トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成30年9月定例会 > 9月28日(金曜日) > 秋山文和(共) > 平成30年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(秋山文和議員)
ここから本文です。
ページ番号:138760
掲載日:2024年10月8日
Q 秋山文和 議員(共産党)
誰もが安心して子供を産み育てることができる埼玉に向けて、県の医療計画では周産期母子医療センターの整備、運営支援等による周産期医療体制の充実を掲げています。現在、総合周産期母子医療センター2施設、地域周産期母子医療センター9施設、新生児センター3施設、その他2施設です。二次医療圏の中で東部地域では今年4月、獨協医科大学埼玉医療センターが初めて地域周産期母子医療センターとして認定されました。地域完結型の周産期医療を目指すには、人口100万人に1か所の総合周産期母子医療センター、その下で複数の地域周産期母子医療センターの整備が望ましいとされます。東部地域の人口は111万人ですから、まだまだ不十分です。保健医療部長、東部地域の周産期母子医療センター等の整備を抜本的に強化していく必要があると考えますが、今後の計画と見通しについてお答えください。
春日部市立医療センターは、昨年7月、市役所隣に363床の病院として新築、移転しました。大学医学部教授の産婦人科医師を院長に迎え、産婦人科医師は常勤4人、非常勤4人、小児科医師は常勤5人、非常勤7人の体制でNICU3床、GCU10床を整備し、地域周産期母子医療センターの認定を目指しています。今、春日部市はもとより、近隣の市町からハイリスク妊婦を積極的に受け入れて実績を上げています。そして、新都心の県立小児医療センター、日赤の総合周産期医療センターとの相互連携を強めています。
春日部市立医療センターは60年の歴史の中で、過去、産科、小児科の休止があります。今、新生児センターと位置付けられていますが、地域周産期母子医療センターに認定されることになれば、これは若手医師にとって大きな魅力となり、病院選択の動機につながるものです。県の医療計画にある周産期医療に携わる医療人材の確保、育成の意味でも、また東部地域に不足する周産期母子医療センター整備の前進にも大いに寄与することになります。春日部市立医療センターが早期に認定が受けられるよう、格別の指導と援助を要請したいと思いますが、保健医療部長、今後の見通しとお考えを御答弁いただきたいと思います。
A 本多麻夫 保健医療部長
まず、東部地域の周産期母子医療センターの整備の計画と見通しについてでございます。
国の「周産期医療の体制構築に係る指針」では、総合周産期母子医療センターは原則として、三次医療圏に1か所、すなわち本県の場合には県内1か所整備するものとされております。
本県では平成8年に埼玉医科大学総合医療センターを総合周産期母子医療センターとして指定し、長年その役割を担っていただいております。
一方、平成20年頃から1,000グラム未満の超低出生体重児などの高度な医療を要する症例の都内への搬送が増え、平成29年1月にはさいたま新都心に県内2か所目となる総合周産期母子医療センターを確保したところです。
総合周産期母子医療センターを県内に複数設けたことにより、県のコーディネーターを介したハイリスク妊婦や新生児の都内への搬送件数は、平成27年度は80件であったものが平成29年度には4件と大幅に減少しております。
地域周産期母子医療センターにつきましては国の指針により「総合周産期母子医療センターなどとの連携のもと、1つまたは複数の二次医療圏に1か所、または必要に応じそれ以上整備することが望ましい」とされております。
東部地域につきましては、これまで圏域内に地域周産期母子医療センターがありませんでしたが、議員お話しのとおりこの4月に獨協医科大学埼玉医療センターを新たに認定することができました。
獨協医科大学埼玉医療センターには現在、常勤の産婦人科医が14名、常勤の小児科医が15名、常勤の新生児科の医師につきましては1名在籍しております。
圏域内に地域周産期母子医療センターをさらに設置できれば、東部地域の周産期医療の底上げにつながると考えますが、東部地域には現在こうした規模の医療機関が現段階ではまだないため、圏域内の複数設置については今後の検討課題と考えているところでございます。
次に、春日部市立医療センターが早期に地域周産期母子医療センターに認定される見通しと考えについてでございます。
地域周産期母子医療センターには通常の産科、小児科の入院診療に加えまして、24時間体制の周産期救急医療も含め、周産期に係る高度な医療機能を安定的、持続的に地域において担っていただく必要がございます。
このほか、地域における予期しない母体の緊急搬送の受入れや、総合周産期母子医療センターや地域の分娩施設との密な連携などが求められます。
このため、県内の総合周産期母子医療センターや他の地域周産期母子医療センターの産科、新生児科の専門医などとの信頼関係が非常に重要となります。
候補となる医療機関から認定について申請があった場合には、新生児の呼吸管理など必要となる高度な医療設備を有しているか、産科、新生児科の専門医などの専門医療スタッフが十分に確保されているか、安定的、持続的に高度な医療を提供できるかなどについて審査を行います。
その上で、連携先となる総合周産期母子医療センターの専門医などで構成される地域医療対策協議会周産期医療部会の御意見を踏まえ、認定の可否について判断していくこととなります。
春日部市立医療センターから地域周産期母子医療センターについて認定の申請があった場合には、こうした手続きを進める中で判断してまいります。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください