの分野では、産業分野のような協議体の形式ではなく、サービスの利用状況を分析することで、県民が本当に必要とすることを把握する場合もあります。
本県が策定したそれぞれのビジョンに最適な広聴手段により、県民・事業者のニーズ・意見をしっかりと把握をし、県民一体となった事業展開につなげてまいります。
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