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掲載日:2023年12月1日

平成29年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(権守幸男議員)

不育症について

Q   権守幸男議員(公明)

不育症とは、2回以上の流産を繰り返すことです。厚労省の調査では年間3万人が発症、妊娠した女性の16人に1人が不育症であると言われています。妊娠した喜びから一転して、それを失う悲しみ、絶望が繰り返される。これは当事者本人でなければ分からない、とてもつらいことです。
私は、平成24年2月定例会で不育症について質問しましたが、それ以降も厚労省における不育症の研究が進み、治療法が確立してきています。約40年前に不育症専門外来を慶応義塾大学産婦人科に開設した牧野恒久先生によれば、年間約30万件と言われる自然流産のうち、治療の対象となる患者に有効な治療を施せば、年間5万3,000人の小さな命が救えるとのことです。この数は、体外受精で生まれる子供の数より多いのです。
しかしながら、不育症の治療から出産にかかる費用は60万円から180万円くらいと言われており、大変に高額です。
そこで、私は不育症対策に先進的に取り組む静岡県へ調査に行ってまいりました。静岡県は、産みたい期待に応えていきたいと、今年度より43歳未満で合計所得が730万円未満の世帯を対象に、不育症治療費の助成を始めました。静岡県のほか、既に全国10の道府県でも不育症治療費の助成を行っています。本県においても、生まれてきた子供と同様に、お腹の中で必死に頑張る尊い命を守ることに目を向けるべきです。不育症患者を支援することは、本県が銘打ち取り組んでいるウェルカムベビープロジェクトの趣旨と全く合致するものであります。本県も、不育症治療に対して助成制度を始めるべきと考えますが、知事の見解をお聞きします。
また、静岡県の事例を参考にしますと、以下のようなきめ細やかな具体策も行うべきと考えます。
1点目、不育症に悩む方、治療中の方が気軽に相談し合うセミナーカフェの開催。
2点目、不育症に対応できる医師と保健師の育成をどう行うのか。
3点目、ホームページはもとより、不育症に関する小冊子発行などの啓発策。
こうした点についても、本県はできる限り取り組むべきと考えます。保健医療部長の見解をお聞きします。

A  上田清司   知事

議員お話しのとおり、不育症については国の研究が進みリスク因子が特定できるものは治療方針がある程度整理されてきました。
リスク因子によっては、研究により有効性、安全性などが確認され、医療保険が適用になった治療もございます。
一方で、検査をしても異常はなく偶発的に流産の重なったケースが多いのも事実でございます。
不育症であることを誰にも相談できず1人で悩んでおられる方も多いと聞いております。
流産や死産を繰り返す場合は、まずは医療機関で検査を受け原因を知ることがとても大切だと思います。
このため、不育症においても原因を特定し治療につなげられるよう、まずは検査を受けていただくために、埼玉県としては検査費用を助成できる仕組みを実現します。
治療費の助成については原因が特定され治療効果の高いものは保険適用となっております。
いまだ不育症の6割以上は原因が特定できていないことから、県では引き続き国に対し早期に原因を究明し有効な治療方法を確立するように要望してまいります。

A   本多麻夫   保健医療部長

まず、不育症に悩む方、治療中の方が気軽に相談しあう「セミナーカフェ」の開催についてでございます。
セミナーカフェは、50名程度の少人数で、落ち着ける空間でお茶を飲みながら気軽に講義を受けたり、同じ悩みを持つ患者同士で交流したりする場です。
過日不妊症についてセミナーカフェを開催したところ、「治療の流れを知ることができました」「一人で悩んでいたので参加できて良かった」などの声があり、参加者の不安感や孤立感の解消につながると考えられました。
不育症に悩む方につきましても、セミナーカフェを開催することで同様の効果が期待できるのではないかと思います。
実施に向け、講義内容や当事者同士の交流の在り方など、具体的な手法を検討してまいります。
次に、不育症に対応できる医師と保健師の育成をどう行うかについてでございます。
不育症の場合、妊娠前もしくは妊娠中に十分なカウンセリングを行うことにより、赤ちゃんを授かる率が改善される可能性があることが、国の研究班によって報告されております。
この研究の中で、不育症の相談対応マニュアルも作成されています。
こうしたマニュアルを活用し、不育症の相談の質を高めるため、保健師等に対する研修の実施やその方法について検討してまいります。
また、不育症の検査につきましては、現在、既に不妊治療を行う産婦人科等で対応しておりますが、個々のリスク因子についてより専門的な治療を確保するため、どのような方法が可能なのか、専門家や県医師会の御意見もお聞きしながら研究してまいります。
次に、県ホームページはもとより不育症に関する小冊子発行などの啓発策についてでございます。
県では、実効性のある少子化対策としてウェルカムベイビープロジェクトを立ち上げ、不妊症に関する知識を分かりやすくまとめた冊子を作成し、不育症についても、相談窓口について掲載しております。
議員御指摘のとおり、不育症はまだ一般的に知られていないため、流産、死産を繰り返す方に対し、検査方法や治療効果などの知識について周知、啓発を行い、早期に受診していただくことが重要と考えられます。
県ホームページについては現在の不育症のページを精査いたしまして相談窓口を御案内するなど早急に改善いたします。
また、小冊子などを活用した啓発策につきましては、保健所等の相談窓口や医療機関など、必要な方に確実に情報が提供できるよう、効果的な知識の普及啓発について検討してまいります。
今後、子供を望む人が希望をかなえられるよう、不育症の支援について取り組んでまいります。 

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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