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掲載日:2023年10月17日
Q 並木正年 議員(県民)
大野知事は、昨年8月31日の就任以来間もなく、9月13日には豚熱の感染確認、10月には令和元年東日本台風による災害発生から、姉妹都市提携を結ぶオーストラリア、クイーンズランド州の訪問を取りやめての災害対応、そして2月からは新型コロナウイルス感染症対応など、寸暇を惜しんで公務に当たってこられたことと思います。
そして、いまだ終息のめどが立たないコロナ禍の状況において、今後の県政運営は未知の領域に突入するかもしれません。新型コロナウイルスによる影響は、平成20年のリーマン・ショックとは違い金融不安ではありませんが、平成19年の日経平均は1万8,000円を超える場面もありましたが、徐々に1万2,000円を割り込み、そして10月には最安値となる6,994円を記録しました。その後、一時的な回復もありましたが、1万円を回復したのは夏になってからと、以前の水準に戻るまでには4年の歳月を費やしています。
本県を見ても、リーマン・ショックのあった平成20年の実質経済成長率はマイナス1.8%、翌年はマイナス2.1%と、国と比較するとマイナス分はやや低いものの、県内企業の利益なども含めた県民所得を人口で割った一人当たり県民所得も、それぞれマイナス4.1%、マイナス4.8%と、その影響は翌年以降に大きく響いてきました。
また、リーマン・ショック時と翌年を比較すると、県民税や不動産取得税、自動車取得税など、いずれの項目も税収は前年度を下回り、法人事業税においては約805億円の減、県税全体では1,095億円の減、また納税率も前年より1%減の94.6%になるなど、景気の低迷が県の歳入に大きな影響を与えました。
そして、今後は災害対策費や社会保障関連費などを除き、これまで取り組んできた既存事業の見直し、あるいは縮小など選択と集中を図りながらも、真に必要な事業は継承、実行しなければならないという知事の手腕による高度な県政運営が求められます。
就任から1年を迎えた知事の定例記者会見では、知事公約約128項目とSDGsを加えた129項目のうち、一部の遅れや事業の中止を余儀なくされたものがあるものの、約8割に当たる106項目についてはおおむね順調に進んでいるとのことでした。
近年にない災害やコロナ禍という状況の中で、新たな生活様式の構築が求められるなど、知事が当選した1年前とは世の中の情勢が大きく変わってきており、密に配慮した事業手法や財源の確保など、公約を進める上での厳しい制約も出てきています。知事はこの1年間、県政のかじ取りを行ってきて、今まで見えなかった部分も多くあるのではないかと思います。
そこで、知事就任2年目を迎え、今後の公約実現に向けた工程表の進め方について、知事の考えを伺います。
A 大野元裕 知事
議員お話しのとおり、これまでは、起きてほしくない非常事態への対応に追われた1年でした。
残念ながら、今なお、新型コロナウイルス感染症への特効薬がない中、当面は、感染拡大防止と県経済の迅速な回復が最優先となり、オリンピック・パラリンピック関連事業をはじめ、「工程表」に一部遅延が発生せざるを得ない状況であります。
しかし、既存事業をゼロベースで見直すことなどにより、限られた資源を公約実現のためにできる限り振り向け、事業の進め方の見直しや工夫などを行い、「工程表」に沿った成果が出せるよう取り組んでまいります。
また、コロナ禍を経験し強く再認識したのは、デジタルトランスフォーメーションの実現に向けた環境を整備し、「新たな社会」を構築していくことの重要性であります。
このような情勢の変化により、行政改革とIT化という公約を更に強力に推進する必要性を痛感しており、申請手続のデジタル化や庁内のIT化・ペーパーレス化など、県民生活の利便性向上と業務の効率化の両立を図ってまいります。
併せて、この新たな視点を県の施策として総合的に反映し、強力に推進させるためには、最終的には最上位に位置付けられる5か年計画に反映させる必要があります。
次期5か年計画の策定に当たっては、「工程表」にお示しした内容に「新たな社会」の構築などといった視点も加味し、県議会の皆様の御意見を賜りながら、検討を進めてまいります。
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