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掲載日:2020年7月8日

平成29年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(石川忠義議員)

小規模事業者を支える商工会等への支援を更に充実すべき

Q   石川忠義議員(県民

埼玉県では、県小規模事業経営支援事業費補助などを行い、小規模事業者等の振興と安定を図るため、これらの経営の改善、発達のための事業を行う商工会、商工会議所に補助金を交付してきました。内容は要綱で定め、補助金交付の実施基準は、「埼玉県小規模事業経営支援事業費補助金の運用について」という文書で定められています。多くの商工会等は、この補助金の交付を一助として事業の充実強化を図り、小規模事業者を支えてまいりましたが、十分とは言えない状況があります。小規模事業者は、人口減少、高齢化などの社会環境や経済構造の変化によって競争が激化、個々の売上げと全体の事業者数が減少しています。また、経営者の高齢化や後継者難などの課題も抱えています。
このような中、国において、小規模企業振興基本法と商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律の一部改正が平成26年6月20日に成立し、現在施行されています。この2本の法律は、言うまでもなく日本経済の骨格を担う小規模事業者を支え、商工会等が小規模事業者に従来に増して寄り添い、伴走型の支援を行う体制を整えることを促すものです。
そして、これらの法律に基づいて、それぞれの商工会等は、これまでの業務に加え小規模事業者への支援を充実させるための努力をしています。県でも、従来からの中小企業等経営強化法に基づく経営革新計画の策定を推進し、承認件数も平成27年度から飛躍的に伸ばしました。また、金融機関による融資制度の種類も毎年度増え、充実してきています。
しかしながら、それらの窓口のほとんどは地域の状況に精通している商工会等が行うため、従来以上に商工会等が扱う業務が増え、負担が増加しているのが現状です。埼玉県では、これらの事情を考え、これまで以上に、特に状況に窮している商工会等を支援すべきです。
そこで、まず、埼玉県経済の発展と地域振興に小規模事業者と県内商工会等が果たしている役割について、知事の所見を伺います。
加えて、職員人件費補助をはじめとした商工会等に対する支援についてです。現在は国の制度を踏襲し、県から経営指導員、補助員、記帳専任職員、事務局長の人件費を補助しています。しかしながら、今後の小規模企業への充実した支援を考えれば、補助対象職員の設置基準の見直しも検討が必要です。特に、合併後の商工会等は、それぞれが事業の合理化と効率化を努力しておりますけれども、冒頭に申し上げた運用により、合併に伴い設置基準を超過した職員が退職あるいは人事異動した後は、少なくとも従来までの事業を進める上で必要であるにもかかわらず、その分の人件費に対する補助金が廃止になります。実際に合併後に事業を増やし、小規模事業者の支援を充実させているところもありますが、これを突き放すようなことがあってはなりません。
県では、今年度から商工会等の若手職員を育成し、マンパワー及び組織体制を強化するために専門支援員を派遣する小規模事業者支援機能強化事業を始めましたが、まだ十分に満足していただける状況にはありません。県は、個々の商工会等の実情を見ながら、状況に窮する商工会等へは柔軟な支援をすることが必要です。産業労働部長の考えを伺います。

A   上田清司   知事

埼玉県経済の発展と地域振興に小規模事業者と県内商工会等が果たしている役割についてでございます。
県内の小規模事業者は約14万9,000を超え、県全体の約87%を占めております。地域の経済や雇用を支える重要な存在であることは言うまでもありません。
また、防犯や青少年の健全育成、まちの美化など暮らしやすいコミュニティづくりにも取り組んでいただくとともに、地域の住民とともにまちおこしのイベントに協力するなど地域社会の活力の源泉とも言うべきだと思います。
一方、小規模事業者は御指摘もありましたように、人口減少や高齢化、地域経済の低迷といった構造変化に直面しており、多くの事業者が販路拡大、新商品・新サービスの開発、後継者や従業員の確保など、経営課題を抱えています。
こうした課題に対し、商工会及び商工会議所は地域の総合経済団体として、融資のあっせんや税務申告の相談を行うほか、経営革新計画の作成など小規模事業者に寄り添った経営の改善に対する指導を行ってきております。
商工会等は平成28年度に県全体で16万件の指導を行ったほか、中には地域資源やアニメを活用して新たな観光地や特産品を開発する団体があるなど本県経済の発展に大きな役割を果たしてきております。
また、地域の住民と地元の事業者が交流を深めるイベントや祭りなども担っており、地域の振興やまちづくりにとっても欠かすことのできない重要な存在だと認識をしております。

A 渡辺 充 産業労働部長

商工会等に対する柔軟な支援についてお答えを申し上げます。
県では、各商工会等の区域内の事業者に対する適正規模の職員設置基準を設け、経営指導員などの人件費を補助しております。
一般的に大規模な商工会等では、様々な相談や指導の経験が蓄積され、ノウハウの共有が図られるため、相談・指導を効果的・効率的に行えるメリットがあります。
しかしながら、合併により大規模な商工会等に移行しますと、このようなメリットをすぐに享受することが困難です。
そこで、県では、合併により補助の対象職員が減少した場合でも、職員が退職するまでの間は補助を継続するという経過措置を設けているところであります。
また、商工会等の意欲的な取組を支援するため、平成23年度から経営革新計画の承認件数や創業件数などの実績に応じて人件費を補助する仕組みを導入しております。
県では、こうした商工会等への人件費補助により、その活動を支援していることから、現時点では補助対象職員の設置基準の見直しは考えておりません。
さらに、職員の人件費補助に加え、議員お話の若手職員の育成を目的とする専門支援員の派遣や、商工会等が地域単位で連携して行う展示・商談会、経営革新のための専門家派遣などを支援しているところであります。
このような県の支援制度を活用し、職員が少ない小規模な商工会でも、様々な事業を行い、多くの経営革新計画の承認を得るなど、成果を上げているところもございます。
合併した商工会等においては、人件費補助の経過措置に加え、これら県の支援制度を有効に活用していただきたいと考えております。
補助対象職員の設置基準をはじめ、県の支援制度の運用に当たりましては、各商工会等の実情や課題などを十分に踏まえ適切な支援をしてまいります。

再Q   石川忠義議員(県民

先ほど答弁で、こちらの「埼玉県小規模事業経営支援事業費補助金の運用について」、設置基準が書かれている実施方針ですね、この基準については、現時点では考えていないということは、あくまで現時点ということでいいですね。これを確認します。
それからもう一つ、各商工会の実情を踏まえて適切に対応していきますということでしたから、内容的に認めますけれども、これは様々な実情に応じて一つ一つ検討してもらえるということでいいですか。確認します。

再A 渡辺 充 産業労働部長

先ほども申し上げましたが、補助対象職員の設置基準につきましては現時点で見直しを考えていない、ということでございます。
二点目でございます。合併後の商工会等につきましては、さらに職員が各団体の現状をお聞きするなど、個別の実情や課題などを改めて整理したいと存じます。その上で県として必要な、適切な支援をしてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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