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掲載日:2020年7月8日
Q 石川忠義議員(県民)
交通事故数、死傷者数は、自動車の安全性能の進歩や交通環境の整備、警察や行政、ボランティアなどによる啓発や関係機関の努力で全国的に年々減少しています。埼玉県の統計でも、交通事故死者数は、昭和45年の845人をピークに、昨年はこれまでで最低の151人にまで減少しました。また、人口10万人当たりの交通事故死者数では、昨年は全国の都道府県中で埼玉県は4番目に少ない県になっています。
しかしながら、埼玉県内では、今年は対前年同期累計で交通事故件数、死者数が増加傾向にあります。今年1月から5月末現在では、交通事故死者数が前年より9人も増え76人、全国の都道府県の交通事故死者数はワースト2位となってしまいました。その中でも、特に高齢者の死者数が前年より7人増え42人となり、全体の55.3パーセントを占めました。
近年、65歳以上の自動車ドライバー、いわゆる高齢運転者による交通事故が注目されておりますけれども、埼玉県警の統計では、65歳以上の高齢運転者の事故発生件数自体は、平成25年からほぼ横ばい、むしろわずかながら減少傾向になっています。70歳以上に絞った場合に、わずかに増加傾向があります。
一方、交通事故件数、交通事故死傷者数全体が減少している中で、高齢者が被害に遭う交通事故は増加傾向にあり、交通事故死傷者に占める高齢者の割合が総体的に増大しております。高齢化社会を考えれば、今後ますます高齢者の交通事故被害は増加し、被害者に占める割合も高くなると予想できます。県では、このようなことから高齢者が交通事故の被害者にならないために従来から様々な事業を行うとともに、新たな事業にも積極的に取り組んできました。
しかしながら、これまでの県の取組は、高齢者が交通事故に巻き込まれないように、高齢者の側に注意を促すものが主流でした。これ自体は意義があり、交通事故減少の効果が得られてきましたが、今後は、ハンドルを握る全てのドライバーに対する高齢者事故防止に関わる投げ掛け、注意喚起に力点を置くことも必要です。
先週金曜日には、所沢市内で道路横断中の高齢者の女性が自動車事故に遭い、亡くなられました。御冥福をお祈りします。報道によると、この事故の容疑者は、「歩行者が横断しているとは思わなかった」と述べているとのことです。交通事故の被害に遭う高齢者は歩行中がほとんどを占め、事故の過失割合が少ないことを考えれば、むしろドライバー全体への高齢者の特性による交通事故の危険性と啓発、防止を訴えるべきです。
昨年10月には知事より、高齢者交通事故防止緊急アピールが発せられ、県民に「高齢者への思いやりを持って運転してください」と呼び掛けています。また、県も構成団体になっている埼玉県交通安全対策協議会でも、高齢者を交通事故から守る県民運動2017の運動の重点として、「高齢者に対する思いやりのある運転の促進」が掲げられています。知事の高齢者の交通事故被害に関する所見と、運転者全体への高齢者の交通事故防止に関わる事業に取り組む考えについてお伺いします。
A 上田清司 知事
平成28年の埼玉県の交通事故死者数に占める高齢者の割合は、年齢別統計の残る昭和50年以降初めて5割を超え、本年も同様の傾向が続いております。
亡くなられた高齢者の約7割の方は自転車乗用中や歩行中であり、その大半が自動車との接触でございます。
一般的に加齢に伴う視野の狭まりや判断の遅れから、無理な道路横断や自転車での急な方向転換による事故が多く発生しております。
全国一のスピードで高齢化が進む本県において高齢者の交通事故防止対策は喫緊の課題であり、県政の重要な課題だと思います。
県では、高齢者に対し交通関係団体などと協力し高齢者世帯訪問や街頭キャンペーンにより、反射材着用の促進や道路横断時の注意喚起などの安全教育を行ってまいりました。
議員ご指摘のとおり、高齢者事故を減少させるためには、高齢者に対する啓発や注意喚起は当然ですが、今後は全てのドライバーに対し高齢者を事故から守るという意識の拡大に取り組んでいかなければならないと思います。
ご案内のように、ドライバーへのアプローチがやや弱かったのではないかというふうに私も感じております。
従いまして、高齢者の行動特性を理解した上でスピードを落とす、ゆとりを持った距離をとるなど思いやりのある運転をすることに注意喚起するように重点化をしてまいります。
このため、「彩の国だより」をはじめ、ラジオやテレビ、SNSなどあらゆる広報媒体を活用し、高齢者への思いやりを持った運転の呼び掛けを行ってまいります。
また、高齢者事故の特徴を捉えたリーフレットを作成し、ドライバーの方への分かりやすい安全教育や啓発活動を努めてまいります。
高齢者を交通事故から守るとの強い決意の下、県警察や市町村、交通関係団体などと協力してしっかり取り組んでまいります。
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