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掲載日:2023年12月1日

平成29年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(前原かづえ議員)

ホンダは地元への社会的責任を果たせ、狭山撤退ではなく、発展的活用を

Q   前原かづえ議員(共産党

ホンダ狭山工場の閉鎖が10月4日、公表されました。敷地面積38ヘクタール、従業員4,600人のホンダの閉鎖は、その家族だけでなく、地元狭山市周辺に甚大な影響を及ぼします。ホンダは、現在の従業員の雇用は確保すると発表していますが、従業員の間では、寄居には絶対に4,600人もの受入れは不可能だ、自動車の免許を持っていない者はどうすればいいんだ、期間工はどうなるんだと、不安が広がっています。しかし、ホンダは発表以来、何の方針も従業員には示していません。
また、狭山工場の周辺には広大な駐車場、モータープールがあります。この土地を貸している周辺農家にも深刻な影響が予想されます。駅前のホテル利用者の9割はホンダ関係者です。日を追うごとに、地元の懸念は広がるばかりです。
県は、ホンダ狭山工場閉鎖の影響をどのように把握していますか。狭山市とともに早急に調査し、影響額なども試算すべきです。産業労働部長の答弁を求めます。
自動車産業全体は岐路に立っているとはいえ、ホンダは中国市場で好調です。今年6月の日刊工業新聞によると、ホンダが世界最大の自動車市場の中国で快走を続けているとあり、ホンダの八郷社長は、「ここに来て自分たちの思い描いた成長を遂げられるようになってきた」と、中国事業の成長に目を細めたとのことです。ホンダのいわゆる内部留保額は、2017年、国内第3位、6兆7,129億円に積み上がっています。
知事は、定例会見で、「基本的にはホンダという企業の判断、残念は残念であります。何かあったらいつでも御相談くださいと、申入れだけはしています。」と述べていました。狭山市の担当部長にお会いしてきましたが、まず、長年の貢献に感謝の気持ちをホンダに表明したいとのことでした。知事も狭山市も物分かりがよすぎます。
ホンダは、2006年の寄居工場建設発表時に、寄居工場稼働後に狭山工場もリノベーションし、最新鋭の生産拠点へと進化させていくと述べました。これを受けて、県もバイパス建設など、寄居工場に特段の支援を行ってきたはずです。
知事は、同じ会見で、「1年後、2年後にまた新しい動きがあったとき、既にラインなどがある狭山工場などがまた活用される、そうあってほしい」と述べています。しかし、企業の社会的責任を果たすよう、知事、ホンダに出向き、はっきりと物を言ってほしいのです。狭山市周辺に深刻な影響が及ぶこと、雇用を絶対守るために、ホンダは狭山撤退ではなく、発展的に活用すべきと強く求めていただきたいのですが、知事の見解をお示しください。

A 上田清司   知事

本田技研工業株式会社は1952年に現在の和光市内で白子工場を操業したのを皮切りに、1964年に狭山工場を、2009年に小川工場を、そして2013年に寄居工場を順次操業してまいりました。
完成車工場は国内に4拠点あり、狭山・寄居の2拠点で、これまで累計2,000万台以上の完成車を生産しております。
このようにホンダには、白子工場の操業から現在まで65年の長きにわたり、本県経済の大きな成長エンジンの一つとして貢献していただいております。
今回ホンダが発表した計画は狭山工場の生産機能を2021年度を目途に寄居工場に集約するとともに、電気自動車に係るマザー工場機能を新設することが主な内容だと言われております。
また、狭山工場の従業員についても、八郷隆弘代表取締役社長が「寄居工場に集約しても雇用は維持する。」と明言されておられます。
私は、ホンダがより一層世界に通用するレベルの高い自動車を生産することによって、今後も狭山工場を活用せざるを得ない状況になることを強く期待しております。
本県としてはホンダが、今般の計画を具体的にどのように実施されるか詳細に把握した上で、地元狭山市や商工団体とともに具体的に対応していかなければならないと考えております。
少しお時間がかかるのではないかと思っておりますので、御理解を賜りたいと思います。

A 渡辺   充   産業労働部長

狭山市の製造品出荷額は、約9,343億円と県内第2位の額であります。このうち輸送機械の割合は約6割となっております。
そして、この輸送機械の大宗を占めるのがホンダ狭山工場や関連企業によるものです。
狭山市はもとより本県経済にとって大きな影響を及ぼしていることは間違いのないことであります。
この度の本田技研工業株式会社の発表以来、県としても情報の把握に努めてまいりましたが、現在のところ具体的内容については明らかにされておりません。
一方で、地域経済に与える影響を把握するため、まずは狭山市とともに市内に立地するホンダ関連企業約20社を合同で訪問することとし、11月末から開始いたしました。
県としては、引き続き情報収集に努め、本県経済への影響を把握するとともに、県として取り組むべき課題にしっかりと対応してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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