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掲載日:2020年7月10日
Q 守屋裕子 議員(共産党)
緊急事態宣言による休業、自粛要請に応えた事業者への助成や給付が、2カ月に及ぶ緊急事態宣言が解除された段階になっても、多くの人に届いていません。中小企業・個人事業主、フリーランスで働く人たちは、いまだに深刻な状況に置かれています。
全国では既に非正規雇用者は100万人近く解雇されており、大規模な解雇、雇止めや中小・小規模事業者の倒産、廃業が広がろうとしています。雇用を守る支援が迅速に実施されるかどうかが問われています。家賃補助など、新たな支援策が盛り込まれていることは評価できます。知事は、「強い経済の構築に向けた埼玉県戦略会議を設けて、新型コロナウイルス感染症による第2波、第3波に備えていく」と言われていますが、スピード感が大事です。この点での知事の決意をお伺いいたします。
中小企業・個人事業主支援金第一弾は、6月17日朝の時点で、申請件数5万8,441件、決定が3万7,737件、68%という状況です。同時に提出したのに遅いと批判を受けている国の持続化給付金が届き、県のほうはまだ届いていないという声すらあります。審査の迅速化と大幅な体制強化も行い、残りの32%と専決処分で決定した10万円の第2弾の支援金、また新たな家賃補助を迅速に給付すべきですが、知事の見解をお伺いいたします。
第2弾の県支援金が6月1日から申請が始まっています。5月12日から31日の間で8割、16日以上休業したことが条件となっています。デリバリーやテイクアウトをしているお店からも、1日休業とみなしてほしいという切実な声が出されています。廃業させないためにも、弾力的な運用をするべきです。産業労働部長の考えをお伺いいたします。
申請手続の分かりづらさも問題です。先日、川越工業団地を訪問しました。工業団地は全体で5,000人ぐらいの従業員が団地内で働いていて、そのうち川越在住の人が2,000人います。一定の社員数のいる中小企業が主体の工業団地でも、国の持続化給付金、雇用調整助成金、県の支援金、県の制度融資等の様々な制度があり、申請の仕方も異なり、非常に苦労しているとのことでした。国が持続化給付金の相談会を開催しましたが、1週間前に申し込んでも満杯。また、国の説明会なので県の制度は説明しない。県に問合せの電話をしても一向につながらないなど、たくさんの御意見をいただきました。国、県、市の全てをワンストップの窓口で対応してもらえれば助かるというのが率直な声です。県、国等の申請などを職員の配置によりワンストップ窓口で対応することについて、特に工業団地のような法人が集積しているところには出前説明会を行うことについて、産業労働部長、答弁を求めます。
制度融資については補正予算が出されましたが、県制度融資の融資枠の拡大を8,000億円から1兆2,000億円に拡大しましたが、リーマンショック時よりはるかに超える経済危機と言われています。工業団地の方は、本年度決算はほとんどが赤字になる見通しを語っていました。県制度融資について据置期間、返済期間の更なる弾力化を求めますが、産業労働部長の御答弁を求めます。
観光のまち川越も、コロナ禍の中で大きな転機を迎えています。私は商工会議所も訪問しました。コロナピーク時の四月には、電話、メール、訪問を合わせて1,000件以上の相談が押し寄せ、通常業務が全くできない状況だったと聞きました。改めて、これらの業務に関わる皆様にも敬意を表したいと思います。
この中で聞いたのは、コロナ対策は長期にわたり、観光業も元のように戻ることは難しい。新たな販路拡大をして、川越の業界全体の方向性を考えていかなければならないということです。コロナウイルスにより、今後の経営や販路拡大に悩む経営者に対する専門家のアドバイスが求められています。こうした支援について、産業労働部長の御答弁を求めます。
A 大野元裕 知事
感染症の影響下でも経済活動を継続するための方策を社会実装することを目的に5月28日に「強い経済の構築に向けた埼玉県戦略会議」を立ち上げました。
人材が余剰する企業と不足する企業のマッチング、感染がまん延する中での営業活動などについて、1カ月を目途に集中的に議論をし、早期に社会実装したいと考えております。
国、経済団体、県が連携し、第2波、第3波に備え、速やかに対応してまいります。
次に、審査の迅速化と大幅な体制強化も行い、迅速に給付すべきについてでございます。
