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掲載日:2023年12月1日

平成29年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(権守幸男議員)

大規模火災の消防力強化について

Q   権守幸男議員(公明)

昨年12月22日、新潟県糸魚川市のJR糸魚川駅北側の密集市街地で大規模火災が発生しております。火災原因は、ラーメン店での大型コンロの消し忘れによるものです。最大瞬間風速27.2メートルを記録した強風にあおられ、舞って飛ぶ火の粉が屋根から屋根へと燃え移り、黒煙を上げながら炎が瞬く間にまちを飲み込む生々しい現場の状況は、テレビでリアルタイムに伝えられ、焼き払われてしまう、その惨状は画面を通じてさえも恐怖を覚えるほどでした。
消火に当たった糸魚川市消防本部では、消火から2時間を過ぎる頃には消火用水が不足し始め、防火水槽にミキサー車から水を補給しながら消火に当たりました。こうした懸命な消火活動にも関わらず、火は丸1日以上燃え続け、鎮火に至るまでには約30時間を要しました。焼失棟数は全焼120棟を含め147棟、焼失面積は約4万平方メートルです。実に東京ドーム1個分に匹敵します。
今回のような町中の密集地域で起こる大規模火災は、地震などの自然災害によるもの以外では、41年前の1976年に山形県酒田市で発生した酒田大火以来と言われています。糸魚川市で起きたこの大規模火災は、もちろん本県においても発生する可能性があり、また延焼が継続した場合には消火用水が不足することも想定しておく必要があります。糸魚川大火の教訓を踏まえ、本県としても大規模火災に対する備えを強化する必要があると考えます。糸魚川大火で教訓とすべきは何か、そしてその教訓に本県としてどのように取り組むお考えか、危機管理防災部長の見解をお聞きします。

A   槍田義之   危機管理防災部長

まず、糸魚川大火での教訓についてです。
国が策定した糸魚川市大規模火災に関する検討会報告書によると、木造建築物が多い地区では延焼拡大防止、避難誘導などを効率的に行うための火災防ぎょ計画の策定が重要とされています。
また、報告書では消防本部相互の応援体制の整備や消防水利の確保が課題とされており、これらが糸魚川大火から得た主な教訓といえます。
次に、これらの教訓に対する本県の取組についてでございます。
まず、火災防ぎょ計画ですが、県では、この計画が全ての消防本部で策定されるよう、本年8月に説明会を開催しました。
現在、各消防本部において火災の危険性が高い地域の確認や指定を進めているところです。
県といたしましては、今後、個別相談を行うなど、地域の実情に応じた計画の策定が進むよう支援してまいります。
次に、消防本部相互の応援体制についてですが、県内では全ての消防本部が参加する「埼玉県下消防相互応援協定」が既に締結されています。
本年2月の三芳町大規模倉庫火災では、地元の入間東部消防本部からの応援要請を待たずに、無線を傍受した埼玉西部消防局が迅速に応援出動しており、この協定が生かされました。
また、消防水利の確保については、本年8月、鶴ヶ島市で開催しました九都県市合同防災訓練において、糸魚川大火で活躍したコンクリートミキサー車による水利確保の訓練を実施し、その有効性を確認しました。
これを受け、坂戸・鶴ヶ島消防組合では大規模災害時におけるミキサー車の活用について、年内にも地元企業と協定を結ぶ予定と伺っております。
県では、こうした取組を全県に展開するため、ミキサー車を活用した水利確保の協定を県内各消防本部が締結できるよう、埼玉中央生コン協同組合と調整しているところです。
さらに、県南部の市街地を流れる河川に約100か所「川の消火基地」を設置するなど、重層的な消防水利の確保に努めています。
今後とも、糸魚川のような火災が本県でも起こり得るとの認識のもと、大規模火災への備えを進めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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