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ページ番号:266201

掲載日:2025年3月26日

令和7年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文(蒲生徳明議員)

「県医療的ケア児等支援センター」への全庁支援の在り方について

Q 蒲生徳明 議員(公明)

日常的に人工呼吸器等の管理などが必要な医療的ケア児は全国で約2万人、本県では現在825人とされ、医療の進歩で今後さらに増えていくことが見込まれています。
医療的ケアは24時間365日片時も欠かせません。家族に大きな負担がかかり、社会全体で医療的ケア児とその家族を支えるべきと考えます。
私は、令和4年6月定例会で、県立特別支援学校に通う医療的ケア児の教育環境の整備を提案し、令和5年度から保護者の負担を軽減するため、看護師が通学時に付き添うことができるようになりました。その後、例年予算化され、感謝とともに更なる事業の推進を期待します。
本県は令和5年、医療的ケア児支援の中核となる埼玉県医療的ケア児等支援センターを敷設しました。当センターは、県全体の支援体制の構築を担う県センターと個別相談等に対応する地域センターによる2層体制ですが、取組を進めていく中で新たな課題も生まれています。
まず、医療的ケア児を地域で受け入れる体制が、まだ十分とは言えません。私は、医療的ケア児の発達支援や家族の負担を軽減するには、専門的な人材の養成と受入施設を増やすことが必要と考えます。この点について現状と今後の取組を知事に伺います。
また、医療的ケア児の家族には、同じ状況でなければ分からない悩みや不安を抱える方も多くいます。専門的な支援に加え、当事者同士が情報を共有したり、つながりをつくるための支援も重要です。
千葉県の医療的ケア児等支援センターは、家族座談会を企画し、食事に関する困り事の情報交換を行っています。また、群馬県はセンター内に家族交流室を設置し、医療的ケア児等や保護者の方々が自由に利用していただける場として開放しています。
本県でも、当事者同士の情報共有やつながりづくりができるよう支援すべきと考えますが、知事の所見を伺います。
医療的ケア児の支援ニーズは、福祉や医療サービスの利用とともに、学校への通学、保護者の就労など多岐にわたります。福祉、保健医療、産業労働、教育など様々な分野の関係機関が連携し、多様なニーズに対応できるよう体制をつくる必要があり、その連携の要となる県センターの役割は大変重要です。
しかし、本県の県センターには現在職員が2名しか配置されていません。センターは関係者や当事者から相談を受け付ける窓口を設けていますが、課題の把握や解決のために1名が解決者の集まる協議の場などに赴くと、窓口に残るのは1名です。ぜい弱な体制です。県センターはそのほかにも専門人材育成のための研修、地域資源の情報収集や情報発信、当事者支援、地域センターの運営管理などを担っています。
知事は、令和4年の私の一般質問に対し、「開設される支援センターは、相談、支援に係る情報の集約点となり、医療、福祉、教育など多くの機関にまたがる支援の調整について中核的な役割を果たすことが期待されております」と答弁されました。御答弁のとおり、県センターが多くの機関にまたがり支援調整をする機能を発揮するためには、確実にマンパワーが足りません。
例えば、教育行政や保健医療行政に精通する教員や保健師等の職員を配置するなど、県センターの職員を増員すべきと考えますが、知事の御所見を伺います。

A 大野元裕 知事

まず、医療的ケア児の受入施設を増やす取組であります。
障害児を受け入れて発達支援などを行う障害児通所事業所は、県内に1,424か所ありますが、そのうち、医療的ケア児の受入れが可能な事業所は87か所にとどまっています。
受入れに当たっては、経管栄養や気管切開などの対応方法、緊急時における主治医との連携、ケア児の病態に即した発達支援の在り方などを事前にきめ細かく調整するとともに、設備を整備することが必要であります。
県では、これまで、障害児通所事業所での医療的ケア児の受入れを促進すべく、特殊ベッドや点滴スタンドなどの設備費用を補助しております。
令和7年度は、専門家の御意見もお聴きし、障害児通所事業所での受入れに当たっての留意点や手順等を整理したガイドラインを新たに作成をした上で、職員向け研修を行うことで、専門人材の養成につなげるとともに、受入事業所拡大を図ってまいります。
次に、当事者同士の情報共有や、つながりづくりへの支援についてであります。
医療的ケア児の家族は日々のケアに追われ、孤立しがちな状況にあるため、当事者同士が互いに悩みや不安を分かち合う場は大切と認識します。
これまで医療的ケア児等支援センターが主体となり、当事者との意見交換や当事者同士の交流会を実施してまいりました。
今後、こうした活動の輪を広げていくため、当事者自らが主体となり、当事者目線で進めることが何より重要と考えます。
そこで、家族会などの当事者団体が主体となり、情報共有やつながりづくりを目的とした交流会などを活発に実施できるよう、令和7年度から新たにセンターが団体の活動の企画や運営を支援する取組を行ってまいります。
最後に、医療的ケア児等支援センター職員の増員についてであります。
医療的ケア児等支援センターは、県全体の支援体制構築や人材育成を担う県センターに職員を2人配置するとともに、地域の相談支援等を担う4か所の地域センターに看護師や社会福祉士など5人の専門職員を配置しております。
県センターと地域センターがそれぞれの役割を担いつつ、重層的支援体制の構築を目指しています。
医療的ケア児への支援内容は多岐にわたり、全庁的に対応する必要があります。
議員お話しのとおり、教育行政や保健医療行政に精通している教員やあるいは保健師等を増員することも方法の一つとして考えられますが、私は、今後生じるであろう様々な問題に対し、県庁全体がワンチームで取り組む体制の構築が何より重要と考えます。さらには、オンライン相談等も活用し、効率的かつ丁寧に、お忙しい医療的ケア児の御家族の方々への対応ができるように努めてまいります。
そのため、今後は、医療的ケア児の支援に関係する部局で構成する庁内連絡会議を設置し、医療的ケア児に関する様々な課題や取組状況を庁内全体で共有し、対応策を検討いたします。
また、災害時における支援など個別の課題については、必要に応じ、プロジェクトマネジメントの手法も取り入れ、関連する部局間で密接に連携し、医療的ケア児及び御家族のニーズに的確に対応します。
こうした体制の下、センターが支援調整機能を発揮することで、医療的ケア児が誰一人取り残されることがないような支援の充実に向け努力してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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