第20回(令和3年度)渋沢栄一賞の受賞者について
渋沢栄一賞は、多くの企業の設立や育成に携わる一方で、福祉や教育などの社会事業にも尽力した渋沢栄一の生き方や功績を顕彰するとともに、今日の企業家のあるべき姿を示すため、渋沢栄一の精神を今に受け継ぐ全国の企業経営者を表彰するものです。
今回は18名の推薦・情報提供があり、選考委員会の審査を経て3名の受賞者を決定しました。(受賞者は五十音順です。)
受賞者及び受賞理由
伊藤 雅俊(いとう まさとし)氏
株式会社セブン&アイ・ホールディングス(東京都千代田区) 名誉会長
会社概要
純粋持株会社 1920年創業(羊華堂:ヨーカ堂の前身) 従業員数58,975人(連結、2021年2月28日現在)
優れた経営
- 戦後、売り場面積2坪の洋品店から経営者としてのキャリアをスタート、1958年にヨーカ堂(現イトーヨーカ堂)を設立し、レギュラーチェーン店展開を開始
- 1974年にセブン-イレブン及びデニーズの日本1号店を開店
- 高度経済成長とともに、総合スーパー、コンビニエンスストア等を有する巨大小売業グループに成長させ、日本経済の発展に大きく貢献
社会への貢献
- 経済的理由により苦学を強いられている若者の支援を目的に1994年(公財)伊藤謝恩育英財団を設立、2021年までに大学生を中心とする約1,100名に奨学金等を支給
大山 健太郎(おおやま けんたろう)氏
アイリスオーヤマ株式会社(宮城県仙台市) 代表取締役会長
会社概要
生活用品企画・製造・販売 1958年創業 従業員数15,550人(2022年1月時点)
優れた経営
- 19歳で家業を継承し、地方から世界で事業展開するグローカル企業に成長
- 東日本大震災の被災地を代表する企業として、日本の抱えている課題に商品・サービスを通じて解決策を提供する「ジャパン・ソリューション事業」を実施
- 生活者の日常の不足・不満を解消するユーザーイン発想の商品開発で年間1,000アイテムを発売
社会への貢献
- 被災した地域・人々へ、支援物資の提供や義援金の寄附等を実施
- 東日本大震災の被災地の復興のために宮城県亘理町に精米工場、福島県南相馬市に資材製造工場を設立し、雇用創出
鈴木 修(すずき おさむ)氏
スズキ株式会社(静岡県浜松市) 相談役
会社概要
四輪車・二輪車・マリン製品などの製造・販売 1920年設立 従業員数68,239人(連結)
優れた経営
- インドやハンガリーなど海外への積極的な進出により、社長継承時から売上高を約10倍に成長
- 社長就任翌年に発売したアルトを主導し、現在に至るまで一貫して軽自動車の普及・発展に尽力
社会への貢献
- 1980年に(公財)スズキ財団を設立、機械工業発展のため若い研究者などへ援助、助成件数1,855件、助成総額約22億5,000万円
- 2000年に(公財)スズキ教育文化財団を設立、静岡県下の高校生・大学生へ奨学事業、支援総額約5億1,500万円
- 2018年に私財を投じて(公財)鈴木道雄記念財団を設立、障害者・高齢者福祉向上などへ助成、助成総額約5,000万円