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掲載日:2023年10月17日
Q 山口京子 議員(自民)
1日目の金野議員からも質問がありました。予算特別委員会でも質疑させていただきました。確かに殺処分の頭数は、埼玉県5か年計画の評価でも平成27年の1.705頭から平成30年の804頭と減少し、最終的には金野議員御案内の600頭になるそうです。県の御努力に感謝するところです。
もともとこの殺処分は、捨てられた犬猫、あるいはたくさん増えた野良猫の処分であり、動物指導センターの管轄なので、県の所管ということになります。しかし、動物指導センターを通しての処分は減少しても、路上死については、平成29年のNPO法人の調査によると全国で34万2,875頭であり、少なくはありません。その路上死の処分費用はそれぞれの市町村が支払っており、同様に減額したとは聞いたことがありません。
野良猫の問題は環境問題であり、置き餌、鳴き声、糞尿等も御近所のトラブルになっています。対策としては、野良猫を作らないこと、ゼロにすることです。コロナ禍によるステイホーム期間中、さだまさしの歌う「にゃんぱく宣言」が盛んにテレビで流れました。「お前を飼い主にする前に、言っておきたいことがある」と始まり、「飼える数だけ、外に出さずに、死ぬまで責任を持って、俺を管理しろ」の宣言です。
また、国会でも動物の愛護及び管理に関する法律が本年6月1日に施行され、動物の不適切な取扱いへの対応の強化が図られました。その中で、野良猫を増やさないことについては、TNR、即ち捕獲(Trap)、不妊・去勢(Neuter)、地域に戻す(Return)の頭文字を取ってTNRと言いますが、これを実施する施策が重要です。猫は1回の出産で5匹から7匹、年に3回産むため、TNRを実施して繁殖抑制を図らない限り増え続け、飼ってもらえない猫の増加と環境問題が深刻化しています。
関本部長の答弁のように、県も平成24年度からこのTNRの実施に手を挙げる市町に対して助成しています。避妊手術費用は、雄は約1万円、雌は約2万円の相場と聞きますが、一頭当たり5,000円の助成しかありません。なぜ5,000円なのでしょうか。助成金額を増やせないのでしょうか。
そこで、保健医療部長に伺います。
今までのように手が挙がった市町村に、広く、薄い助成ではなく、モデル地区を設定して集中的にTNR事業を展開すべきと考えますが、いかがでしょうか。
私の地元の蓮田市の面責は27.28平方キロメートルで、平成26年からの3年間と、今年、補助金を利用してTNRを実施させていただきましたが、死体処理の数は毎年200から270体の間で変わらない状況であり、試行としても集中的に実施すべきです。
また、TNRの好事例を紹介しますと、練馬区においては地域コミュニティの理解の下、地域猫制度の中でTNRを始めており、ボランティアの方が中心ですが、行政と連携して取り組むことで野良猫が大幅に減少すると同時に、登録された地域猫、これはTNRをした野良猫ですが、地域住民と共生しています。増え続けることはありません。野良猫対策や地域猫の推進は、保護猫活動のボランティアの方たちとやる気のある市町村と県が連携することでできる、確実に実績の上がる事業です。
このようにはっきりと目立つ好事例もあります。ぜひとも助成額の拡大とともに、モデル地区を設けて集中的に実施すべきであると考えますが、御所見を伺います。
A 関本建二 保健医療部長
まず、TNR事業に関する助成額の拡大についてでございます。
一部の動物病院では、ボランティアが持ち込む野良猫の不妊・去勢手術に限り1頭5,000円前後で実施しており、多くのボランティアがこうした動物病院を利用していることから、1頭当たりの助成額を5,000円としております。
今後も、より多くのボランティアを支援するとともに、より多くの野良猫に手術を実施するため、助成額は5,000円としたいと考えており、御理解を賜りたいと存じます。
次に、モデル地区を設けて、集中的にTNR事業を実施することについてでございます。
野良猫に不妊・去勢手術を行い、元の場所に戻す、いわゆるTNRについては、議員御指摘のとおり、特定のモデル地区を設けて集中的に実施することで、そこに生息する野良猫の繁殖抑制は大幅に進むものと考えます。
一方で、今年度は12の市町がTNRの補助金を利用しており、来年度以降も利用を希望する自治体があることから、直ちに運用方法を見直すことは困難な状況でございます。
また、特定の自治体に補助金を集中することで、ほかの地域で活動するボランティアが支援を受けられなくなるため、この点についても、十分なコンセンサスを得ていく必要があります。
そこで、まずは市町村に対して補助金に関する意向調査などを行った上で、議員御提案の集中的運用も視野に入れながら、より効果的な運用方法を検討してまいります。
また、議員から御指摘のあった路上死する猫をなくすためにも、野良猫の繁殖対策だけではなく、屋外で飼われている猫についても、不妊・去勢手術を行い、外へ出さずに飼育するよう、飼い主への啓発に努めてまいります。
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