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掲載日:2023年12月1日
Q 岡地 優議員(自民)
高齢化の進展に伴い、患者数の増加が確実視されている病気の一つに帯状疱疹があります。体の片側に痛みが続き、その後痛みを感じた場所に赤い発疹ができ、小さな水ぶくれとなって帯状に広がるのが典型的な症状だそうです。患者によって痛みの程度は異なりますが、中には風が吹いても痛い、服が触れても痛いなど、わずかな刺激でも強い痛みを感じるケースもあると聞いております。
この帯状疱疹は、水ぼうそうと同じウイルスが原因で起こる病気です。水ぼうそうは多くの方が子供の頃にかかり、発症後1週間程度で治ります。しかし、ウイルスが消滅したわけではなく、体の神経の細胞が集まった部分である神経節に潜んで休眠状態になり、加齢やストレス、疲労などで免疫力が低下したときに休眠状態であったウイルスが活動を再開し、神経節から出て皮膚に帯状の水ぶくれを作る症状から帯状疱疹と呼ばれるそうです。
帯状疱疹の問題点は、皮膚症状がなくなっても痛みだけが残り、数か月から数年にわたり激痛に悩まされる場合が少なくないことです。また、激痛だけでなく顔がゆがむような顔面神経麻痺や、髄膜炎など入院が必要となる場合もあるそうです。成人の90%以上がこの帯状疱疹の原因ウイルスに感染しており、誰が発症してもおかしくない状況であります。ある調査によると帯状疱疹の発症は50歳以上に多く、7割以上を占めており、また、80歳までに3人に1人が帯状疱疹を経験すると推定されています。私の父も帯状疱疹にかかり、非常に強い痛みにより、生活を送るのに大変苦労しているのを間近で見てきました。
加齢に伴う免疫力の低下は避けられず、今後の高齢化を考えると何らかの対策が必要です。幸いなことに昨年の3月、以前から製造されていた水痘ワクチンに50歳以上を対象として帯状疱疹に対する効能が追加、承認されました。このワクチンと同等のものが海外でも使用されており、帯状疱疹の発症率を半分に減らしたというデータもございます。
しかし、任意接種のため1万円前後の費用が必要となり、これが接種への大きなハードルの一つになっております。これが定期接種の対象となれば、費用の一部に対して地方交付税措置が図られ、高齢者のインフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンなどと同じように個人の経済的負担が軽減されます。
また、市町村の広報等によりワクチン接種に対する認知度が高まることも期待できます。多くの高齢者がワクチン接種をすることにより帯状疱疹の発症率を低減することができ、日常生活に支障を及ぼす激しい痛みに苦しむ方を減らすことができます。
そこで、現時点で任意接種となっている帯状疱疹のワクチン接種を定期接種として位置付けるべきと考えますが、保健医療部長の御見解をお伺いいたします。
A 本多麻夫 保健医療部長
お話のとおり、高齢化が進む中、加齢などによって発症のリスクが高まり、長期にわたる激痛をもたらす帯状疱疹を予防することは意義があることであると考えています。
海外においては日本のワクチンとほぼ同等の帯状疱疹ワクチンが認可・使用されており、アメリカ、カナダ、オーストラリアでは60歳以上の方への接種の推奨、さらには費用補助も実施されていると聞いております。
我が国におきましては、水ぼうそうワクチンに、50歳以上を対象に帯状疱疹の効能が追加されたことを受け、国の専門家委員会におきまして昨年6月から帯状疱疹ワクチンの定期接種化について議論が始まった状況です。
ワクチン接種で防ぐことが可能な病気につきましては、病気を防ぎ全体の健康レベルを高める観点から有効なワクチンの活用を考慮していくべきだと考えております。
一方、定期接種導入後に副反応が社会的に問題となってしまったワクチンもあり、注意は必要です。
対象年齢や安全性、費用対効果などについて客観的な議論は必要ですが、基本的には定期接種化に向けた検討が進むことが望まれます。
県といたしましては、ワクチンに関する議論を早急に進め、速やかに定期接種化に対する結論を出すよう、国に対して要望してまいります。
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