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掲載日:2022年10月11日
Q 藤林富美雄議員(公明)
国の事業として、地域と学校の連携、協働により、学習支援の取組の一つとして実施する地域未来塾という放課後学習支援事業があります。これは経済的な理由や家庭の事情により、十分な勉強時間が確保できない中学生を中心とした子供に学校の空き教室や地域の空き店舗などを活用して、ボランティアの学生や元教師など地域の人材も活用し、放課後に学習時間と場所を原則無料で提供するものであります。
先日、平成26年度から先行して取り組んでいる茨城県牛久市の小中学校における放課後カッパ塾を視察してまいりました。牛久市では全ての小中13校で、小学校は4年生から6年生を、中学校は全生徒の希望者を対象に宿題や復習の支援をするうしく放課後カッパ塾を開設しております。このカッパ塾は児童生徒の一斉指導は行わず、生徒によって異なる学習のつまずきに合わせて一人一人の基礎学力の向上や学習習慣の定着を目指しております。
具体的には、放課後午後4時から5時30分まで週2回、退職した教員や大学生のボランティアなどが指導員を務め、指導員一人が生徒10人ぐらいを担当し、つまずきや間違いの指導、集中できない子への声かけ、やることが見つからない子や終わってしまった子へのアドバイスなどを行っています。
そして、学習などに関する児童からの質問については、指導員が日誌に記入することにより、学校の先生も子供たちがどこでつまずいているかを把握でき、授業の中で役立てているとのことです。受講している生徒からは、分からない問題をすぐに教えてくれるからうれしいと大変好評であります。平成27年度の放課後カッパ塾への登録状況は、対象生徒数4,358人に対し、561人が登録しており、登録率は12.9パーセントとのことです。
このカッパ塾で学んだある中学生は、高校受験に合格したお礼にと担当した指導員の家までお母さんと一緒に赤飯を届けてくれたとのエピソードも生まれているそうです。
社会総がかりでの子育て、教育が叫ばれている中で、学校と連携し、地域の人的資源と教育力を最大限に活用することにより、最低限必要な学力を全ての子供に付けさせるべきと考えます。
現在、本県においては中学生を対象として5市4町で中学生学力アップ事業として取り組んでいるところでありますが、県内全ての市町村への普及促進とともに、牛久市の取組のように小学生高学年も対象とし、しかも学習支援が必要な生徒のみならず、希望者全員を対象として放課後に通学する学校内の教室等で学習が受けられるよう、公教育として更なる支援の拡充を図るべきではないかと考えますが、教育長の見解をお伺いをいたします。
A 関根郁夫 教育長
県では、元教員や大学生が指導員となり、学校の教室などを活用し、学力の向上を図る「中学生学力アップ教室」や、小学生に様々な学びや体験を提供する「放課後子供教室」、「土曜日の教育支援」を推進しております。
これらの事業は、市町村が、対象とする児童生徒や学習内容、実施場所などを検討するとともに、地域の実情に応じて各事業を組み合わせながら実施しております。
例えば、北本市では、「中学生学力アップ教室」に加え、小学生が参加する「土曜日の教育支援」において、プリント学習や個別指導などの学習支援を行っております。
一方、こうした学習支援では、指導員の確保が一番の課題であると認識しております。
県といたしましては、指導員を公募したり、PTAに協力をいただいたりして、指導員の確保に工夫を凝らしている事例を提供するなど、全ての市町村が実施できるよう働き掛けてまいります。
併せて、北本市のように各事業を活用しながら小学生の学習支援に取り組んでいる事例も積極的に紹介し、小学生の学習支援事業が拡充するよう、市町村を支援してまいります。
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