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掲載日:2023年12月6日
Q 前原かづえ議員(共産党)
国民健康保険は、来年4月1日より市町村と県の共同運営に移行します。県は、先月末までに4回の国保税や市町村納付金の試算を公表してきました。第2回目試算では、税は県平均で1.4倍か、自治体によっては2倍にもなることに衝撃が走りました。
その後、公費を反映する4回目試算、秋の試算では、被保険者1人当たりの保険税必要額は、2016年度と比べて2018年度は4.6%の減となりました。来年1月に行う納付金の算定では、更に全国ベース100億円の追加公費で、被保険者1人当たりの保険税必要額は更に引き下げられるものと思われます。
6月定例会で保健医療部長は、制度の改正に伴う被保険者の負担増は可能な限り避けることが望ましいと答えられました。国も10月2日付け国保実務において、保険税に激変を生じさせない配慮を求めるとしました。国費全国ベース1,600億円を反映させるのですから、この制度改変の際の国保税引上げはすべきではないと市町村に周知徹底すべきと考えますが、保健医療部長、御答弁ください。
現在の国保税について、所得割と均等割の2方式をとっているのが22市町、所得、資産、均等、平等の4方式が41市町村です。埼玉県国民健康保険運営方針では、2方式を標準としています。
均等割は、人数割で課税されるのですから、特に多子世帯の負担が重くなります。少子化に歯止めをかけるためにも、子育て支援は待ったなし、税負担能力のない子供に課税すべきではありません。県が市町村と協力して、子供の均等割廃止に踏み出すべきです。既にふじみ野市など2市が始めています。知事の答弁を求めます。
国保税の滞納処分についてお尋ねします。
国税徴収法関連法令では、滞納処分の執行等をすることによって、その生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき、執行を停止することができるとしています。今年3月の参議院予算委員会で塩崎厚労相は、「滞納処分の停止の制度が適切に活用されることは重要、低所得者の方に配慮したきめ細かな対応をしなければならない、市町村に対してもそれを徹底していきたい」と表明しました。同施行令では、差押え禁止の基礎となる金額は、世帯当たり月10万円、2人目から1人当たり4万5,000円を加算した額とされています。
保健医療部長、制度発足を前にして、改めて差押え禁止のこの金額を63市町村に徹底していただきたい、お答えください。
A 上田清司 知事
来年度から国民健康保険は市町村と県の共同運営になりますが、保険税の賦課・徴収は引き続き市町村が行います。
保険税の賦課方式は、地方税法により、市町村が条例で被保険者の世帯の所得のほか、固定資産、家族の人数などを参考にして考慮して決めることになっております。
これは、国保制度が発足した当時の被保険者には農家や自営業者が多く、被保険者の所得を正確に把握することが難しかったということで取り入れられたものであります。
家族の人数に着目した算定方法である均等割は、現在、県内全ての市町村で採用されており、被保険者であれば子供に対しても課税されております。
一方、会社員が加入する健康保険組合などの被用者保険は、収入に応じて保険料が決まり、扶養している子供の数に応じて保険料を負担するという考え方はございません。
このため、子供が多い世帯の場合、国民健康保険の世帯は被用者保険の世帯に比べ、保険税の負担が重くなる傾向にございます。
保険制度の公平性や子育ての支援の観点から、収入のない子供にまで保険税を課税するのはいかがなものか、という意見が時代の変化とともに出てきていることも確かでございます。
議員お話しのふじみ野市では、こうした意見を踏まえ12月定例市議会に、第3子以降の減免規定を盛り込んだ国民健康保険税条例の改正案を提出したと聞いております。
子供の均等割について減免制度を導入することは、現行制度の下では、その負担を逆に他の被保険者あるいは市民全体で負わなければならないというそういう財源の問題も生じます。また、税の減免については、地方税法において、災害その他特別の事情がある場合に、個々の状況に応じて判断するものとされております。
さらに、税は公平であることが求められますので、軽減することについては公平性という観点から、ある意味では広く議論を行い被保険者の理解を得る必要があるのではないかと思います。
こうしたことから、国保税負担の軽減によって子育て世帯を支援することを県が率先して市町村に働き掛けることは、慎重に検討せざるを得ません。
そもそも、議員御提案の子供に課税しないということは、現行制度の中で、個別の市町村が財源の問題を抱えながら導入するのではなくて、医療保険全体の在り方を検討する中で、ある意味ではこうした社会保障全体、まさに税と社会保障の一体改革、それが国で議論されるものだというふうに考えております。
現在では県としても、保険制度の公平性と子育て支援の観点から、子供に対する保険税の軽減措置については、全国知事会とも連携しながら国に対応を要望してまいります。
A 本多麻夫 保健医療部長
まず、税の引上げはすべきでないことの周知徹底についてでございます。
保険税の税率等は、県が提示する標準保険税率を参考にして、地域の実情を踏まえ、市町村が引き続き決定することとなります。
県といたしましては、新制度への円滑な移行の観点から、被保険者の急激な負担増は可能な限り避けることが望ましいと考えております。
このため、県では、追加公費を活用した激変緩和措置により、納付金の上昇抑制を図ることとしました。
11月の試算によると、大半の市町村において今回の制度改正の影響による保険税の上昇はないとの結果が出ております。
県といたしましては、保険税の在り方については、市町村が地域の実情や被保険者への影響を十分に考慮した上で、こうした試算結果を参考にしながら、御検討をいただくべきものと考えております。
次に、差押禁止金額の徹底についてでございます。
資産のある市町村国保の加入者が保険税を滞納した場合、地方税法では、滞納者の財産を差し押さえなければならないとされています。
しかし、滞納者の最低生活の保障などの観点から、法律上、差し押さえることが禁止される財産があります。
1か月あたり、滞納者本人につき10万円、親族がいる場合には親族1人につき4万5,000円を加算した額が、給料等の差押え禁止の基礎となる金額となっています。
県としては、滞納処分の制度の適切な運用を図るため、7月に差押えに関する研修を実施し、差押え禁止額の計算方法等についても、具体的な事例を交え、改めて説明いたしました。
引き続き、市町村に対して、研修等を通じて、納税相談の機会を十分に確保し、個々の状況に応じた適切な対応が行われるよう周知してまいります。
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