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掲載日:2024年5月17日

令和6年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(内沼博史議員)

サーキュラーエコノミーへの取組について

Q 内沼博史 議員(自民)

気候変動や生物多様性の損失といった地球規模の課題に対し、世界的な新たな環境・経済社会システムの潮流として、カーボンニュートラルとネイチャーポジティブの実現が挙げられます。カーボンニュートラルとネイチャーポジティブの同時達成は、持続可能な社会の実現に必要であり、SDGsの取組の一環であるとともに、我々人類の安全保障の根幹になるものです。県でも、2050年のカーボンニュートラル実現を目標として掲げており、併せて2030年までにネイチャーポジティブの実現を目指すとしています。
こうした世界的な潮流への対応として、これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄といったリニアエコノミー型の経済社会様式を改め、限りある資源を無駄にせず循環させる経済、いわゆるサーキュラーエコノミーに転換していくことが必要不可欠であります。そして、サーキュラーエコノミー実現のためには、企業が経済活動を通して製品を生産し、消費者が利用・廃棄して終わるのではなく、メンテナンス、リユース、リサイクルに至る全体のサイクルが循環的に行われるように設計するサーキュラーエコノミーに、率先して取り組むことが重要と考えます。
例えば、ファッションの分野では、衣服を回収してアップサイクルや服から服への高度なリサイクルなど、新たなビジネスモデルにチャレンジする企業が増えていると聞いています。一方、不要になった衣服の66パーセントが再利用されず、ごみとして捨てられている現状があります。
2月に自然再生・循環社会対策特別委員会で、サーキュラーエコノミーに積極的に取り組んでいる企業グループの一企業を視察させていただきました。この企業では、大型車の廃タイヤ等を加工し、人工芝を補填する緩衝材としてゴムチップを生産しており、飯能市で昨年リニューアルしたホッケー場にこの製品が使用されています。また、クッション性のある弾性舗装材として、公共施設や幼稚園、遊具場や競技場、車の室内マットなど様々なところで使用されているそうです。この企業からは、サーキュラーエコノミーを推進していくためには、企業だけで取組を進めるのではなく、消費者である県民の理解を得ながら行うことが必要だという貴重なお話も頂きました。
このようなビジネスモデルを増やしていくためには、環境に良いことをしようとする県民の行動変革、県民がリサイクル品など環境に良い製品に価値を感じ、選択するようになることが必要です。そこで、県では今後、サーキュラーエコノミーを推進していくため、県民の皆様に対してどのような普及啓発を行っていくのか、環境部長にお伺いいたします。

A 細野正 環境部長

議員お話しのとおり、サーキュラーエコノミー循環経済を推進していくためには消費者である県民の皆様の御理解と御協力が大変重要となります。
サーキュラーエコノミーは、環境と経済の両立に貢献するものであり、カーボンニュートラル脱炭素や、ネイチャーポジティブ自然再興に資するとともに、経済成長にもつながることを県民の皆様に知っていただく必要がございます。
そのためには、県民に身近なものをテーマに、循環利用したものがどういうものになるのか、循環利用するためには、どういうことをしたら良いのかを具体的にお示しする必要があります。
そこで、身近な衣服をとりあげ、昨年の県庁オープンデーで「サーキュラーファッションショー」を開催し、古着がリメイクされ、魅力的なものに再生する姿を見える化しました。
また、浦和PARCOやコクーンシティなどと連携し、家庭で不要となった衣服を回収し、それがリサイクルによってどう活用されるかを広くPRしました。
また、身近な食も取り上げ、さいたま新都心でのビール祭りなどにおいて、食品残さから製造された循環型食器を多くの方に御使用いただいております。
さらに、浦和レッズと行った実証実験では、埼玉スタジアム2○○2で有名選手を起用してペットボトルの分別方法を大型ビジョンで放映するとともに、回収したペットボトルからマグカップを製造・販売し、好評を得たところでございます。
来年度は、同スタジアムで発生する食品残さを回収して肥料とし、野菜を栽培のうえ、場内で食品として販売し、多くの方に食べていただけるような循環利用をしたいと考えております。
今後も、県民に身近なものや、多くの県民が集まる場所を活用した訴求力の高い啓発を行い、サーキュラーエコノミーの重要性を理解し行動につなげていただけるよう取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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