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掲載日:2023年10月17日
Q 山口京子 議員(自民)
昨年6月定例会の初めての一般質問でも最初に取り上げました子供医療費の助成拡大についてお伺いいたします。埼玉県の施策では、乳幼児医療費支給事業という事業名です。私はあえて子供医療費の名目で質問したいと思います。
皆様方も御存じとは思いますが、子供に対する医療費の助成は、県の補助を受け、実施主体である市町村が行っております。その県の補助対象は、入院、通院とも就学前までで、市町村の財政力に応じて補助割合に差を設けております。
昨年の保健医療部長の答弁では、補助対象を就学前までとしているのは、病気になりやすい年齢を対象に補助するためとのことです。本来、子供に対するサービスは全国一律、公平に行われるべきであると考えます。どこに居住していても医療の必要性はあるもので、居住地により医療に格差が生じることは適当ではなく、ましてや医療費の自己負担にも格差が生じることは適当ではありません。
国は子育て支援と社会保障を景気対策と同じく掲げています。これは不利な条件になりやすい地方や現場からの強い声を無視できなくなったからです。同様に、市町村も子供を持つ親の声を無視することができず、見直しを行いつつ、今や県内の全ての市町村が入院、通院の助成を15歳又は18歳まで拡大いたしました。
昨年の上田前知事は、事業主体は市町村であるとおっしゃっていました。何かと県は、事業主体や窓口は市町村と言います。子供へのサービスは公平一律であるべきと再度申し上げます。「市町村が拡大したからいいのではないか」との声は間違っています。
昨年の答弁で、保健医療部長は、この制度は子育て支援のナショナルミニマムとして国が統一した制度の創設をするよう要請してまいりますとのことでした。今年は新型コロナウイルス感染症の影響で受診控えが起きているようですが、医療費は年々伸びています。また、子供の誰しもがアレルギーを持っているとも言われ、青少年期になっても医療機関に通い続けることも多く、県の言うように病気になりやすい年齢が就学前であるということには説得力がありません。
この医療費の助成は、市町村間の競争にもなっています。住民から「隣町は18歳までなのに」との声が寄せられます。
平成30年の厚生労働省のデータでは、関東1都6県中、我が埼玉県のみが入院、通院とも就学前までです。ほかの都県は助成の対象枠を広げています。群馬県は15歳の年度末までです。この差は何なのでしょう。埼玉県の市長会と町村長会からの予算要望及び施策の重点要望も、この助成制度の充実を毎年上げています。にもかかわらず、県は平成19年度から13年以上も対象年齢の見直しの変更を行っていません。
そこで、知事に伺います。
窓口の現物支給に関しては、県議会の意を踏まえ道筋ができたようですが、それでは足りません。医療費の助成拡大については、昨年だけでも各会派の4人の議員が質問しています。昨年の答弁によると、12歳に引き上げると23億円の増、15歳までだと30億円の増だそうですが、知事も代わられた今、国への要望はもとより、どのような議論がなされたのかお伺いいたします。
また、国への公費負担の要望について、どのくらい続けていくのでしょうか。本来、子供へのサービスは国が一律に実施すべきとの県の考えならば、国がしなかったときはどうするのか御答弁ください。
A 大野元裕 知事
県の補助対象を就学前までとしていることについて、知事も代わった今、どのような議論がなされたのかについてでございます。
現在、一層の子育て支援充実のため、「県内全域における窓口無料化」の実現に向け、議論にとどまることなく新たな施策を実施すべく市町村や医師会等
との関係機関などと調整を開始しております。対象年齢の引き上げにつきましても、改めて検討いたしました。
仮に、対象年齢を中学校卒業まで引き上げた場合、29億円程度の増額が必要になり、令和2年度の乳幼児医療費予算額の約2倍となる57億円もの予算を毎年、一般財源で措置する必要が出てまいります。
また、対象年齢を引き上げた場合、受給対象者数が増加するため、支払機関への手数料など窓口無料化に要する費用も更に増加をすることになります。
このため、現時点での対象年齢の引き上げは難しく、限られた予算の中、特に負担が大きい就学前の子育て家庭を重点的に支援していくという現在の政策を維持していきたいと考えております。
まずは、現在進めております県内全域における窓口無料化について、早期の実現に向け全力を挙げて取り組んでまいります。
次に、国への公費負担の要望はどのくらい続けるのか、国が実施しなかったときにはどうするのかについてでございます。
子供への医療費助成は、子育て支援のナショナルミニマムとして、国により統一的に実施されるべきものであると考えています。
引き続き、各都道府県とも連携をし、実現まで粘り強く国に対し要望してまいります。
しかしながら、御質問のように国が行わない現状が継続する場合には、地方単独事業としてこのまま実施せざるを得ないと考えているところであります。
再Q 山口京子 議員(自民)
先ほどの答弁ですと、国に粘り強く要望していくと。そうでなければ今のままというように聞きましたが、まさかですよね。これだったら、あるかなしかじゃないですか。何人もの議員が1年間で質問しているのです。そして、先ほど知事が15歳だと幾らだと言いましたが、もしかしたら15歳に一気に上げろと言っていないんですよ。拡大したらどうですか、お願いします、市町村が今みんな困っていますということを言っているのです。
政令指定都市のさいたま市では、市単独で50億円以上出しています。子供医療費だけです。それで、15歳までです。だから、同じようにやるかどうかは別として、今、埼玉県は子どもが多いかもしれないですけれども、この先、全然少なくなります。先行投資です。ぜひともあるかなしかの議論ではなく、この後何年、国にどのように言って、ほかの自治体と協力してだめなら、どのように埼玉県はするのか。そこまでのお考えをもう一回問いたいと思います。
再A 大野元裕 知事
国への公費負担の要望を具体的にどの程度続け、国が実施しなかった時にはどのようにしていくと考えるかについての再質問にお答えを申し上げます。
まずは、一義的には議員も御指摘のとおり、子供へのサービスは公平一律であるべきであり、国に対し子育て支援のナショナルミニマムとして統一的に実施をするよう働きかけを引き続き強化をし、県単独だけではなく、他の都道府県とも協調をして働きかけをしていくことが大事だと考えています。
同時に先ほど申し上げましたが、窓口無料化の実施に向けて努力をしてまいります。
さらに何年という期限を区切るわけではございませんが、まずは国にしっかりと働きかけをし、その成果を見たうえで県としての判断をさせていただきたいと思いますが、先ほど申し上げたとおり限られた予算の中で県としては特に負担が大きい小学校就学前までの子育て家庭への支援を継続していく努力を維持したいと考えています。
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