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掲載日:2023年10月23日
Q 関根信明 議員(自民)
県庁舎建替え等検討特別委員会の本木委員長より提言内容を、令和2年3月26日、本会議場で報告いただきました。提言書によれば、現在の庁舎は老朽化、狭あい化が著しく、執務環境も劣悪であり、様々な課題を抱えていることが判明したこと、また、執務環境が、若くて優秀な人材を確保する上で影響を与えかねないことも懸念され、ICTへの対応やオープンオフィスなど、県庁舎に求められる機能に対する課題もクローズアップされました。加えて、本庁舎の場合は、「庁舎・公の施設マネジメント方針」に定められた建物の目標使用年数である80年まで、あと11年しかない状況であり、時間的余裕はございません。
また、本庁舎の視察を同特別委員会で訪問し、区所有に定期借地権を設定し、それを利用して財政負担なく建設した渋谷区役所新庁舎や、立石議員の御手配で川口市役所新庁舎、また神尾議員の御手配で深谷市役所新庁舎を視察してまいりました。最先端の市庁舎を視察して羨望するとともに、現在の県庁舎の劣悪さに驚きを隠せません。
私は、提言書を受けて、県として本庁舎を含め建替えも視野に県庁舎の在り方を検討すべきと考えております。そこで、4点質問させていただきます。
(1)3月に提出された同特別委員会提言書をどのように受け止め、今年度、県はどのように対応されるのか。
(2)知事公約に、「県庁舎建替え議論は県民参加を重視し、多様な県民のニーズを把握し、慎重な検討を重ねるため、1期4年間は具体的な建替えに向けた工事には着手しない」とありますが、1期4年間で建替工事が進みますか。知事の、4年間での工事着手はしないとは、どういうような趣旨をお示しなのか。また、基本構想の策定から新庁舎建設までどれくらいの期間を想定されるのか、一般論で結構でございますので、お示しください。
(3)さいたま市北区役所、大宮区役所は、PFI方式で建設されましたが、県庁舎建替えを進めるのであれば、財政負担の軽減化や平準化を図るPFI等民間活力導入の検討も行っていただきたいと考えますが、御所見を伺います。
(4)私は、県本庁舎、第三庁舎、衛生会館、別館、職員会館等を再編すべきであり、さらには単独で県警察本部庁舎を造るべきと考えております。県庁舎の在り方検討として、早急に県庁舎再編計画等を策定し、県庁舎の集約化と県警察本部庁舎の独立化を図るべきと考えますが、知事の御所見を伺います。
A 大野元裕 知事
県庁舎建替え等
検討特別委員会の提言書をどのように受け止め、今年度どのような対応をされるのかについてでございます。
提言書では「速やかに県庁舎の課題解決に尽力すべき、また、将来の県庁舎の在り方についても早急に検討に着手すべき」とされております。
提言については、県庁舎の将来を見据えた貴重な御指摘をいただいたものと受け止め、誠実に対応してまいりたいと考えております。
県では、県庁舎の機能や快適性などの課題解決に向け、平成29年度から執務室のレイアウトの見直しなどを行う執務環境改善事業に取り組んでおります。
また、今年度、将来の県庁舎の在り方について議論を行うため、建物性能の客観的な状態を把握する「県庁舎建築性能・劣化診断調査」を実施しております。
今回の調査では、平成23年竣工の危機管理防災センターを除いた全庁舎のコンクリートの劣化調査を行うとともに、ふだん目視できない建物内部の設備機器の状態や室温等
の執務環境なども詳細に調査しております。さらに、県庁舎の課題などについて議論する場として、庁内の全ての部局で構成する「埼玉県県庁舎問題検討会」を本年6月に設置したところでございます。
次に、1期4年間での工事着手はしないとはどのような主旨かについてでございます。
知事公約においては、私は「1期4年の間には建替えに向けた着手はしない。限られた財源は建替えよりも公教育・警察などの次世代のための投資を優先させる」としております。
限られた予算は、特別支援学校の教室不足の解消や児童相談所の拡充など、より県民ニーズの高いものを優先すべきと考えたからであります。
県庁舎を建て替える場合、県庁の在り方や業務プロセスを見直し、いかなる県庁にすべきかという議論も必要となります。
このため、少なくとも1期4年の間には慎重に議論をし、建替えに向けた工事の着手にまで及ぶことはない、という主旨で申し上げたものでございます。
