環境科学国際センター > 試験研究の取組 > 担当の紹介 > 土壌・地下水・地盤担当の紹介
ここから本文です。
ページ番号:27939
掲載日:2023年1月13日
土壌・地下水・地盤担当の研究活動を紹介します。
埼玉県のみならず全国各地でヒ素を始めとする自然由来重金属類に関連する問題(以下、自然由来問題と呼ぶ)が多発しています。しかしながら、現状では、自然由来問題の地域特性や汚染メカニズム、地下水利用や地盤変動との相互作用など未知な点が多く、さらには被害を最小限にとどめるために有用な既存情報(過去の分析結果、地質・地下水質情報など)が十分に活用されていません。
一方、地球温暖化対策として再生可能エネルギーの普及が求められています。しかしながら、現状では、埼玉県における地中熱利用システムの有効性、自然や社会への影響評価、さらには具体的に普及を進める上での課題などが、明確になっていません。
このような背景のもと、県土の良好な土壌・地下水・地盤環境の保全と安全・適正な土地利用を実現することを目的として、次のような研究分野に総合的に取り組んでいます。
ヒ素を始めとする重金属類や有機系化学物質などによる土壌や地下水の汚染問題が、県内で多発しています。また、地盤沈下問題が鎮静化へ向かう中、新たな地盤・地下水の監視が必要とされています。しかしながら、汚染問題の地域特性や汚染機構の解明、環境管理に役立つ地下地質構造の解明など検討すべき課題が多いのが現状です。
そこで、重金属類や有機系化学物質による汚染問題の地域特性を解析し、汚染機構を解明したいと考えています。また、沖積低地の基底地形や主要帯水層の三次元構造などを踏まえた新しい地下水・地盤環境監視を実現したいと考えています。
埼玉県内の自然土壌や地下水を分析し、土壌中重金属類の県内バックグラウンド値や有害重金属類による地下水汚染の地域分布特性の解明を進めています。また、県内で発生している自然的原因による土壌・地下水汚染のメカニズムを解明し、この結果を基に対策手法を研究しています。
自然由来重金属研究のイメージ
埼玉県では揮発性有機化合物や油等による土壌・地下水汚染が発生しています。そこで広域的な地下水流動解析を基礎とした汚染源推定や汚染範囲の評価、汚染現場の特性を考慮した適切な対策方法を検討します。
現場調査で使用した検知管
地盤にかかわる様々な問題を解決するためには目に見えない地下の構造をできるねだけ正確に把握する必要があります。そこで私たちは、地下数m~数10mといった浅い地下構造、そして数百m~数千mといった非常に深い地下構造などを ボーリングデータを始めとして微動探査、地下温度調査や地下水流動・熱輸送シミュレーション、そしてバックグラウンド調査など様々な科学的手法を駆使してアプローチしています。
地盤情報研究のイメージ
地球温暖化の対策として、再生可能エネルギーの普及が求められています。しかしながら、再生可能エネルギー技術の1つである地中熱利用システムについて、本県における有効性、自然や社会への影響、具体的に普及を進める上での課題などが、明確になっていないのが現状です。
そこで、地中熱エネルギーの賦存量、現有技術、最新技術、経済性、自然や社会への影響評価等から、埼玉県における地中熱エネルギーのポテンシャルを解析し、情報を広く提供することで普及を支援したいと考えています。
地中熱利用の優位性や自然・社会への影響について評価し、県内における実証試験及びモニタリング等を検討しています。さらに、実証試験やモニタリング結果を踏まえて埼玉県における同システム導入に関するポテンシャル評価を行い、その結果を情報提供することにより同技術の普及促進へ向けた技術支援を進めています。
地中熱研究のイメージ
県庁からの依頼による調査研究や試験検査、施策遂行に必要な研究を行っています。
県内地下水の水質を把握するために水質調査を行っています。得られた結果の整理・解析を通じて、調査の効率化やより良い汚染現場の監視のあり方について検討しています。
地下水概況調査の様子
県内の湧水の現状を把握し、貴重な水資源の保全を目指します。
湧水調査の様子
海外から研究生や研修生を受け入れ、分析操作やデータ解析に関する技術指導を行っています。
分析技術指導の様子(中国山西農業大学) 技術研修の様子(JICA事業)
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください