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掲載日:2023年10月17日
Q 山口京子 議員(自民)
二つの使用目的の異なった公園について質問いたします。
まず、インクルーシブ公園についてです。
インクルーシブとは、包み込む、包括的なという意味です。障害のある人もない人も、分けずに包み込もうという概念であります。インクルーシブ公園というものが、今年の春に東京都世田谷区の都立砧(きぬた)公園に誕生しております。障害の有無に関わらず、子供たちが安全に遊ぶことができる公園です。障害を持つ東京都議会議員の提案を受け、整備されたものと聞いております。障害のある子供が安全に遊ぶことのできる公園がどこにもないことから、都に働き掛けたものです。国交省のガイドラインでは、遊具についてのバリアフリー化が定められていないことから、地方独自で行う必要があります。
この公園の遊具がある広場では、地面にゴムチップが敷かれ、転んだときの衝撃を小さくする工夫が施されています。また、体を支える力が弱い子が揺れる感覚を楽しめる大型ブランコや、車椅子に乗ったまま遊具の中を通ることができる複合遊具などの整備がされています。子供が遊びながら成長する場は公園ではないでしょうか。障害のある子もない子も、みんなが遊べる公園が埼玉にも必要であると私は考えます。
そこで、インクルーシブ公園の導入について県はどのように考えているのか、都市整備部長の御見解をお伺いいたします。
次に、プレーパークについて伺います。
プレーパークについては御存じの方も多いと思います。プレーパークは「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーにした遊び場であり、子供たちの好奇心を大切にして、自由にやりたいことができる遊び場です。逆に、既存の遊具は一切ありません。「万物は木・火・土・金・水(もっかどこんすい)でできている」という中国の五行の思想が基になっています。
私は以前、世田谷に住んでいたことがあり、区内に羽根木公園のプレーパークがあり利用しておりました。1979年、国際児童年を記念して、この羽木公園は日本のプレーパークの先駆けともいえる公園です。地域の住民がリーダーとなって子供たちを見守り、プレーパークを開設しています。子供たちは、ほかの公園ではできない木登り「木」や、泥んこ遊び「土」、はたまた焚火「火」まで自由気ままに行っております。つまり遊具が木・火・土・金・水なのです。
羽根木公園のプレーパークは常設なので、当時、2週続けた土・日で、父親たちと子供たちで秘密基地が造られていました。遊びの継続性があり、造られ、でき上がっていく過程はとても楽しいものでした。普通、公園内で事故があった場合の管理責任や利用者の様々な声があるため、公園での行動等は規制されがちです。プレーパークでは通常できない遊びができ、子供たちの自主性や冒険心を育むことができます。
県内には、こうした地域住民が運営するプレーパークは常設ではありませんが、20カ所程度あるとも聞いています。しかし、月に1回から3回程度の開設です。広い公園の1区画に常設のプレーパークがあることが理想ですが、県営公園におけるプレーパークの推進について、都市整備部長の御見解を伺います。
A 濱川敦 都市整備部長
まず、インクルーシブ公園の整備についてでございます。
インクルーシブの考え方は障害の有無や年齢、性別にかかわらず、多種多様な人に公園を御利用いただくために、大切なことと認識しております。
東京都では議員お話の砧(きぬた)
公園にインクルーシブの考え方を取り入れた遊具が設置され話題となり、他の公園にも広がってきております。インクルーシブな公園は、障害のある子もない子も遊ぶことができ、誰もが同じ場所で楽しむことができる空間を生み出しております。
子どもが人の多様性を自然に理解でき、共に生きる心が育つことも期待できます。
県ではこれまでも、段差をなくす、車いすの方も水に触れられる施設を設けるなど、ユニバーサルデザインの視点を取り入れ、誰もが使いやすい公園づくりを進めてまいりました。
更に一歩進んだインクルーシブの考え方を取り入れていくことは、今後の公園に必要な視点です。
このため、インクルーシブ公園の整備状況や利用状況、導入にあたっての課題などの調査を行い、今後の整備にどのように取り入れることができるか検討してまいります。
次に、プレーパークの推進についてでございます。
プレーパークでは、これまでの公園ではできなかった遊びが可能となり、子どもが想像力を働かせて自ら工夫し、自由に遊ぶことができます。
新たな体験や交流を通じて、子どもたちの主体性や社会性、コミュニケーション能力が育まれると考えております。
県営公園においても、大宮公園や和光樹林公園ではNPO等が主催したプレーパークの事例があります。
開催日には100人を超える大変多くの元気な子どもたちが参加し、穴掘りや泥んこ遊びなどを楽しんでおります。
一方、プレーパークの運営には、事故が起きないよう注意を払う体制や、思わぬけがやトラブルにも対応できるリーダー役の存在が欠かせません。
また、プレーパークには常設のほか、開催する公園を変え、泥遊びや工作体験が出来る場を設けるなど工夫を凝らした事例があります。
こうした事例を踏まえ、安全確保や活動形態の状況などを指定管理者とともに研究し、プレーパークを運営しやすい公園づくりを進めてまいります。
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