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掲載日:2023年12月1日
Q 美田宗亮議員(自民)
埼玉県の救急搬送人員は、ここ数年一貫して増えており、平成28年の速報値では29万7,366人と過去最多を記録いたしました。私の地元の三郷市を含む東部地域、正確には東部南救急医療圏といいますが、この地域は6市1町で構成され、人口約115万人を抱えております。この東部地域でも平成28年の速報値では過去最多の4万4,000件を超えました。高齢者の増加などを背景として、救急搬送人員は今後もますます増えるものと見込まれております。
こうした中、11月15日には独協医科大学さいたま医療センターの新棟が竣工しました。名称も従来の独協医科大学越谷病院から独協医科大学さいたま医療センターに変え、病床は200床増えて923床となり、最新鋭の治療設備を整えた県内有数の病院として大きな期待を集めております。
しかし、東部地域の人口規模や救急搬送件数を考慮すれば、このセンターだけでは東部地域の救急医療の全てを担うことは困難です。できる限り地域の病院で患者を受け入れる体制を整備すべきですが、実際の地理的な条件なども考えると、隣県との提携も必要不可欠だと思います。県としては、隣県も含めた地域の医療機関の連携を促進して、救急医療体制を強化していくべきではないでしょうか。
そこで、お伺いいたします。東部地域の救急医療の現状について、他の地域と比較して搬送時間や受入照会回数などの実態はどのようになっているのでしょうか。また、東部地域は他の地域と比較して、どのような課題を抱えていると捉えているのでしょうか。
さらには、東部地域の実態や課題を踏まえた効果的な対策が求められると思いますが、これまでの県の取組と今後の対策について、保健医療部長にお伺いをいたします。
A 本多麻夫 保健医療部長
まず、東部南救急医療圏の6市1町で構成する東部地域の搬送時間や受入照会回数の実態についてでございます。
救急患者の搬送時間については、平成28年の県平均が43.6分のところ、東部地域は全般的に長い傾向にございます。
例えば、越谷市消防本部は49.1分で県内で最も長く、草加八潮消防局が47.3分、三郷市消防本部が45.4分などとなっております。
また、救急隊から医療機関への重症患者の受入照会が4回以上となってしまった割合も、県平均が4.1%のところ、東部地域は9.8%と5.7ポイント悪くなっております。
次に、東部地域の課題をどう捉えているかについてでございます。
救急医療情報システムのデータを分析いたしますと、東部地域においては、吐血や下血を伴い専門的な治療を必要とする消化管出血の受入れが困難になっていることが分かりました。
救急病院の患者の受入れやすさを測る応需率は、県平均が59%のところ、東部地域では43.3%と約16ポイント低くなっております。
また、精神疾患と身体疾患を併せ持った合併症患者の応需率も、県平均が61.9%のところ、東部地域では47.9%と14ポイント低いことが分かりました。
さらに、東部地域から隣接する東京都へ約2,200人、千葉県へ約1,500人が救急搬送されております。
こうしたことから、東部地域におきましては、消化管出血の患者やまた精神身体合併症患者の受入体制の整備、他県への迅速な救急搬送が課題であると捉えております。
次に、東部地域の実態や課題を踏まえたこれまでの県の取組と今後の対策についてでございます。
県では、本年4月から東部地域において、消化管出血に対応した7つの専門病院による輪番体制を実施しております。
本年8月からは、2つの救急病院と1つの精神科病院が連携し、精神疾患を合併している救急患者の受入れや転院を円滑化する取組を始めております。
救急隊からは「いざという時に受入体制が確保されているため、安心して活動できる。今後も充実を期待する」といった声をいただいております。
また、東部地域から搬送が多い、千葉県の4つの医療機関に本県の救急医療情報システムに受入情報を入力していただき、救急隊がシステム上で選択可能な医療機関を増やすことにより、搬送の迅速化を図っております。
今後の対策として、消化管出血の輪番体制や精神身体合併症患者の受入体制の効果検証を行い、受入れが更に円滑となるよう努めてまいります。
また、千葉県のほか東京都の医療機関も含め、本県の救急医療情報システムにより多く参加していただき、連携を強化してまいります。
議員御指摘のとおり、地域の医療機関と専門医の確保・育成の核となる大学病院との連携が不可欠ですので、獨協医科大学埼玉医療センターの御協力もいただきながら、地域の救急医療水準を更に高められないか検討してまいります。
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