中小企業・個人事業主支援金第1弾については、約58,500件の総申請件数のうち、本日朝の時点で75%を超える約44,000件の給付を決定しており、おおむね迅速に給付ができていると考えています。
また、電子申請された事業者には、書類に不備がなければ、おおむね1週間で給付決定をし、10日でお手元にお届けできております。
私は、県内事業者が大変な困難な時期に、支援金を速やかにお届けすることが重要と考えており、首都圏の他都県の中でもより多く、また、より迅速な給付が実現しております。
議員御指摘のとおり十分な体制を確保し審査の迅速化を図り、支援金の第1弾、第2弾、家賃補助について、引き続き、スピード感を持って適切に取り組んでいきたいと思います。
A 加藤和男 産業労働部長
まず、第2弾支援金の弾力的な運用についてでございます。
新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態措置期間の延長に伴い、売上げが減少するなど厳しい経営状況に置かれている中小企業・個人事業主を支援するため、第2弾となる追加支援金を支給しております。
第1弾の支援金と同様に、業種や休業理由を問わず、幅広く支援することとしています。
弾力的な運用につきましても、第1弾と同様とし、売上げがなかった日を1日休業とするほか、営業時間を短縮した場合や店舗営業を休業しデリバリー・テイクアウトのみとした場合を0.5日休業とするなど、幅広く支援をさせていただいております。
次に、ワンストップ窓口で対応することや出張説明会を行うことについてでございます。
中小企業・個人事業主を支援する取組は、国、県、市のほか金融機関、商工団体などで多種多様に行われており、原則、相談窓口もそれぞれで対応しております。
こうした中、県では、これまでも関係機関と協力して、制度の周知とともに相談にも対応してまいりました。
例えば、県の支援金の周知に当たっては、国の持続化給付金の申請サポート会場16カ所や、市町村、商工団体などの支援機関にチラシの配布をお願いいたしました。
また、埼玉労働局や埼玉県社会保険労務士会等の協力を得て、国の雇用調整助成金等に係る緊急相談会を開催し、これまでに18回、378社の相談に応じてまいりました。
これまでの連携の成果を踏まえ、関係する国、市町村、支援機関などと調整し、利用する企業にとって利便性の高い相談体制を検討してまいります。
次に、県制度融資について、据置期間、返済期間のさらなる弾力化についてでございます。
新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、4月から、経営安定資金、経営あんしん資金の融資利率の引下げなどを行うとともに、据置期間を1年から最長3年に、返済期間を7年から最長10年に延長いたしました。
5月からは、新型コロナウイルス感染症対応資金の創設と併せ、経営安定資金と経営あんしん資金の据置期間を3年から最長5年に更に延長したところでございます。
また、4月には既存借入金の返済負担の軽減に向け、緊急借換資金を創設し、返済への柔軟な対応にも努めてきているところです。
さらに、金融機関に対しましては、可能な限り返済負担の緩和や借換えなどの条件変更に柔軟に対応していただくよう、計7回にわたり要請を行っております。
引き続き、県制度融資の更なる充実に努めてまいります。
最後に、経営や販路拡大に悩む経営者に対する支援についてでございます。
観光業については、県内主要観光地においてもこれまで誘客よりも感染防止を優先しており、この状況を踏まえた支援を行っております。
県では、WEB上で旅行気分を味わっていただき、今後の来訪につなげるバーチャル観光のページを設け、県内主要観光地の魅力を継続的に発信してまいりました。
また、WEB上でバーチャル商店街を構築し、各店舗の売上拡大を図っている商店街組合に対する支援も行っております。
今後は「新しい生活様式」に則った経営上の課題解決や販路の開拓にも取り組んでいかなければなりません。
個別の経営上の課題や新たな販路の拡大につきましては、埼玉県産業振興公社に設置された埼玉県よろず支援拠点の幅広い専門家による経営相談により、解決に向けて支援をしてまいります。
引き続き県内中小企業・個人事業主の皆様に寄り添った支援に努めてまいります。
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