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掲載日:2024年7月3日

平成29年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(石川忠義議員)

栗橋関所の歴史的重要性を再認識し、県の事業を進めるべき

Q   石川忠義議員(県民

参勤交代の際に40近くに上る大名家が通り、さらに221年間毎年続いた朝廷から東照宮への日光例幣使の派遣の際の復路にも使われた、栗橋宿に隣接する由緒ある房川渡中田関所(栗橋関所)について、県の考えを伺います。
栗橋関所は、今から約400年前の1624年、既に1616年に久喜市栗橋に設けられていた定船場に指定されていた房川渡しに、関東郡代伊奈氏により、政治的、軍事的な必要性から設けられました。江戸時代には、栗橋関所を含め五十数か所の関所が関東地方を中心に設けられ、県内には新郷川俣関所や栃本関所など、ほかにも当時重要な関所はありますが、栗橋関所は、箱根、碓井に並ぶ幕府直轄の重要な関所だったと言われています。
その後、栗橋関所は1869年、明治2年に廃止されましたが、1924年、大正13年に利根川橋の開通を記念して、近隣の人々によって栗橋関所跡碑が建てられ、今は栗橋関跡として県の旧跡に指定をされています。また、栗橋関所に関わる日々の出来事が関所番士の一家である島田家や足立家に伝わっていて、足立家文書の94点は、「栗橋関所日記及び関係資料」として、現在は県の有形文化財に指定をされています。埼玉県の歴史にも重要な意味があるこの栗橋関所を、埼玉県としても歴史的重要性を再認識し、県の事業を進めるべきですが、それぞれ考えを伺います。
まず、栗橋関所の歴史的価値と重要性についての教育長の所見を伺います。
さらに、これを踏まえて、県は関係機関と協力して栗橋関所の歴史や重要性を広め、現在、久喜市の区画整理事業と国による堤防強化対策事業により検討されている防災拠点機能を持つ公園に、栗橋関所の歴史的重要性を伝える有形物等の設置検討を依頼すべきですが、教育長の考えを伺います。
また、現在は、栗橋関所に関しては有形物として観光スポットになる目玉はありませんが、関係機関と協力して、将来的には観光スポットとなり、埼玉県東北部の玄関口として観光コースのスタート地点に活用が図られるよう関係者へ支援、協力をすべきですが、産業労働部長の考えを伺います。

A   小松弥生   教育長

まず、栗橋関所の歴史的価値と重要性についてです。
議員お話しのとおり、栗橋関所は防衛上の要地に置かれた施設でした。
また、栗橋関所の番士を務めた足立家が残した「栗橋関所日記及び関係資料」は関所の様子を詳しく知ることができる貴重な資料です。
この資料には、関所の様子に加え、近隣の人々の暮らしぶり、宝永年間の富士山の噴火や安政の大地震などの災害、開国によるロシア人の通行などの社会情勢などが詳細に記されております。
このように、栗橋関所は旧跡としての価値だけでなく、関連する資料と一体的に評価することで、物語性をもって歴史を知ることができる、埼玉県にとって貴重な文化遺産と考えます。
次に、有形物等の設置検討を依頼することについてですが、地域の文化財は地域で守り、活用することが文化財保護の基本ですので、有形物等の設置については、地元久喜市が主体となって考えていただくことになります。
県といたしましては、栗橋関所に関する情報提供をしたり、県民に栗橋関所の歴史的価値を分かりやすく伝えるための手法を助言したりするなど、久喜市に対して必要な支援をしてまいります。

A   渡辺   充   産業労働部長

「観光コースのスタート地点としての活用」についてお答えを申し上げます。
栗橋関所は、日光街道の中で唯一の関所として知られ、その関所跡は現在でも地元久喜市の観光スポットとして紹介されております。
また、この関所を擁した栗橋宿は、街道の中でも大変賑わった宿場で、街並みや史跡など当時の宿場町の風情が今なお残っております。
この栗橋宿をはじめ日光街道の宿場がある県内の5市1町で連絡会議を設置し、「日光街道埼玉六宿連携スタンプラリー」を実施しているほか、「宿場町まち歩きブック」の発行などの取組を行っています。
県でも、観光パンフレットの中で地域のイチオシモデルコースの一つとして、「日光街道埼玉六宿を歩くルート」を紹介しています。
今後、栗橋関所にシンボルマークとなるような有形物が設置されれば、日光街道埼玉六宿めぐりの新たな観光資源としての活用が期待できます。
将来的には日光街道県東北部の玄関口としての魅力が高まり、埼玉六宿を巡る観光コースの一層の集客に向けた追い風ともなります。
議員お話の観光コースのスタート地点につきましては、関係する市や町など地元の協議の中で検討することが望ましいものと考えます。
県といたしましては、引き続き地元の市や町と連携して、新たな観光資源のブラッシュアップを進め、地域の観光コースの更なるPRに努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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