次に、新庁舎建設までの期間についてでございますが、最も新しい県庁舎である長崎県庁舎を例にとりますと、平成21年度から基本構想の策定に着手し、29年度に竣工、供用開始とされております。
昨年度、工事に着手した岐阜県庁舎では、平成26年度に基本構想の策定に着手し、令和4年度に竣工、供用開始予定と伺っております。
このように、直近の県庁舎建替えの事例では、基本構想の策定に着手してから供用開始まで概ね9年を要しております。
次に、民間活力導入の検討についてでございます。
御質問にございましたさいたま市北区役所は、平成19年度に竣工し、20年度に供用を開始した図書館やホール、コミュニティスペースなどが併設された複合施設であります。
また、大宮区役所は、平成30年度に竣工し、令和元年5月に供用を開始した図書館やふれあいスペース、カフェなどが併設された複合施設です。
議員お話しのとおり、いずれの施設もPFI方式で建設しておりPFI方式を導入しない場合と比較し、北区役所では17.6%の財政負担の削減効果があり、大宮区役所では14.4%の削減効果があったと伺っております。
PFI方式は、公共施設等
の設計、建設、維持管理及び運営を一体的に扱い民間の資金とノウハウを活用することにより、効率的かつ効果的な公共サービスの提供が期待できる事業方式であります。本県においても、これまでに埼玉県総合リハビリテーションセンターESCO(エスコ)
事業など14件のPFI事業を実施しております。
一方、令和2年度竣工の川口市役所では、「庁舎は行政職員が市民サービスを提供する施設であることから、職員自らが利用しやすい建築計画を実現できる」設計・施工分離発注方式を採用したと伺いました。
PFI方式をはじめとして、民間活力手法の導入にはそれぞれの特徴がありますので、建替え等
の検討に当たっては、コスト面も含め幅広く検討を行ってまいります。次に、早急に県庁舎再編計画等
を策定し県庁舎の集約化と県警察本部庁舎の独立化を図るべきについてでございます。現在、「県庁舎建築性能・劣化診断調査」を実施しております。
躯体の劣化の進行度合いや設備機器のメンテナンスの状況によっては、目標使用年数の築80年を超えて建物を使用することも可能です。
現在行っている調査や県庁の在り方についての議論の結果も踏まえた上で、議員御指摘の県庁舎の集約化や警察本部庁舎の独立化なども検討してまいります。
再Q 関根信明 議員(自民)
県庁舎の在り方についてでございますけれども、知事は本当にすばらしい答弁しているなというふうに感じたところでありますが、現本庁舎を80年を超えて云々かんぬんということで、まだ使う方向もあるというふうに捉えているんですが、各議員から質問があるとおり、本当に新しい、例えば職員の採用にしても、現庁舎を見たら、これでは働く気がしないよと言われるぐらい、たしか40%ぐらい断っているという話を聞いております。
ですので、私は、やはり県のシンボルとして、県の本庁舎は建て替えるべきだと思っています。6月1日に庁内の検討会を設置されたというふうに聞いておりますので、もたせるということも必要であるかもしれませんが、やはり新たに埼玉県を輝く埼玉県にしていただきたいということで、再度、答弁をお願いしたいというのが一つ。
再A 大野元裕 知事
80年を超えて使う可能性もあるとの答弁ではあるが、将来の職員の雇用も踏まえて、県のシンボルとして建て替え、輝く埼玉とすべきではないかというご質問についてでございます。
80年を超えて使う方向性があるかどうかにつきましては、これはあくまで現在行っております調査の結果、躯体の劣化の進行度合いや設備機器のメンテナンスの状況によっては、目標使用年数の80年を超える使用を行う可能性、もしくは、それが可能であるということを申し述べたことでございます。
その一方で、職員の今後の雇用や、あるいはおっしゃるとおり、県のシンボルとして輝くものとするべきであるという、その御指摘については、私もそこは同様でございます。
現時点では、埼玉県県庁舎問題検討会において、各職員がこれまでの勤務における良かったところ、悪かったところ、あるいは今後の県庁における勤務やオフィス、さらには県民へのサービスの在り方、こういったことを踏まえて議論をしております。
輝く埼玉にするためのしっかりとした議論をまずは行わさせていただきたいと考えております。
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