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掲載日:2023年12月1日
Q 杉島理一郎議員(自民)
来年度から国保制度に保険者努力支援制度が導入されます。これは、医療費削減に向けた取組に対してインセンティブを与えるため、国が市町村と都道府県をそれぞれランキング付けし、交付金を傾斜配分する仕組みであります。そこで、市町村のやる気が出る制度設計に向けて、3点質問させていただきます。
1点目は、前倒しで始まった平成28年度分の同制度による国のランキングが出たと聞きましたが、市町村への1人当たりの交付金額は幾らとなるか、1位と63位ではどれぐらいの差があるか伺います。その上で、来年度からの同制度の本格運用に際して、国と県、両方からインセンティブを付与された結果、市町村の1人当たりの交付額はどれぐらいになると試算されているのか、これによって市町村の保険料にはどのような影響があるのか、お伺いいたします。
2点目は、来年度、国から本県に配分された同制度の交付金についても市町村へ再配分するとのことですが、ランキングの固定化にならないような県独自の評価指標についてはどう計画されているのか、お伺いします。また、このランキングや交付額は、市町村にはいつ頃示すことができるのか、市町村の予算編成に影響はないか、お伺いします。
さらに、県からの交付金については、いつ頃、どのように市町村に交付されるのか、国と県ではその交付方法に違いはあるか、お伺いいたします。
3点目は、市町村のランキングを付ける際に活用することになる医療、介護等の給付情報が詰まった国保データベースシステムの導入について本年度予算に計上されておりますが、来年度当初からの運用が可能かどうか、何か課題や問題点がないか、お伺いします。
A 本多麻夫 保健医療部長
御質問の1点目、平成28年度保険者努力支援制度前倒し分の国による交付額についてです。
国から市町村への交付については、平成28年度に国予算150億円の規模で前倒し実施されました。
県内市町村への交付総額は約9億3,000万円で、被保険者1人当たりの平均交付額は466円、1位の市町村が636円、63位が273円で差額は363円でした。
次に、来年度の1人当たりの交付額の試算についてでございます。
平成30年度の国から市町村への交付額は約500億円程度とされています。
仮に試算しますと、国の予算は平成28年度の3.3倍ですので、県への交付総額は9億3,000万円の3.3倍で、30億円程度と見込んでおります。
1人当たりの交付額は、同様に平成28年度実績の3.3倍で試算いたしますと、県平均が1,500円程度、1位の市町村が約2,100円、63位が1,000円弱で、その差額は1,100円程度と考えられます。
県から市町村への交付額につきましても、約500億円程度ですので、試算といたしましては、国から市町村への交付額と同様と考えております。
御質問の2点目、県から市町村に再配分する際の評価指標についてです。
県の指標は、国の指標より基準を幅広くしたり、コバトン健康マイレージのような病気の予防につながる取組を評価するなど、県の独自性を組み込んだ指標といたしました。
ランキングの固定化にならない工夫として、特定健診受診率などについて単年度実績のほか、前年度からの伸びや複数年度実績など多面的に評価いたします。
ランキングや交付額は平成30年度国保納付金の確定とともに、2月頃までに市町村ごとに示すことになりますが、市町村の予算編成に影響が生じることがないよう、11月の納付金試算の段階でも概算数値をお示しいたしました。
市町村への交付方法ですが、県の再配分については、市町村ごとの納付額から差し引くこととし、一方国の交付金につきましては、平成30年4月以降に市町村の特別会計へ支払うこととなります。
最後に、御質問の3点目、国保データベースについてです。
国保データベースシステムいわゆるKDBとは、「特定健診・特定保健指導」「医療」「介護」の各種データを活用して、統計情報などを作成することができるシステムです。
現在、来年度当初からの運用が可能となるよう、機材等の導入の準備を進めております。
課題といたしましては、KDBシステムから得られた統計情報をどのように分析し、県の施策にどうつなげていくのか、どのようにわかりやすく市町村に還元していくのかということがあげられます。
このため、来年度から、KDBシステムを活用したデータ分析・活用に関する検討等を行い、医療費適正化に向けた施策の展開につなげていきたいと考えております。
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