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掲載日:2023年10月23日
Q 柳下礼子 議員(共産党)
私は、狭山保健所を視察し、お話を伺いました。コロナ感染症に対応するために、様々な仕事を全職員や応援の方、民間の方と分担しているけれども、分担できない仕事、保健師が絶対にやらなければならない仕事があり、それは患者と直接関わる積極的な疫学業務だということでした。コロナまん延期、この狭山保健所で最大の時間外勤務をした保健師は、4月に215時間、5月に137時間と、過労死ライン100時間を超える過酷な状況でした。ニューヨークでは感染者の接触者追跡を行うトレーサーの配置基準を設け、人口10万人当たり最低30人としています。狭山保健所の管轄区域内の人口78万人に当てはめたとしたら、240人以上の保健師が必要だということになります。
かつて狭山保健所管内には、飯能、所沢、狭山保健所と3つの保健所があり、2005年度には95人の職員がおりました。それが2つの保健所が廃止され、職員は57人となっています。これでは過労死ラインを超えるような状況は避けられないわけです。
なお、保健所の業務の中で最も煩雑で時間がかかるのは、難病患者への医療費助成制度に係る事務です。今年は国の特例で自動更新となりましたが、来年もできるのかは今のところ分かりません。「来年もコロナまん延が続くなら、この体制ではもちません」とのことでした。狭山保健所の管轄区域内の人口は78万人で、県内でも最大です。所沢保健所、飯能保健所を復活させ、3保健所体制に戻していただきたい。知事の答弁を求めます。
A 大野元裕 知事
平成6年の地域保健法の制定以来、国策として保健所の再編が進められてきました。
本県でも専門性の高い分野への対応強化のため組織を大
くくり化した一方、保健師などの専門職については職員数を維持しています。もとより、今回の感染症対応で保健師の負担が過重なものとなっていたことは御指摘のとおりであります。
そこで、医師会や看護協会などと連携し保健所外への業務委託を進めるとともに、県庁全体から職員の応援体制を構築するなど、保健師の業務の軽減に腐心をしてまいりました。
さらに、クラスター対策を保健所の業務から切り離せるよう、感染症対策の専門チーム「COVMAT」を創設し、保健所の負担軽減に努めています。
積極的疫学調査などの業務の的確な実施のためには、必要な保健師を確保していくことが何よりも重要です。
保健師の増員を図った上で、今後の保健所体制の整備について、しっかりと検討してまいります。
再Q 柳下礼子 議員(共産党)
知事は答弁の中で、平成6年、国策としてとありましたけれども、国策であっても、現在は保健所の役割がコロナ禍の中で大変重要と分かったということで検討していきたいということなんですけれども、具体的にはどのような方策で検討を始めようとしているのか、その点について1点お聞きします。
再A 大野元裕 知事
保健所の役割を見直していくという中で、具体的にどのように検討をしていくかという御質問をいただきました。
埼玉県といたしましては、この新型コロナウイルス感染症に対応する中で、保健師あるいは保健所の負担が過重なものになっていたことについては、認識を共有しております。
そのような中で、まずは、この保健所の復活若しくは保健所の体制の在り方を検討する前に、一人あたりの保健師の過重な労働、負担について、再検討する必要があると考えたところ、まずは保健所の業務から一部を切り離して、例えば外部に委託する等の措置を行う、その上で、保健師の増員を図る、これを最初のステップとしてやらせていただきたいと思います。
その上で、保健師一人当たりの負担の量が変わってまいりますので、その上で、保健所の体制について、検討を進めていきたいと考えています。
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