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掲載日:2024年10月17日
Q 横川雅也 議員(自民)
保健医療部長に自宅療養者の経過観察が行われずに起きた死亡事案の要因や応援職員の派遣方法、業務がひっ迫している保健医療部及び保健所等の業務過多解消策、統計・分析調査の専門人材の配置などについて質疑しましたが、なぜこのように県庁内に問題が山積するような事態になってしまったのか。FEMAの機能や手法であらゆる視点に立ったシミュレーションが行えていれば、事態の悪化を防げたのではないでしょうか。
しつこいようですが、大野知事に御質問いたします。見解を伺います。
A 大野元裕 知事
FEMAの手法を採用して、訓練シナリオを作成する際に関係機関との連携を実効的に強化していく手法は都道府県には、きわめて有効であると考えておりますが、それは訓練シナリオの想定が十分であるかとは全く別の問題でございます。
改めて申し上げますが、埼玉版FEMAとは、発生が想定される危機や災害ごとに対処すべき事項や役割を定め、平時において訓練を繰り返すことによって、関係機関同士の強固な連結を推進するとともに、危機や災害に携わる人材を育成し、県全体の危機・災害対応力を強化しようとするものでございます。
したがって、このような未知の想定できなかったウイルスのシナリオを想定して、関係機関との連結を想定した訓練の対象とはなりにくいと考えます。
また、埼玉版FEMAは事態対処的な危機を対象とするものであり、広義の意味での危機全体を対象といたしておりません。
少しわかりにくいので、嚙み砕いて申し上げると、例えばテロについては、私はテロについて学校でずっと教えてまいりましたが、テロについては、事態対処的な対応よりも、社会的な課題解決の方が早期の終息をもたらす場合がございます。
すなわち、例えば今回の例で申し上げると、保健業務の人員配置は、一義的なFEMAの対象となりにくいということになります。
他方で、新型インフルエンザ感染症を想定したパンデミック対応については、FEMAの対象とするべきものであると思います。
今後は、既に発生した危機でございますので、このようなコロナ対応についても想定の中に加えて、パンデミック対応としての訓練を行い、今後、仮に未知のウイルスによるパンデミックが発生した場合においても、それを全て適用することができないまでも、その一部についてしっかりと応用できるようにしたいと考えております。
再Q 横川雅也 議員(自民)
今後については、コロナ禍であるとか、私の今提言申し上げて指摘した部分についても、どういうふうに組み込まれるのかということを検討していくというような答弁として私は理解いたしましたけれども、私は知事の最初FEMAについて説明をされた一昨年からの答弁をずっと聞いていると、ここにあまりできないというものがあるよりは、今回のようにこのコロナを通じていろんな関係機関との調整もあったかも分かりませんけれども、庁内部局間でまず調整ができるようなこともFEMAの想定に位置付けるべきだと思うんです。
というのは、外の関係機関と様々な連携をする。それには職員さんも当然動く。それに応じて中の調整ができなければ、満足な対応を外の機関とできるはずがないんです。中の調整にもFEMAという視点を当てながら外とのバランスをとっていく、それが本当に連携につながると思うんですが、その認識について再度、知事の御所見を伺います。
再A 大野元裕 知事
私が都道府県、特に埼玉県において、FEMAという手法が有効だと考え、これまで議論させていただきました。
アメリカの連邦危機管理庁FEMAが、実際の実行部隊を持たないにも関わらず、シナリオを繰り返すことによって、外の部隊と手を繋げていく、そして、その危機に応じて手を繋げる相手が変わっていく、こういった制度を持っていたからでござまして、これは県の組織とすごく似ているな、というのが私の思いの最初の部分でございます。
今の御指摘、県庁内の連携をどうするかというのは、率直に申し上げて私も強く感じておりまして、FEMAのこれまで重ねてきた訓練におきましても、外の機関、非常に積極的に参加いただいている機関がございます。
他方で、県庁内における各部局の参加の割合というのはすごく少ないというのは、私も同じように強く懸念事項として持っておりますので、外と手を結ぶと同時に、いわゆる主となる機関と副となる機関がありますけれども、その両方におきまして、県庁内の各機関の連携は強く図る必要を私も同じように認識しておりますので、今回のパンデミック、今回のコロナ対応を捉えて、次の来たるパンデミックに対して対応ができるように改善を図りたいと思います。
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