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掲載日:2022年10月11日
Q 藤林富美雄議員(公明)
平成27年度に児童相談所が対応した児童虐待の件数は25年連続で増加するとともに、前年度比16パーセント増の10万3,260件と過去最多を更新、この10年間で3倍に増え、児童虐待が後を絶たない現状が改めて浮き彫りになりました。
埼玉県は、大阪、神奈川、東京に次いで8,279件と全国4番目であります。本年2月、養父からの暴力を受け、相模原市児童相談所に保護を求めていた中学2年の男子生徒が自殺を図り、死亡するという痛ましい事件がありました。担当した児童福祉士は、結果として保護者の言い分に偏った支援となり、施設で暮らしたいという生徒の訴えを受け止められず、児童相談所内における職員間の情報共有にも問題があったと指摘をされております。
その一方で、虐待対応を中心的に担う児童福祉士は、虐待通告があった場合は通告後48時間以内に子供の安全確認をすることが求められており、一人が担う仕事量の増加に追いつけない状況ではなかったのかとの指摘もあります。
こうした事件を繰り返さないためにも、相談や通報を受けた後の職員の人的体制の充実強化が求められます。さいたま市を除く本県の児童福祉士は、平成20年度の112人から28年度は144人と1.3倍となりましたが、虐待通告件数は20年度の2,116件から27年度は6,683件と3.2倍となっており、一人が担う仕事量への大きな負担となっているのではないでしょうか。特に、虐待対応を中心的に担う児童福祉士の更なる増員を図るべきと考えますが、福祉部長の見解を伺います。
また、虐待によりトラウマを抱えた子や発達障害児など養育が難しい子供は増えているとのことであり、相談体制や心理面などの専門性の高い人材育成のための組織体制の構築も求められており、職員を短期間で異動させるのではなく、長く同じ職場に置くような配置も考える必要があるのではないかと考えますが、併せて福祉部長の見解を伺います。
A 田島 浩 福祉部長
児童福祉司の増員についてでございます。
県では、通告件数の増加に対応するため、児童福祉司を平成28年度に5人増員し144人配置しております。
このほか、児童福祉司の負担軽減を図るため、児童虐待に関する相談に対応する非常勤職員を13名配置しております。
本年5月に児童福祉法が改正され、平成31年度には、児童福祉司を人口4万人につき1名以上とすることを基本とし、本県のように児童虐待相談対応件数が多いところについては、件数に応じて上乗せして配置するという基準が定められました。
この新たな基準を踏まえ、増加する児童虐待相談に適切に対応できるよう、必要な児童福祉司の配置に努めてまいります。
次に、専門性の高い人材育成のための職員の配置についてでございます。
児童福祉司など専門的な知識が求められる職員については、業務に習熟するために必要な期間を考慮して、人事配置を行う必要があると考えております。
このため、在籍年数のみで一律に異動させることなく、人材育成の観点や児童相談所機能の質の確保などを考慮し、人事配置を行っております。
また、職員を異動させる場合にあっても、極力専門性を生かせるような職場に配置しております。
今後とも、児童福祉司など専門的な知識が求められる職員については、人材育成などに配慮した弾力的な人事配置に努めてまいります。
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