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掲載日:2020年7月10日
Q 守屋裕子 議員(共産党)
党県議団は、この間、幾つかの保健所を訪問し懇談いたしました。新型コロナウイルス感染症対策の最前線で全力を挙げてきた全ての保健所職員の皆様に、敬意と感謝を申し上げます。
「3月、4月は夜中でも消防隊、救急隊からの相談が来て、寝られないまま出勤することもあり、みんな倒れるのではないかと心配した」「4回線ある電話が全てふさがっていた」など、保健所は電話対応に追われました。1月から5月の電話相談件数は、1月の686件から、4月はピークで40倍の2万7,972件に跳ね上がりました。当初、厚労省がPCR検査に至るハードルを極めて高く設定し、そのスクリーニング機能を保健所に丸投げしたこと。さらに、指定感染症であるがゆえに対策が保健所に第一義的に任されたことが、この間、縮小に縮小を重ねてきた保健所に業務過剰の困難をもたらしました。知事にお尋ねしますが、保健所をめぐる問題についてどう総括されているのか、答弁を求めます。
感染症対策を担う保健所は、効率化の名の下に、30年間に全国で4割以上減らされました。本県でも24保健所4支所から、政令・中核市を合わせても17カ所へと減らされてきました。今、政府の専門家会議も指摘したように、保健所の職場の業務負担と疲弊感はすさまじい状況です。知事、感染症に十分対応できる保健所体制にすべきです。特に管内人口の著しい隔たり、例えば秩父9万人、本庄13万人に対し、狭山77万人、朝霞73万人など、格差の大きなところに保健所を設置すべきです。御答弁を求めます。
A 大野元裕 知事
議員お話しのように国は当初、保健所によるスクリーニングを経なければ検査を受けられない制度としていたため、県民の皆様からの相談が保健所に集中して寄せられることとなりました。
こうしたことから、県民の皆様や医師からの相談に保健所が対応できない場合が生じ、また、電話がつながりにくいといった状態があったことは、率直に認めなければならないと思っています。
そこで、県では3月4日に、国が示した症例定義に限らず医師が必要と認める場合には検査を実施する方針を、県内の各医療機関に通知をいたしました。
また、民間検査機関との役割分担に関する基準を策定、周知することにより、保健所の負担軽減を図りました。
保健所を介さない検査ルートとして、3月から感染症指定医療機関で検査を実施するとともに、31カ所の発熱外来PCRセンターや帰国者・接触者外来と同様の機能を有する55カ所の医療機関を整備したところです。
相談窓口については、県民の皆様からの電話に24時間対応する窓口を1月に日本で初めて設置し、3月には一元的な窓口として「県民サポートセンター」を開設、5月には回線を増強し、保健所への相談の集中の緩和に取り組んでまいりました。
帰国者・接触者相談センターとしての業務を郡市医師会や看護協会に委託する準備も進めております。
さらに、このたび県内の感染症専門家で組織することとしたチーム「COVMAT」は、感染者の発生当初から現場に派遣し、感染拡大防止の支援を行うものであり、保健所は現場で積極的疫学調査に集中することができるようになります。
引き続き検査ルートや相談窓口の拡充、専門家の方々との連携を通じ、県民の皆様や医師からの相談に応えることができる体制づくりを進めてまいります。
次に、管内人口の格差の大きなところに保健所を設置することについてでございます。
管内人口の違いを基に格差が大きいとのお話でございますが、現在の保健所の設置については管内人口のみならず管内面積の違いも考慮して定めております。
お話しのあった保健所について申し上げれば、例えば秩父保健所の管内面積は狭山保健所の倍以上、朝霞保健所の8倍以上になります。
このような管内面積等を考慮に入れ、管内人口の違いだけを基に、一概に格差があると言うことはできないと考えています。
また、小さな組織が複数あるよりも、むしろ大くくり化することで組織が活性化し、一時的な事務の集中にも柔軟に対応できるというメリットも存在します。
新型コロナウイルス感染症の対応においても、保健所では全所的な応援体制を組むなどスケールメリットを生かした対応を取ってきました。
もとより、この間、保健所職員の業務負担が大きなものとなっていたことは議員御指摘のとおりでございます。
そこで、県庁全体から保健所に応援職員を派遣するとともに、専門性の高い業務に関しては民間の派遣看護師を活用するといった対策を講じてまいりました。
保健所の職員432人に対し、最大66人の応援職員を配置しました。
また、保健師などの専門職の業務軽減を図るためには、ICTツールの活用が鍵になります。
そこで、患者の健康状態のデータを収集するシステム「kintone」を、宿泊療養者の方に加え、濃厚接触者の方の健康観察にも使用できるよう準備をしています。
今後とも感染状況の拡大に応じて全庁的な応援体制を組むとともに、ICTツールの活用などにより、保健所の業務軽減に努めてまいります。
再Q 守屋裕子 議員(共産党)
先ほども知事からも答弁がありましたけれども、この保健所体制問題というのは、埼玉県内でも本当に保健所がどんどんと統廃合されていく、縮小されていくという中で、今回のコロナウイルス対策問題では、本当に世界が大流行の中で、公衆衛生というのがいかに重要かというのがはっきりとしてきたのではないでしょうか。そういう点では、保健所というのが地域住民の健康を支える中核となる施設でありまして、疾病の予防や衛生の向上など地域住民の健康の保持増進に関する大変な業務を行うというところでは、どうしてもこの保健所というのはもっと拡充していかなければならないと思っているんです。
ですから、先ほどの答弁の関係で見ると、何かちょっと前進するような答弁じゃないなという気がしまして、何としてでもやっぱり保健所をもっと拡充させていくということで、改めてこの問題について具体的に決めていただけたらと、再度質問をいたします。
再A 大野元裕 知事
第2波を前に保健所の体制の強化について御質問がありました。
保健所の体制につきましては、御指摘のとおり、公衆衛生、疾病予防、健康の増進等について極めて重要な役割をなす中、今回のコロナ感染症対策において大きな役割を果たし、また負担もありました。
このような中で臨時の応援や、あるいは様々な業務を別に移すことによってこれまで対応を重ねてまいりましたが、この保健所の体制につきましては、今後、しっかりと検証をさせていただき、その後、検討をさせていただきたいと思います。
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